栄養士は、桃色にも真っ赤にも強い。
9月17日(日)に、「食ジム」第124回 に参加した。
(食コーチングプログラムス主催 横浜エルプラザ。
11時~18時)
座長 奥村花子さん
アドバイザー 影山なお子さん、大橋。
テーマと進行は以下のとおり。
【テーマ】
食事相談のとき、
クライアントからイレギュラー(変則的な)
質問や話題を提示されたとき、
どのような対応策があるか。
【進行プロット】
1.「えっ、いまそれ聞きます?」――私をドキッとさせた質問、
あんな事例、こんな事例。そのとき私は……。
2.イレギュラーな質問や話題の傾向と分類。
話題にする人の心理と生理。
3.イレギュラー質問や話題に対して「こう切り返した!!」
ファインプレー事例公開。私の場合、聞いた話、読んだ話。
4.イレギュラーな質問や話題提示への対処法。
準備性を高めるための自主トレメニュー、あれや、これや。
進行の経緯の詳細は、ほかの方のレポートなどに譲るとして、
ここでは、この種のイレギュラー質問や話題への対処法を考えてみよう。
一般的に使われている「栄養指導」というネーミングであれば、
栄養士とクライアントとの関係は、多分に「上下関係」になるので、
担当栄養士が一方的に仕切って、
クライアントの問題行動を「変容」させんとがんばるだろう。
それでも、曲者(くせもの)のクライアントは、
特定保健指導という、
自分が望んでもいないことに時間を使うことへの腹いせに、
あるいは女性と差しで向き合うことに息抜きを感じて
親近感を示しているような問いかけをすることがある。
「栄養士さんはおいくつですか」
「スリムですね。体重はどれくらい? 娘に教えてやりたいので」
「夜の精力をつける食事法を知りたいんですが……」
こういうピンクの問いかけは、
「栄養士」という職業柄、
「栄養指導」や「食事相談」の現場ではないところでも、
突然、受けることはありうる。
たとえば、組織の他のセクションの男性とか、
同窓会や仕事の関係で行き来がある人とか……などなど。
文学部や経済学部の人間には、
「夏目漱石の作品で、あなたがいちばん好きなのはなに?」
「『成功を祝うのはいいが、もっと大切なのは失敗から学ぶことだ』
そう言ったのだれだったかな?」
などという質問はめったにない。
ところが、「日常」を専門分野とする栄養士には、
食事や栄養にからめて
危ない質問や話題でも出しやすい。
「栄養士にはまじめでカタイ人が多い」とすれば、
なおさら、チョイワル男のターゲットにはなりやすい。
マジメな人の困り顔は、それ自体がお楽しみの対象になりうる。
もっとも、食ジム参加者からの事例報告にあったように、
親しい同性同士の集まりでも、
夜の話題を出す人はいるという。
この場合は、マジメな情報交換の意味を含みつつ、
信頼と親近感、ちょっとドキドキする話を楽しむ意味もある。
「栄養指導」から「食事相談」「カウンセリング」へと
対話のスタンスが変わることは、
プライベートの領域へと話題を広げることにもなる。
そこは社会の常識やルールが入りにくいゾーンでもあるので、
イレギュラー質問や、話題のファールやフライングについて、
現場の担当者自身が判定をするしかない。
スポーツの世界には、
女性の審判員がふえているようだが、
食事・健康相談の担当者とて、
ここ一番というときには毅然と判定をすることはできるはず。
ただし、この場合は、
笛を吹いて警告や静止を命ずるのではなく、
問いかけやユーモアで応じる。
(男)「ボク、すぐにアタマにくるタイプなんだけど、
食事で穏やかな性格になれないかな?」
♡→→「それ、わかったら私にも教えていただけません?」
♡→→「ロシアの人に聞いてみたいですね」
(男)「あなたのバストサイズも栄養効果?」
♡→→「もちろんです。あなたも試してみます?」
♡→→「#&*さんの奥様の場合はいかが?」
(男)「夜のスタミナをつける食事法って、あるのかしら?」
♡→→「すみません。それは文学部の人のほうがくわしいかも」
♡→→「夜間勤務のお仕事もなさるのですか」
スキルとしての「問いかけ」に強くなることは好ましいが、
逆質問を受ける可能性も想定しておきたい。
とはいえ、想定問答集をつくって暗唱しても、
あらゆるケースに対応できるようになるとは言えない。
結局のところ、
日常会話を楽しむこと、
その機会をふやすこと、
いわば基礎体力をつけることこそが
いちばんの対処法であろう。
124回を数えたこの「食ジム」は、
まさに、そのための「トレーニングジム」の1つである。
by rocky-road | 2023-09-18 22:14 | 「食ジム」