「生涯現役」のカタチ。

「生涯現役」という場合の〝生涯〟は
「人の一生」のことだとして、
〝現役〟とは何か。
ハードルを下げて考えれば、
「1人で生活行動ができる状態」となるだろうし、
ハードルをあげれば、
「仕事、予暇活動、人づきあいなどの社会活動ができる状態」
ということになるだろうか。

そこで、自分の〝現役度〟を振り返ってみた。
仕事は、高校時代を含めて(女性バッグのデザインのバイト)、
以来、休みなく現役を続けてきている。
予暇活動は、小学生3年から始めた野球を
とびとびながら、40代まで続けた(女子栄養大学野球部)。


クラブの運営と同時進行で続けてきた
(東京潜泳会 スノーケリングピープル、
水中映像サークル、ダイビングクラブ連絡会議などの
立ち上げと運営)。

いま海関係のクラブは休眠状態だが、
代わって栄養士さんたちと続けることになっている。

それらを加えれば、
スノーケリング歴は今年で60年余となる。
かつての仲間で、スノーケラー現役との情報はない。


今年の9月半ばに
体調に異変を感じて病院を受診したら、
「心不全」とわかった。

直後に、地方での講演、10月初旬の沖縄行きなどが
控えていたが、薬をもらったら、だいぶよくなったので、
予定を変えないことにした。
医師は「すぐ入院してもおかしくない」と忠告してくれだが、
〝現役〟にこだわった。

奈良県での講演、続けての京都見物。




その1週間後には、
50年ほど通っている沖縄県座間味島(ざまみじま)行きも
バッチリ催行した。


熱い砂浜をヨタヨタ歩くスノーケラーの様子は、
とても〝現役〟とは言い難く、
いわば〝要介護スノーケラー〟のぶざまな実態。

それでも、いつもの海には〝湯治効果〟もあってか、
むしろ元気を取り戻して楽しんできた。

同行者がスノーケリングクラブ仲間ではなく、
健康支援者であったことが
要介護スノーケラーの〝現役〟を可能にしてくれた。

気がつけば、医師が取り合ってくれなかった腰痛は
完治していた。海の治癒力としか言いようがない。




もっとも、そのあと、肺炎で救急入院となったが……。
これを「ムリして海に行ったから」と指摘する医師はおらず、
自分でも、たまたまのことと思っている。


日本では、断捨離だの終活だの、下山のすすめだのと、
〝現役離れ〟をすすめる、
人間知らず、健康知らずのおバカな風潮が流布しているが、
それは、国や地域自体が、方向性や使命感を失っていて、
それが個々人のライフスタイルに影響を与えているように思える。

ここにきて、女性の総理大臣が誕生したが、
男のダメ総理が掘りまくった大穴を
少しは埋めてくれるかもしれない。

人生は、自ら下山するべきではなく、
息絶えるまで、〝それなり〟に、〝それぞれ〟に
登り続けるべきである。
多くの人からの〝借り〟(知識、感性、思考法、労力など)は
いくら返し続けても
完済できるものではないから!!!

「ここで終わり」はない。
それでいて、完済を迫られるストレスはない
(だから、返済を忘れる人が多いのだが)。

が、返済努力は、結果として自分のモチベーションを
あげてくれる。
わが「健康の6大要素(栄養、運動、休養、
ストレスコントロール、よい人間関係の維持、
生き甲斐=モチベーション)」は、
まさに生涯現役のためのベースになる。

わが〝現役時代〟は、もう数日、もう1か月、
もう1年は続くかもしれない。
最後まで、登り続けるつもりである。
幸い、〝借り〟はいまもふえ続けている。

by rocky-road | 2025-10-29 19:00 | 大橋禄郎

