「日本の師弟89人」という大特集をやっているので
少しずつ読み始めている。
「師弟」からは、古くさいイメージを描く人も多かろう。
それは、このコトバが単に師匠と弟子
(または生徒)のことを指すだけではなく、
師が弟子に期待し、弟子が師を尊敬し、
それを互いに誇りに思う関係をいう場合が多いからであろう。
菊田一夫と森光子、松下幸之助と中村邦夫(現松下電器産業会長)
などの関係は、確かに従来型の師弟関係に近いかもしれない。
しかし、これでも師弟関係といえるのかな、と
首をかしげたくなる関係もある。
自分の処女作というべき本の書評を書いてくれたことに感謝し、
以後、師の主催するシンポジウムに参加しているうちに、
「敬慕」する気持ちになったという。
が、師と「出会ったのは」という書き出しで始まる文章
(「お目にかかった」でしょ?)は、
師を「さん」づけで呼び、いわば世話になった人への
いくらか深い感謝という程度の文体で書かかれている。
つまり、よくいえば親しげ、悪くいえば馴れ馴れしい。
古いイメージの「師弟関係」を好まない人は、
こういう薄くてドライな師弟風の「イマドキ関係」もあると、
少しは安心するがよい。
こんなのに「師」と呼ばれたくない、と
読んでいて思えてくるが、
師も師で、そのことにあまり迷惑を感じていないらしい。
話は少し変わるが、
わがスノーケリングピープルは、満30年記念のツアーとして
伊豆の中木というところへ行ってきた。
スノーケリングクラブには「師」はおらず、
「師弟関係」はありえないが、
30年、あちこちの海に旅をし、
イベントを続けてくると、互いに学び合って、
専門知識や技術を共有する関係ができあがる。
怪しげな師弟関係よりもずっと実のある
フレンドリーなシステムが持続する。
パルマローザも、現在、そういうシステムづくり、
ネットワークづくりへの道を歩き続けている。
30周年記念の日には、どんなイベントが企画されるのだろうか。
栄養士の世界には、
これまで育成型の師弟関係はあまりなかった。
そうだとすると、パルマローザは、
サークルという点ではスノーケリングピープル型だが、
勉強会やセミナーも実施しているので、
大学での研究室機能に近いのか。
さらにセンスアップと勉強、
そして社会進出志向……その目標はとても大きい。
これは大学に見られる師弟関係どころではなく、
1911年に平塚らいてふが結成し、野上弥生子、
岡本かの子らが参加した「青鞜社」(せいとうしゃ)ではないか。
もしそうであれば、
人材の宝庫になるのは10年、20年先か。
ケチな師弟関係とは大きく違う、
「同志」の結束を誇る、価値ある存在になるだろう。
# by rocky-road | 2008-09-01 10:16