カテゴリ:パルマローザセミナー( 2 )

 

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23021562.jpg

恒例のパルマローザ・新春セミナーが終わった。

(2020112日(日)かながわ エルプラザ)

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23114807.jpg
タイトルは

「日本人の健康支援を、栄養士が

主導するためのアクションプラン。」

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23092637.jpg

内容は以下の項目。

1.栄養士が日本人の健康支援を主導したい、これだけの理由。

2.健康支援を主導するために基本となる準備性。

3.健康支援を主導するための社会的行動。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23095817.jpg
日本は世界でトップクラスの長寿国だが、

「それはなぜか」と言えば、
1つには地政学的条件。
気候が温暖で、干ばつや冷害が少ない。

水害や地震によるダメージは小さくはないが、

長い歴史の中で見れば、その頻度は限定的で

平均寿命を左右するまでには至っていない。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23113243.jpg
文化的、経済的、政治的には、

医療水準が世界的にも高く、

経済的には経済大国の地位を保っているし、

政治的にもきわめて安定。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23100875.jpg
文化面では、

東アジアの米食文化圏にあって、

しかも、一汁三菜とか季節感とか、

「いただきます・ごちそうさま」の習慣とかの、

結果としては心身の健康を支える

多くのシステムを生み出している。

これらは道徳的、教育的なレベルを

反映したものであろう。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23094986.jpg

俯瞰的に見ればそういう解釈になるが、

人為という点から見れば、

なによりも高い教育効果として

健康意識が高い国民であること、

各人各様に

自分の職場で最善を尽くす人の割合が高いこと、

などにによって、

全国民が直接、間接に

日本人の健康維持・向上に貢献している。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23105011.jpg

つまり、

日本人の健康は、

「健康支援者」だけに支えられているわけではなく、

一次産業から三次産業まで、すべての職業、

そして、ここに住むすべての個々人によって

支えられているということになる。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23102496.jpg

職業的に見た場合には、

社会の健康教育の面で、

栄養士は、このところ自分の専門分野を

あとからやってきた一部の医師に

少なからず荒らされている。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23135172.jpg

「ゴボウ茶を飲むと20歳若返る」とか、

1日3食をやめなさい」とか、

「白米をやめなさい」とか、

栄養学の基礎ができていない医師に

好き勝手な珍説をバラまかれている。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23143998.jpg

「荒らされている」と言ったが、

職業的な専門分野を奪われるということより、

フードファディズム(食のまやかし情報)

日本中にバラまかれている

という点が問題であり、

ドクターごときに、そこまで言わせておいて、

この分野のプロとして責任を感じないのか。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23141866.jpg

少なくとも食や栄養に関する情報提供は、

栄養士がイニシアティブをとる必要がある、

というのが、今回のセミナーのコンセプトである。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23174139.jpg

ただし、相手は医師だけではない。

というよりも、

元凶は医師ではなく、マスメディアである。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23191286.jpg

医師がマユツバ情報を

メディアに売り込んでいるとは思いにくく、

むしろテレビや版元が企画をし、

そのプランを、

引っかかりやすいドクターに持ちかけている、

というのが実態であろう。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23155873.jpg

栄養士は、書けない、しゃべれない、

一見、論理的に思えるデタラメを

振りまくだけの勇気がない、

などなどの理由があるにしても、

対岸の火事のように感じていては

職業的責任は果たせない。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23165492.jpg

フードファディズムのバラまきを

放っておくことは、

箱の中に隠れた容疑者を、

missmiss国外逃亡させてしまったことによる

ダメージなど問題にならないくらい

国民的には損失が大きい。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23360148.jpg
栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_01395071.jpg

その対策をいくつかあげた。

なによりも本人が見た目も健康であること

思想、人生観、表情、姿勢、
歩き方、身だしなみなどの点で。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23202400.jpg

さらには、

いつでもスピーチや講演に応じられるように

トレーニングをしておくこと、

そのためのテキスト作りの準備性を高めておくこと

(パワーポイントにおんぶに抱っこの講演はしない)

