
人類に、そして人それぞれに
いろいろの教訓を与えているが、
私にとって、もっとも大きな教訓は、
「備えなければ憂いあり」ということ。
予防ワクチンの開発は、
現在のところ日本は完全に立ち遅れている、らしい。
日本の開発事情を伝える報道は、不思議なほどにない。
コロナ感染者を毎日伝えるのと同じくらいに、
ワクチンの自国開発状況は、かなりの情報価値があると思うが、
マスメディア側には情報提供の意志はまったくないらしく、
伝えるのは外国の開発事情ばかり。

競争に負けたり、生産過剰になったり、
副作用が出たりした場合のリスクの問題なのか、
それ以前に、そもそも開発能力の著しい低さなのか、
そのあたりの情報がまったく伝わってこない。

日本での開発を促すためには、
「〇〇製薬はいま△▽の状況」などと、
伝えてもいいくらいだ。
開発中の製薬会社前にテレビカメラを据えて、
毎日、レポートをすれば、どれだけ話題性があることか。
ワクチンを開発しないのであれば、なぜそうなのか、
製薬会社の人にインタビューすればいいのに。

実は「嵐の前の静けさ」で
極秘裏に製薬会社のいくつかが、
完成1歩直前というところに来ていながら、
逆転の1発を狙って、
あえて沈黙を守っているのか、
そんな可能性にも期待をしたい。

そのような発想は楽観論そのものであって、
現実はそれどころではなく、
開発競争のスタートラインにもつけず、
「人の弱みにつけ込むのはよくない」という、
いわば武士の情けが働いて、
報道機関は、あえて視線をそらせているのかもしれない。
成熟社会期に入った日本および日本人は、
現状突破のモチベーションを失っていることは確かだ。

いずれにしても、
この現状を重く重く受け止めるべきである。
コロナウイルス対策の問題にとどまるのではなく、
今後、日本に起こりうるいろいろの災禍を想定すべきである。
視線をそこに向けなければ、
コロナ禍から、なんの教訓も得なかったことになる。

宇宙には何億、何十億という流星があって、
地球から観測できるシシ座流星群だけでも、
1時間に数万個だという。
大宇宙から地球目がけて飛来する流星もあるはずで、
巨大流星が地球に落下すれば、地球は、ほぼほぼ全滅。
天体観察をする人の中には、
そういう想定をして観測を続けている人もあるとも聞いた。
何億年に1回の確率だとしても、ありうることである。


しかし、流星の落下や、コロナ以外の感染症の流行に比べて、
はるかに確率が高いのが「戦禍」である。
すぐ近くに、世界のリーダーになろうとする国が現われて、
高いモチベーションを露わにしている。
領海を広げ、それを既成事実にしようとし、
そこに入ってくる者を攻撃してもよい、
という法律を作ったし、
実際、軍事力を日増しに強化している。


この状況を
のちに振り返ったとき、
「あの時点で、すでに戦争は始まっていたのに」
などと、後悔しないことを祈るばかりである。
公海を「自分の海だ」と主張することは、
制海権の固定化そのもので、すでに戦闘行為である。
外へ外へと膨張を続ける中国は、
国際舞台に躍り出たころの日本の状況と重なるところがある。
もっとも、そのころの日本だったら、
身近な国のそんな横暴を黙って見ていることはなかった。


中国の覇権傾向は、コロナの襲来と違って、
一挙手一投足まではっきりと見えている。
(コロナだって「武漢発」とわかっていた?)
武漢でコロナウイルスが広がった段階で
ワクチンづくりを始めていればよかった、と
いまならだれもが言えるが、
そのときは、地球人のすべてが、な~んも考えてはいなかった。


戦禍抑止も、コロナワクチン同様、
アメリカに頼りきっているが、
いまのアメリカは、自国内がザワザワしていて、
とても日本のことなど構ってはいられない状況。
それでなくても、アメリカ国内には中国系の諸組織が、
がっちり根を張り巡らせていて、
バイデン政権になってからは、さらに勢いづくと見る人が少なくない。



ということであれば、
日本のマスメディアは、
製薬会社を取材するチームと、
防衛省を取材するチームを編成して
コロナワクチン開発状況と、
中国の日本進出と、それに対応する状況を、
それこそ日報として、連日、国民に情報を伝えるべきだろう。
それ自体が、ワクチン対策、「戦禍」対策になる。

自衛隊は、この状況に対処していないはずはないから、
秘密を隠すことは承知のうえで、
「そこをなんとか」探ってみたい。
もちろん、ホームページからはなにも得られない。

もっとも、そういうことは、いかにも間接的な、
遠回りのアクションであって、
いまこそ、コロナが怖いか戦争が怖いか、
緊急事態世論調査でも行なって、
国民を「平和ボケ」から覚ましておく必要がある。

あきらめの早い日本人にとって、
敗戦というのは致命的ショックとなったようである。
1回負けると、もうどんな理由であれリターンマッチはなく、
「戦争はいけない」となって、思考が停止してしまう。

それをアメリカの占領政策のおかげだという人がいるが、
それよりも、
世間体を気にする「他律的日本人」の側面という要素のほうが大きい。
「戦争はいけない」「平和がいちばん」といっていれば、
「いい人」に見えるから、ゆるく生きていけるのである。

一方、中国は、これまで世界から軽んじられてきたし、
それ以前から、しばしば国内で戦争を繰り返してきているので、
「平和がいちばん」と考える人も多いはずだが、
リーダーになる人は別で、
国内を静かにまとめておくためにも、
今度こそ、世界のリーダーになろう、
マスクやコロナワクチン、医療技術、
そしてカネと軍事力によって拡大を続ける。
けっしてめげない、強心臓の人たちである。

香港はすでに一国二制度を反故にされて、
中国の支配下にされようとしているし、
次は台湾、そして尖閣諸島がターゲットである。
かれらには「平和的に」「根気よく話し合って」という発想はない。
コロナ予防ワクチンの日本開発をあきらめたとしても、
「戦禍」を避ける対策、
「虐待」や「排除」を避ける対策は
すぐにでも始める必要がある。
「戦争はいけない」と言い続けてきた人は、
結果として、
「戦争に巻き込まれよう」「他国の支配下に置かれよう」
「自由を束縛されよう」と主張してきたことになる。

「戦争は日本だけが起こすもの」
「太平洋戦争は日本だけの意思で起こった」
「平和憲法を守っていれば戦争は防げる」と
本気で思っている幼い大人たちは、
実は戦争を誘発する「危ない人たち」である。
なぜなら、そういう感性こそ、
攻める側にとって申し分のない条件である。
そこへ「コロナ」である。
いまは絶好のチャンスと見ていることが、
かれらのアクションの1つ1つから読み取れる。

緊急事態宣言の延長は、
世界の危機であることに加えて、
日本の危機であることの再宣言と受け止めて、
視線をコロナウイルスの向こうに見えるものにも
向けようではないか。
▲ by rocky-road | 2021-02-03 21:36 | 新型コロナウィルス