海つながり、食つながり

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↑→写真右:『マリンダイビング』500号記念号 写真左:ツマグロモンガラ
ダイビング雑誌のパイオニア、
『マリンダイビング』500号記念号が届いた。
創刊は1969年、私がダイビングを始めたのは1964年。
この雑誌が出たときの喜びは大きかった。
ダイビングという、まだ少数派のレクリエーションが、
世間に認知されるきっかけの1つとなると思うと、うれしかった。
編集者として、この雑誌の編集には
期待するところが大きかった。
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                          ↑写真:1974年38歳の大橋 

その直後、縁があって編集のお手伝いをすることになる。
水中写真家として、すでに著名であった館石 昭氏は、
ご自身が経営する水中造形センターから出すこの雑誌に
プロの編集者の力を借りたい、とおっしゃり、
「レジャー雑誌ではあるが、社会に出すには、
しっかりとした国語を使った、文化的に
恥ずかしくないものにしたい」とその理由をつけ加えた。
編集者にとっては、ぐさっとくる殺し文句である。


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                      ↑500号記念号 創刊当時のエピソードページ

以後、25年あまり、この雑誌や、
そのあとに創刊された『海と島の旅』
『マリンフォト』などのプロデュースにかかわることになった。
おかげで、館石さんからは、
撮影テクニックの基本、写真評論など、多くを学んだ。

趣味としてのダイビングは、いまも続けているが、
出版プロデュースの仕事は、
海から健康、食へと移った。
『栄養と料理』の編集長時代は、
まだ海関係の出版にたずさわっていたため、
あるとき、『栄養と料理』の読者から、
こんな問い合わせがあった。
「編集長は、あのダイビング誌の大橋さんですか」

つまり、海と食とがここでつながった。
当時、創刊45年あまりをたっていた『栄養と料理』の読者と、
当時は創刊10年あまりの『マリンダイビング』の読者とが
クロスオーバーしたのである。
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                          ↑『マリンダイビング』 108号 1982年
                           この号で第11回 水中写真コンテスト
                           グランプリ発表。大橋が受賞 

編集を仕事にする人にも、専門と非専門とがあり、
得意と不得意があるが、
基本的には、どんな情報でも扱うし、扱わなければらない。

私は、「編集とは情報を収集や再構成などによって、
新たな情報体を創造すること」と、定義している。
録画画像からコマーシャル部分を除く、
1日のできごとを3行の日記に書く、
自分の仕事にネーミングし、名刺などを作る……
これらには、大きな割合で編集作業が伴う。

私が「編集は社会人としての基本スキルだ」というのは、
このことをいう。
そして、情報の受け手は、おおむね「人」である。
そして、人の仕事は、直接・間接的に人を対象にしている。
人を知ることが、けっきょくは編集の原点である。
ヘルスプロモーションはもちろんのこと、
食事相談にも食育にも、「編集」が伴い、
いずれも人のモチベーションを洞察する仕事ではないか。

by rocky-road | 2008-10-03 00:09

 

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