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23214684.jpg

あるいは、テレビ出演のときの心得、

同意できないコメントをするように

求められたときの対処法など、

いくつかのポイントを示した。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23225274.jpg

要は、メディアを使って社会的発言ができるように

自分を思いきり鍛えておくこと。

医師にしても、

養成中に社会的発言法を学んでいたわけではない。

社会に出てから見つけるスキルである。

依頼があってからの対処ではなく、

日頃から準備性を高めておくこと、

そのポイントを示した。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23223333.jpg

さて、受講してくださった人たちが

ピカッと光る食情報を

メディアで披露する日はいつか、

楽しみは10年後か、50年後か、

いやいや100年後か。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23220954.jpg
栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23241594.jpg
栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23084505.jpg
栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23195938.jpg

13日は、有志の方々と

「ルノワールと パリに恋した

12人の画家たち」を横浜美術館で鑑賞した。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23243598.jpg

ルノワールの作品以外の

当時(1800年代中期以降)の画家たちの作品を

少しずつ見られたことを喜ぶか、

ルノワールの作品が少なかったと悲しむか、

画家たちの作風(うまいヘタ?)の多様性を感じるか、

各作品に付してある解説文の

なんとも味けのない文章を分析するか、

作品よりも解説文にクギづけになる

入場者の、絵ではなく文章の鑑賞力に

感心するか、

美術館にもいろいろの楽しみ方がある。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23250194.jpg

その前後の写真も掲げておこう。

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23261817.jpg

栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23265474.jpg
栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23273456.jpg
栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23292305.jpg
栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23294270.jpg
栄養士は、どこまでイニシアティブをとれるか。_b0141773_23312399.jpg


by rocky-road | 2020-01-14 23:31 | パルマローザセミナー  

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22314790.jpg

1月と6月の開催が恒例となっている、

パルマローザの

ブラッシュアップセミナー、

6月季の、大橋担当セミナーが終わった

2019年6月9日)。

タイトルは

「人生100年時代だから、

食生活・健康支援、15のシフトポイント。」

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22322156.jpg

3大生活習慣病」といわれる

がん、心臓病、脳血管障害(現在は肺炎が3位)を、

ある程度は克服することができて、

平均寿命も健康寿命も延び続けている。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22371608.jpg

延び続けるのはうれしいが、

次に待っていたのが認知症である。

認知症は栄養障害ではないから(異説もあるが)、

栄養士の出番は少なくなるのか。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22422370.jpg

いやいや、

それどころか、

むしろ栄養士の存在理由は高くなる。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22374760.jpg

野球は9人のプレイヤーでするものだから、

右打ちバッターが出てきたら、

外野手3人で右側にシフトしなければならない。

かつての「王シフト」である。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22381759.jpg

日常茶飯事を通じて、

人々の認知機能を高めたり

認知機能の低下を遅らせたりするのは、

現状では、栄養士ほどの適任者はいない。

ここで求められるのが

栄養士による「認知症シフト」である。

「私はレフトが定位置だから……」

などとは言ってはいられない。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22384505.jpg

ところで、

「人生100年時代」とは言っても

現在、百寿者は約7万人というから、

平均寿命が100歳になる日がくるとしても、

10年や20年後というわけにはいかない。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22455294.jpg

ちなみに、私が生まれた

1936年(昭和11年)ごろの平均寿命は

46.92歳、女49.63歳とあるから、

80余年で平均寿命が約1.8倍も伸びたことになる。

「人生50年時代」には、

平均寿命がそんなに延びることを

どれくらいの人が予想しただろう?

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22464287.jpg

とすれば、今後の50年で、

平均寿命が100歳になる可能性を

否定し過ぎないほうがいいかもしれない。

もっとも、人生100年時代は

認知症の人が多い時代であることを意味する。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22470782.jpg

厚生労働省の計算によると、

2020年には、認知症の人が700万人になるそうで、

65歳以上の5人に1人が認知症になると見込んでいる。

栄養士に限らず、

健康支援者はこのことを念頭に置いて

今後、仕事をしていかなければならない。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22492892.jpg

今回のセミナーでは、

人生100年時代を迎えるに当たって、

栄養士や健康支援者が、

対象者とどう接し、どう支援すればよいか、

ということにポイントを置いてお話しした。

栄養状態をよくするのは当然として、

さらには認知機能を高めるところまで、

守備範囲を広げるときがきていることを強調した。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22481702.jpg

ここまでの日本人の平均寿命の延びは、

個々人の意識や努力以上に、

国や自治体、医療機関、地域・民間施設による

ヘルスプロモーション(健康促進活動)に

よるところが大きい。

もちろん、

それを可能にした地政学的な事情もあった。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22483977.jpg

