パルマローザの20年を想う。
2023年2月26日、
パルマローザが発足20周年を迎え、
記念パーティにお招きいただいた。
ご無沙汰している方々とお目にかかれる
うれしい機会ともなった。
みなさん、一様にフレッシュなのは偶然ではなく、
この会にかかわる人たちの人間力にほかならない。
当日、講話の機会をいただいたので、
30分程度のお話をさせていただいた。
その内容をたどりつつ、
パルマローザというグループの魅力を
文字にしておこうと思う。
パルマローザの特徴の1つは、チームワーク。
こういうイベントを行なうときの
それぞれ役割分担が見事。
昨年末に企画され、日時、場所、当日のご案内、
プログラムや記念冊子の編集と進行、
当日の役割分担――司会、写真撮影、ご案内、
当日のごあいさつ、スライドショーの制作と上映などなど、
20年間のトレーニングとキャリアのお陰で、
適任者のキャスティングがすぐにできてしまう。
他の栄養士組織と比べることはないと思うが、
イベントのバラエティ、頻度、進行のスムーズさ、
参加者の参加意識の高さ(表情、身だしなみ、
役割の自覚など)において、
日本の、いや世界中の栄養士組織と比べても
トップグループに入ると思う。
そこで、パルマローザの20年を振り返ってみよう。
人生は、横断歩道を渡るのと違って
そこには白線が引かれていないし、信号もないので、
いま、どの辺を歩いているか意識しにくい。
それだからこそ、このように自分の歩んで来た道を
ときどき振り返ることには意味がある。
ただしそれは、昔を偲んで
懐古の情に浸るためではなくて、
あしたからの方向を確認することにある。
パルマローザは、今後どんな方向に向かってゆくのか、
自分の人生は、ここからどういう道を選ぶか、
そんなことを考えるよい機会にもなる。
パルマローザが発足した2002年という年は、
どういう年であったか、
過日、データをチェックしてみたら、
この年、当時の総理大臣、小泉純一郎氏が
北朝鮮の当時の首脳、金正日(ジョンイル)と会談して、
拉致の事実を初めて認めさせ、謝罪をさせた。
それを受けて、「今年の漢字」は「帰」となった。
翌2003年には、拉致された5人が帰還した。
人さらいの国が、現実にいまも存在するのである。
スポーツの世界では、
イングランドの人気サッカー選手、ベッカムが来日したし、
2月にはアメリカのソルトレイクで冬季オリンピックがあった。
ホットニュースは、
10月に、ノーベル賞をお2人同時に受賞したこと。
出版界では、こんな本が出版された。
『声に出して読みたい日本語』(斉藤 孝著)
『生き方上手』(日野原重明著)
2月26日という日は、
私には、87年前(1936年)の、
日本陸軍の青年将校によるクーデターを連想させる。
私が生まれる4か月前の事件だが、
自分の生年の事件ということで記憶が残る。
そして、
元巨人軍の長嶋茂雄氏は、
2月20日生まれ。
2.26事件の6日前とのこと。
アメリカでは、
マーガレット・ミッチェルの
『風と共に去りぬ』が出版されて
大ベストセラーになった年でもある。
さて、パルマローザがスタートした
20年前の2002年(平成14年)に戻ると、
この歳の平均寿命は、男78.32年、女85.23年だったが、
8年後の2020年(令和2年)には
男81.64年、女87.74年となっている。
18年間で、女性は2年以上、男性では3年以上も
延びたことになる。
20年間にはいろいろと変化が起こる。
人生は長生きすることが目的ではないが、
寿命が延びたということは、
それだけモチベーションが高まった、
別の言い方をすれば、
人々がますます人生を楽しむようになってきた
という側面がある。
パルマローザの20年間というのは、
充分に中身の濃い年月といえる。
認知低下が早めに見られる人と、
そうでない人との違いの1つは、
元気なときの行動範囲や人づきあいだという。
人間のような集団行動をとる種は、
協同行動をとることによって
モチベーションを高めるところが大きいので、
当然といえば当然だろう。
だからといって、人生は認知症対策とか
健康寿命を延ばすとかのためのものでもない。
結局のところ、楽しむこと、愉快に生きることが
いちばんの目的と考えていいのではないか。
最近は、「自分らしく生きたい」などという
流行語または流行思考の人が目立つが、
地球上に「他人らしく」生きている人など
成りすまし犯人以外にはいないはずだから、
無意味な陳腐表現である。
あえて言えば、
役者は、「その人らしく生きる」ことに精進している。
それだって、人々を楽しませるという
立派な使命を果たしている。
世間に向けて「自分らしく生きる」などと広言するのは、
よほど肝っ玉の小さな、
無知で傲慢な人間である。
傲慢の理由は、
自分は自分1人で生きていると思っているところ。
ローマの哲学者・キケロ(紀元前の人)の言として
「友情は幸福感を向上させ、悲しみを半分に、
喜びを倍にする」というのがある。
過日(2月21日)の「日本テレビ」で、
「記憶」に関する脳学者が3人出演する
1時間番組を放送していたが、
喜怒哀楽は記憶に残りやすい、
そのうちでも、楽しいことや「エピソード記憶」は
残りやすいという話をしていた。
楽しい記憶は生存に必要で有利だから、という。
そういう記憶の集積(マインドセット)が
個性だとのこと。
楽しい記憶の集積が
人生を豊かなものにする、
そうだとすると、
このパルマローザで、
大小いろいろのエピソードを重ねて、
豊かなマインドセットをする、
要するに楽しい記憶の山を積み重ねていくことは、
快適で愉快な人生を歩んでいることの証拠の一面であろう。
by rocky-road | 2023-03-03 23:40 | パルマローザセミナー