使命感の風船

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非常勤で出かける大学の学生に、
「将来、就きたい職業は?」と聞くと、
「食育」「商品開発」「フードコーディネーター」が
上位にあがってくる。
この傾向は20年近く、変わっていない。

一方、フードコーディネータースクールでは、
さすがに「フードコーディネーター」は少ないが、
「食育」や「商品開発」は上位にランクインする。
そう願う人の中には栄養士も少なくない。

若い食関係者に、これらの職業の人気が続くのは、
1つには、実像がはっきりしないために、
憧れが先行し、いつまでも中空にさまようためだろう。

栄養士の世界では、「開業栄養士」というのも
これに近いところがある。
栄養士を読者とする雑誌が、
「開業特集」を企画するのは当然である。

トレンドにしろ、流行にしろ、
それらはイメージやコトバが先行するものである。
中空に漂う風船のようなところがある。
糸をつかまえれば自分のものになるが、
ほっておけば、風船は空へ。
つまりは一時の流行に終わる。
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「開業栄養士」との関連でいえば、
食事相談も、単独ではビジネスにならないと見切りをつける栄養士もいるという。
いや、公の場で、そう宣言したという。
そのあきらめの早さは江戸っ子的といおうか。
結論を急ぐのも才能の1つだが、
だから、マネジメントや語学力、
アメリカの栄養士の資格をとろう、
と人に説くようになると、
ミスリードを始める危険がある。

フードコーディネーター養成校の講師にも、
「ソロバンのはじけるフードコーディネーターになれ」と
強調する人がいた。至極まっとうな意見だが、
困るのは、本業よりも、ソロバンのほうにポイントがあると錯覚し、
自分の専門をおろそかにする学生が少なくないことである。

つまり、食ビジネスに関する自分の商品開発をしないで、
マネジメント力ばかりを磨くのは本末転倒。
それは、車の路上運転の練習をしないで、
車の掃除や、車庫への出し入れの練習ばかりを
するようなものである。

食育も、開業栄養士も、食事相談も、
現段階では、確かに不安定な風船である。
が、飛びかかっている風船の糸をつかまえる人はきっといる。
それは社会人としての経済的成功につながるとともに、
職業的使命の達成にもつながる。

手相や風水、トランプや星座など
いろいろの占いで仕事をしている人がいる。
寒風の吹きすさぶ、うす暗い街角で、
じっと人を待ち続けた先人たちの努力が、
今日をつくったということだろう。
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人生、いつも迂回ばかりしていてはダメだ。
真っ向勝負の度量と持続性、
それ以前にアイディアが問われる。
栄養士は、既存のものに乗っかることを
習性にしてはいけない。
パイオニアとしての意欲をかき立ててほしい

by rocky-road | 2008-10-18 01:35  

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