人気ブログランキング | 話題のタグを見る

私のサロンにいらっしゃいませんか。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22454695.jpg
3月29日に行なわれた

食ジム「食ジム」第139回

「料理教室などを『サロン』としての楽しい場にするには、

講師にはどんなアクションが求められるか。」

いろいろと考えることの多い話し合いであった。

(開港記念会館 座長/甲斐和恵さん

アドバイザー 影山なお子さん 大橋)

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22305967.jpg

進行のプロットは、以下のとおり。

1.「街の教室」参加体験。(お茶、お花、お料理、語学、書道、

ピアノ、楽器、合唱、ソロバン、絵画、その他)に参加した

ときの記憶に残る、あの場面、講師の言動、雰囲気など。

2.料理教室(その他)に参加して「習う・学ぶ」ことのほかに、

そこで得られたこと、人との出会い――あれやこれや。

3.料理教室その他の教室を「サロン」としての楽しい場にする

ことには、どんな意味があるのだろうか。

(受講者として運営者・講師として)

4.料理教室を「サロン」として楽しい場にするための

アクションプランをあげてみると……

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22312619.jpg

まず、「サロン」とは何か。

進行プロットには、こう示された。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22330031.jpg

「*「サロン」とは「客間、応接室、応接セット 

上流階級が催す社交的な集まり 社交界(の人々) 

室、店 喫茶店、パーラー 定期的な美術展、見本市 

ホテル・客船などの談話室 

美容や飲食などの接客を主とする業種・店舗」 (広辞苑 第七版)

*ここでいう「サロン」とは、一定の方向性やテーマのある会話を楽しむ場のこと。」

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22320916.jpg

「サロン」のルーツはイタリア発祥、フランス経由のコトバらしいが、

今日の日本では、上記のように喫茶店から美容院、

最近では、日焼けサロンやネールサロンなども、そう名乗っている。

ちなみに、インドネシアでは、腰に巻く衣類や、ガムラン音楽の楽器を指す。


ともあれ、もともとは「客間」を指していたものが、

上流階級の、おもに女性の集まりになったり、

さらに芸術家の集まりとなったり、

ヨーロッパでも、いろいろのカタチに変貌したらしい。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22332953.jpg

これらを踏まえて、こんな解釈をすればいいのだろう。

「形式にとらわれず、しかし、一定の方向性をもった

生産性のある懇談(打ち解けた話し合い)の場」


雑談や井戸端会議のように、

各自が思い思いの発言をするのではなく、

暗黙の目的に向けて話題をつなぎ、発展させる。

同時進行で、〝和やかさ〟の隠し味にも気を配る。

……かなり難度の高い話力だが、

日本人なら、きっとできる。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22340285.jpg

「食ジム」139回でこのテーマを選んだ目的は、

食関係者が担当することが多い料理教室、健康教室、

食育イベントなどの講師が、

ともすれば上から目線の話し方になったり、

カタくなりすぎたり、教えることに精いっぱいになりすぎたりする傾向があるので、

その点に気をつけよう、という点である。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22344246.jpg

楽しい食生活、健康生活のすすめの話が、

そんなに〝シャッチョコバッテ〟どうするか、

ということである。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22355287.jpg

その原因は、1にも2にも準備性のなさ。

料理にしろ、お茶にしろ、お花にしろ、

かつては「花嫁修業」の要素が多かったので、

先生側には〝しつける〟という自負があった。

その伝統は、いまも尾を引いている。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22361933.jpg

それに、〝教える〟という行為と

〝和やかな話し合い〟という目的とは

共存しにくいところがある。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22433145.jpg

「食ジム」参加者には、

ご自身の〝習い事体験〟を語っていただいたが、

いろいろと〝訳アリ事例〟があげられた。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22435271.jpg

*チェーン展開で人気の料理教室に通っていたけれど、

 先生が「教えること」に手一杯でおもしろみがなかったからすぐにやめた。

*先生が有名なことで知られている料理教室。

 実際にはお弟子さんが教えており、

 その有名な先生は、

 「最初と最後にしか来ない」というスタイルだったのでやめた。

*「字をきれいに書きたい」と思い、どこででも学べるという

  書道教室に通ったけれど、先生が厳しいうえ、毎回課題があり、

  その課題を提出しなくてはならないというプレッシャーからやめた。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22442547.jpg

こういう歴史をいったん清算して、

民間の各種教室では、

「サロン」としての雰囲気づくりをすべきではないか、

これを日本中に広めていけないものだろうか。

それが今回の食ジムのコンセプトである。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22445553.jpg

そして、「食ジム」は、まさに〝サロン型話し合い〟の

トレーニングジムにほかならない。

このスキルに天井はない。

パルマローザ発で、

「新型サロン」を広めようではないか。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22460685.jpg

さて、ここからは次の話に移る。

このブログ「ロッキーロード」は

2008年にスタートして17年が経った、と指摘していただいた。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22464904.jpg

雑誌での連載は何年も続けてきたが、

ブログの経験はなかったので、

文体がわからず戸惑った。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22471356.jpg

いろいろのブログをのぞいてみたが、

まさに「日記」そのもので、日常の「あったこと」

(「どこどこで、こんな料理を食べておいしかった」

「飼っているペットが熱を出して心配」など)を

ただ書き出すだけのものであった。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22481383.jpg

社会の共有財産としての文章と、

私的な日記とは、目的も話題も文体も違う。

いまはどうなっているのかと思って

ネットで検索してみると、

「テンプレート」(型紙)などが用意されていて、

それに従って書く方法なども示されていた。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22484558.jpg

よい時代だが、

自分の文章は型紙があってもまとめられない。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22511803.jpg

感性や思想のパターンは、

「万」や「億」の単位を超えるし、

そもそも「どう思うか」「だから〇〇だ」という着地点を

イメージできない人には、

文章はまとめられない。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22492240.jpg

それでも、始めたい人は少なくない。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22495436.jpg
私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22524404.jpg

食ジムが〝サロン〟のトレーニングジムであるように、

ブログは、社会の情報環境となる文章の語り口と

思想を強化するトレーニングジムとなるはずである。

私のサロンにいらっしゃいませんか。_b0141773_22531033.jpg


by rocky-road | 2025-04-05 22:53 | 「食ジム」

 

<< 「輪読」で理解と記憶が深まる理由。 あなたは、どんな「食の地図」を... >>