ファッションショー ふたたび
あれから44年が過ぎた。
発足してから数年後、自分も含めダイバーのウエアが
あまりにもダサイのに失望した。
アメ横で買った米軍払い下げの実戦服、
それに軍用バッグ、登山靴、
うっかりすると、
朝鮮戦争がまた勃発したかと思うような格好だった。
伊豆七島のどこかの島からの帰り、
ようやくメジャーになってきたサーファーたちが
ドカドカと乗船してきた。
その海っぽいファッションを見て、
「こりゃ、いかん、いかぬ!!」と思った。
が、いわゆる「マリンルック」は、ヨットマンのファッション。
あやつ等の軍門には下りたくない。
で、トレーナーにジーンズ、
運動靴(まだそう呼んでいたカジュアルシューズ)かスニーカー。
そこらあたりに落ち着いた。
なんでそこで落ち着くの?
どこが「マリン」だね、なにがダイビングだね、
そういわれたって、ゲップ1つ出るもんじゃない。
それが実力の限界というもんだから……。
でも、例会の日に、日本初の
「ダイビングファッションショー」というのをやった。
ダイビング雑誌にも、ちょっぴり記事が載った。
そろいのTシャツやトレーナーも作ったが、
海への旅にユニフォームは似合わない。
ダイビングは「マリンスポーツ」ではなく、
地の果てから始まるもう1つの旅なのである。
ユニフォームは、チームの団結には有効だが、
仲間の結束は、一方で外部を威圧する排他性を伴う。
「ファッシヨン」と「ファッショ」とは同根のコトバである。
かくして、いまのダイバールックがある。
いや、それらしいファッションがあるとはいえない。
旅は自由だ。それでいいじゃないか。
その日から30数年、いま栄養士がファッションショーを
開くという(2008年9月20日。詳しくは、パルマローザHP
スケジュール欄をhttp://www.palmarosa.jp/circle/event/index.html)。
こういうめぐり合わせの幸運を強く感じる。
栄養士の世界、健康支援者のファッション事情は、
あの日、あのころの東京潜泳会(私が所属したスノーケリングクラブ)に
ほんの少し近いかもしれない。
が、そこから歴史が始まる。
私が海行き衣装にこだわるのは(ええ、それなりにィ)、
海とは、地の果てと水中ステージとで、
魚たちと競演するファッションショーそのものである。
魚たちに通じるファッションが、
メタボリックシンドロームを気にするおじさんや、
減量とか健康とかを願う人たちに
通じないはずはないではないか。
魚たち同様、もっと自分を信じ、
ディスプレーしてみようじゃないか。
それが生きるってこと、
そして人を活かすっていうこと、かな?
by rocky-road | 2008-09-16 22:25