いわゆる「平和ボケ」が許される戦後の日本社会では、

少なからずの国民は

「平和」を信仰の対象とし、

つまり願えば叶えられるものと信じ、

(本当の理由をあえて考えず)

「企業戦士」となって働き、

余ったエネルギーを「健康」に傾注することになった。

無責任なライターからは「健康ブームを問う」とか、

無責任な作家からは「健康という病」とかと

遠くのほうから冷笑されてもいる。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22513785.jpg

なんと言われようが、

健康長寿は、人からうしろ指を指されるような

やましい思想や行為ではない。

そのことを確認したうえで、

では、今後、健康支援者は

どういうスタンスで

食生活支援や健康支援をしてゆけばいいのか、

そのことについて

15のシフトポイントとして示した。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22503756.jpg

1.高齢長寿の意味を正しく理解する。

2.むしろ栄養士の守備範囲を正しく理解する

3.「利他行動」の意味を正しく理解すること。

など、以下、省く。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22521330.jpg

要約的に述べれば、

少なくとも健康支援者においては、

「健康」を思想として深め、

それとなく健康についての考え方を人に伝えてゆくこと。

その原則は、

(仕事以外のところでも)

積極的に、より長い間

社会参加することである。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22531794.jpg

家族、子や孫にとどまらず、

アカの他人と交わり続けて、

モチベーションを持続すること。

子や孫は20年もすれば自立してゆく。

おじいちゃん、おばあちゃんの認知症は

兆候が出ているかもしれない。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22533302.jpg
社会活動へのモチベーションは、

もちろん自発的であることが前提。

つまりは、

以前からの生きがい、

先週から始めた余暇活動に感じる生きがいなど、

あれやこれやの生きがいを持つことである。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_00003688.jpg

そういう活動には、

創作性や協調性、貢献意欲が伴い、

社会的に有用な人材となる。

個人的には、

モチベーションの更新システムとなり、

健康を支える城となる。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22571309.jpg

自分の労力的、時間的、金銭的ロスを受け入れつつも

アカの他人を支える「利他行動」は、

生物学用語になる以前に

仏教用語「利他」として

関係者には使われており、

日本人は格言として

「情けは人のためならず」を知っている。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22550892.jpg

「思想としての健康」とは何かと言えば、

「情けは人のためならず」に尽きる。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22552446.jpg

健康は、

多様な人と交わることで強化されるものだから、

ヒトとしてのコミュニケーション力と、

人間としてのコミュニケーション力を

同時進行的に備え、強化していきたい。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22582516.jpg

「ヒト」としてのコミュニケーション力は

姿勢であり、表情であり、眼力であり、

フェロモンなどなどである。

肯定的な身体コミュニケーション力は、

それ自体が健康環境となって人類に資する。

寝ていても、クシャミの瞬間でも、

建設的な表情を保ってこそ

健康支援者のプロと言える。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22390273.jpg

「人間」としてのコミュニケーション力とは、

対面、非対面に適応した

記号・言語コミュニケーション力である。

対面、ミーティング、講話、講演、電話、

サイン、手話、手ぶり、Eメール、ハガキ、手紙など。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22554925.jpg

健康は、正確なコトバ、

温かいコトバ、伝わりやすいコトバで語りたい。

コミュニケーション嫌いは健康支援者としてはシンドイ。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_22595293.jpg

いずれにしても、

栄養士による人生100年時代の健康支援は、

軸足を食と栄養に起きながらも、

コンパスを大きく開いて、

人々のモチベーションを高めること、

自身が生きた見本になることを

このセミナーで強調した。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_23002531.jpg
栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_23035861.jpg

たんぱく質やビタミン、

献立や外食について

有用なアドバイスをしてくれる栄養士が

旅行の収穫やゴルフの成績、

介護ボランティアでの出来事などを

問いかけることが多くなることは、

認知症の発症年齢を遅らせることになるだろう。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_23042030.jpg

2020年を待つことなく、

栄養士は、からだの栄養補給と

心の栄養補給を促進するプロとして

活躍してゆくはずである。

栄養士は、認知症予防にどう貢献するか。_b0141773_23090349.jpg


by rocky-road | 2019-06-12 23:09 | パルマローザセミナー