人間研究家 ヘルスサポーター
「ヘルスサポーターが理解しておきたい
ストレスとモチベーション」という演題で
話をさせていただいた。
ヘルスサポーターに、なぜそんな話が必要なのか。
それはいうまでもなく、
人間、いや動物の存在は、モチベーションとストレスなしでは
説明しきれないからである。
ストレスの学会はいくつもあるから、
そういう話は専門家に任せておきたいが、
「ストレス&モチベーション学会」というのはなさそうだし、
仮にあったとしても、専門家は、その学問を
生活の中でどのように活用するかを説くのがヘタだから、
いわば翻訳家が代わってやるしかない。
ストレスとモチベーションはセットである。
過労死するような人は、
仕事に強いモチベーションを感じている。
が、ストレスも相当にたまる。
モチベーションが強いと、それによるストレスを感じない。
ここに危険がある。
モチベーションは、かならずしもプラスに働くとは限らない。
講演では、「よいストレス 悪いストレス」という分類は誤りだと言った。
が、モチベーションのほうは、強弱だけでなく、適否もある。
宅配便を語って人の家に侵入するのは
社会にとってマイナスのモチベーションである。
自分自身を破滅させるモチベーションでは困るが、
それもまたモチベーションではある。
仕事への高いモチベーションそれ自体は悪くはない。
問題なのは、モチベーションに多様性がないこと。
大小・強弱・長短・物質性・精神性……
いろいろのモチベーションに動かされている人は、
ストレス病へのリスクを軽減できる可能性がある。
食事相談だからといって、栄養素や食卓の上の話に
終始しているのは、もはや古典的手法。
人の人生、人のモチベーション、
人のストレス、人の幸福感などを
考えたことがない者が、「患者さんの行動変容を……」
などと口走るとは、恥ずかしい。
さらに、そういう青臭いスキルを
組織的に教えている者があるとすれば、
それはガマの油売りほどにいかがわしい。
by rocky-road | 2008-12-03 00:48