
「パルマローザ 214回 ブラッシュアップセミナー」で
『ヘルスサポーターが理解しておきたい
ストレスとモチベーション』を担当した。
パルマローザのホームページにある
「活動結果レポート」には、
4人の方が感想を寄せておられる。
さすがパルマローザのメンバーだと思ったのは、
私が「ストレス」や「モチベーション」の定義にこだわっていることを、
しっかり理解してくださっていること。
そう、コトを論じるのに土俵を決めねば
守備範囲が決まらないし、決着もあいまいになる。
講演や論文を始めるときには、
定義や目標を整えてからスタートしたい。

ストレスについて、
正しく把握していなかった人が多かったとしても、
それを無知と思う必要はない。
これまで、ストレスを論ずる人たちが
丹念に定義してこなかったからである。
いつもハンス・セリエの説に戻るのではなく、
その時代にわかっていることを加味して、
更新していく必要がある。
定義は、不変の真理とはいえない。
時代とともに見直す必要があるものが多い。
今回のセミナーで、
「慢性ストレス」や「手づくりストレス」というものがあること、
ストレスは簡単には「解消」できないものが多い。
あらゆるストレスを解消するなどということは、ありえない。
あるとすれば、それは死亡か認知能力を失った状態である。
一部の論者が「よいストレス」「悪いストレス」などといったのは、
ストレスが、好ましいモチベーションを
引き出すことがある、ということをいいたかったのだろう。
交通事故や親しい人との離別がきっかけとなって、
新しい意欲が起こることはある。
だとしても、それを「よい交通事故」「よい離別」などとはいわない。
事故や不幸と、転機や幸運とは
カテゴリー(定義)が違うように、
ストレスとモチベーションも、カテゴリーが違う。

いずれにしても、ストレスについての理解度は、
ヘルスサポーターのサポート力の底力になる。
結果報告を書いた方々には、
その認識があるようなのはうれしい。
お1人、「ゆず」の曲を聴くことがストレス緩和法だと
書いていたが、少女のような、極楽のような
穏やかストレス環境がうらやましい。
危険分散という意味では、ゆずのほかに、
ワーグナーやプッチーニーや、
アンドレ・リューや、ナナ・ムスクーリや、
音楽ジャンルだけでも、多様性がほしいが、
世の中には、ストレスのダメージを受けない人、
ストレスそのものを感じない人も多いから、
余計なことはいうまい。
# by rocky-road | 2008-12-06 23:26