テールライト(尾灯)で前方を照らす。

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岡山県栄養士会のお招きで、
同栄養士会「生涯学習研修会」の1コマを担当させていただいた(8月3日)。
演題は、「栄養士のQOLを高める表現力  ≪文章力・写真力を中心に≫ 」

地域の栄養士会がこういう企画をすることは
栄養士の社会的進出への意欲の一端を示すものであろう。

『栄養と料理』編集長時代、「栄養士のための講演術入門」
という企画を提案したことがあったが、
上層部との会議の席で
「まだ早い」と却下させられたことを思い出した。
それからおよそ25年。

時代の流れを早いと感ずるよりも、
むしろ時代は「大河のようにゆったりと流れる」と
感じることが多い私にとって
25年後に関連テーマの再現を見たとしても、
さほど驚くことでもないが、それでも
「ようやくそんな時代がきた」という感慨はある。

もっとも、時代背景は異なっていて、
いまは、特定保健健診に見られるように、
「未病」の人をサポートするとなると、
「治療」とか「予防」とかというキーワードにあまりインパクトがないため、
「心身の健康」とか「人生」「幸福」「自己実現」とかの
抽象語の使用頻度が増えてくる。

「たんぱく質は1日に70グラム」「一汁三菜」といった、
数値化できる概念ばかりでは、
人のモチべーションを高め続けることはむずかしい、
ということだろう。

健康、人生、幸福などは、
「いま」よりも、もう少し先の方向でピントが合うコトバである。
これらの概念は、目で見たり、手で触れたりすることができない、
つまり、コトバがあってこそ存在する情報群である。

栄養士が文章表現力、つまりはコトバ表現力を学ぶということは、
人を後押ししながら、車のテールランプによって、
なんとかその人の半歩先の足元を、
うっすらと照らしてあげるようなものである。

この研修会の進行をしてくださった
冨田加代子氏(岡山県立大学保健福祉学部 栄養学科准教授)が、
まとめのごあいさつの中で、
「岡山からも情報発信をしていきたい」と述べておられたことが
印象に残った。
この着眼点もまた、将来的に、クライアントの半歩先の足元を
照らすことになるのだろう。
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by rocky-road | 2008-08-05 01:14  

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