2023年 パルマローザ・フォトコンテスト 入選作品 発表。
【講評】
4月29日、横浜・山手にある
サンモール・インターナショナルスクールからスタートして、
山下公園まで、移動範囲の広い写真教室でした。
サンモール・インターナショナルスクールの
「フードフェア」は、コロナ禍で休止していたため、
久々の撮影地になりました。
「以前と変わらず」と言いたいところですが、
出し物の質も量も、やや小さくなったように感じました。
しかし、人出は相変わらず。
そのため、混雑の中で撮影対象を絞るのが
むずかしかったかもしれません。
見慣れた景観の中から、
ユニークな作品を生み出すのは辛いことで、
応募作品には抜きんでてユニークなものは
見当たりませんでした。
しかし、当落のハードルを下げることは避けたいので、
今回も、「金賞」該当作品は「なし」としました。
もう16年続いているにもかかわらず、
タイトルのネーミングには1ミリも進歩がなく、
あいかわらず、
写真をコトバで説明するだけの、
味も素っ気もないものばかりでした。
おそらく、
カメラマンを対象に、
ネーミング指導を行なう場は皆無に近いので、
進歩がないのはやむを得ませんが、
それでも、
世のカメラマンたちは、
それなりにがんばってネーミングをしています。
やはり、なんとかしてもらわなければなりません。
そういう他人事のような言い方はやめて、
なるべく近いうちに、
「ネーミングセミナー」のようなものを
開催したいと思います。
私は、ダイビング雑誌には、
何回か水中写真のタイトルのつけ方論を
書いていますし、
このパルマローザのフォトコンテスト発表のときには、
タイトル論を書いています。
短歌や俳句の国・わが日本ですが、
写真、絵画、楽曲のネーミングのレベルは
相当に低いことを認めざるを得ないでしょう。
さて、以下は入賞作品の発表。
★入選作品発表(敬称略)――――――――――――――――――
【銀賞】
港の香り。
甲斐 和恵
【選評】
キャリアを感じる構図のしっかりとした作品。
遠景に海、豪華客船という切り取り方で
横浜らしさを的確に表現している。
タイトルも、端的に臨場感を表わしていて成功。
金賞のためには、意表を突くユニークさが必要。
【銅賞】
ハマでバーガーコミュニケーション。
三上 聡美
【選評】
記念写真かスナップ写真か、
これだけを見ると判断ができないが、
現場にいた者からすると、
あの混雑の中からこの2人を見つけて
カメラを向けた根性は評価できる。
2人の柔らかい表情もいい。
タイトルはひねっている割にはシャキッとしない。
「アメリカ生まれの……」とか。
【佳作】
フードフェアの人気者
みなきまゆみ
【選評】
対象に思い切って寄ったショット、
その寄りのおかげで記念写真から作品へと変わった。
横の泣き顔の子の意味はわからないが、
深刻な表情ではなさそうだ。
タイトルも、意味不明。
【佳作】
笑顔はじける。
小梅幸枝
【選評】
動きの速い一瞬をタイムリーにとらえた。
欲を言えば、バチを持つ男性の右手の先まで
画面に収めたかった。
タイトルの「笑顔」、それがテーマなのか。
「躍動の響き」などもある。
【佳作】
横浜マリンタワーは私のもの。
影山なお子
【選評】
明るい1作。よく考えた構図ではあるが、
欲張りすぎたためにテーマが分散した。
花、ポーズする人物、マリンタワー。
「私のもの」を表現するなら、
花は省いて(バックにあってもよいが)
タワーに足をかけるなどしてみてはどうか。
タイトルはシンプルに
「私のマリンタワー」としては?
【佳作】
太鼓の音と満面の笑顔
三奈木博文
【選評】
踊る女性のポーズと表情をよくとらえた。
手の動きは想定しにくいが、やはり切れないほうがいい。
太鼓の人の切り方も気になる。
もう少し右に寄って、女性のやや後ろに
太鼓を打つ人の姿を入れたかった。
タイトル、コトバで説明しなくても、写真がすべてを語っている。
「ドンドコ 行け行け!」「連打・連舞」などはいかが?
今回はここまで。
(選外作品については追って講評。
全応募作品は、影山なお子さんのブログ
「スタンバイスマイル」で紹介中)
by rocky-road | 2023-05-07 21:05 | 写真教室