
先日、青森旅行のとき、平川市にある「盛美園」(せいびえん)という名跡で
アカトンボを撮っていたら、そのトンボがいきなり手に止まった。
写真の嫌いなトンボらしく、いちばん安全な、カメラを持つ手に着地したのである。
同行していた甲斐和恵さんに頼んで、その様子を撮ってもらった。

こんな場合の撮り方をマニュアル撮影を前提にして書いておこう。
まずISO(露光感度)を200か400にする。
ホワイトバランスをその日の天候に合わせ(この日は晴天)、
マクロモード(チューリップマーク)にして、トンボに寄れるだけ寄る。
フォーカス(ピント)は目に合わせる。
シャッターを切るとき、人はやや前に出る可能性があるので、
やや後ろにのけぞる気持ち(実際に引いてはダメ)でシャッターを切る。
トンボのアップは大橋撮影。逆光なので、少しプラス補正をした。

マクロと風景の組み合わせ例をもう1点。上の柿、鎌倉の寺の秋である。
この場合も、柿に最短まで寄る。柿からレンズまでは4~5センチ。
シャッターを半押ししてピントと、その地点の露出をロックする(フォーカスロックという)。
半押ししたまま(ロックしたまま)、構図を決める。
つまり、レンズの先と被写体との距離を保ったまま、
好みの構図を決めてシャッターを深押しする。
自分らしい写真を撮りたいと思う人は、なんとしてもこの技術を覚える必要がある。

コスモスとペンションの写真も同様。
コスモスに寄れるだけ寄って、その向こうに風景を配置する。
花畑などで写真を撮るとき、花畑の前に人がしゃがんだポーズをするが、
きわめて平凡でつまらない。
こんなときは、下のリンゴ園のように、花やリンゴを前にして、
その向こうに人がいるようにすると花やリンゴが強調され、
記念写真としても意味を持つ。

このリンゴ園のときは、リンゴに光を当てて熟成させるためか、
根のあたりにアルミファイルのようなシートが敷きつめてあった。
これがカメラマンには、モデルに当てる銀レフにしか見えない。
「やったぁ!」ということで、みなさんに後ろに並んでもらった。
銀レフを見せないために、足は切った。本来はこれは好ましくない。
普通ならリンゴは逆光で暗くなるが、ここでは赤みが出ている、
そのほうを優先した。

秋は夕日がきれいな季節。
近所の川で撮った夕日。東京にもこういうのどかなところがある。
夕日は、マイナス補正(この説明は説明書を読むか、
写真教室に出た人に聞いてほしい)をし、
レンズを空の比較的明るいところに向けてフォーカスロックをし、
構図を決めてシャッターを切る。
この際、露出補正とフォーカスロックを覚えよう。
▲ by rocky-road | 2010-10-28 00:06