語り合う栄養士の「健康のカタチ」
第118回 「食ジム」 が終わった。
(2023年2月12日/日曜日 横浜エルプラザ)
タイトルは、
「食ジム」のセルフチェック、
この経験をどう評価し、どう生かしてゆくか。
座長/岩田 博美さん
アドバイザー/大橋禄郎 影山なお子さん

話題の進行は以下のとおり。
1.わがミーティング・会議歴――大公開と振り返り。
(家族会議から学校、職場、地域、サークル……現在まで)
2.私の「食ジム歴」――いつから、どんなきっかけで?
記憶に残るテーマ、内容、発言などなど。
3.世間の会議などで「それ、困るな」と思わせる
(思わせられた)参加者の態度、発言……etc.
4.「食ジム」で鍛えていることが、公私の生活において
どのように役立っているか。
5.いつでも、どこでも、
「会議上手(じょうず)」であるための12の法則。

「食ジム」も今回で118回を数えるに至って、
振り返ってみる意味があると思った。
健康支援者が1日かけて話し合う、
それを118回、続けてきた、そのことの意味は?

食ジム開催のヒントになったのは、
2000年代の初めころ、
雑誌の記事か何かで知った「京都座学」である。

京都座学とは、1983年に
松下幸之助氏(松下電器創業者。現在のパナソニック)が、
11人の学識経験者や実業家に呼びかけて
「新研究提言機構」という、
いわば勉強会を立ちあげた。
その目的は、混迷を続ける日本や世界を
考えることであったという。

当時は、そういう趣旨は知らなかったが、
そのころ、オピニオンリーダーであった
山本七平、渡部昇一、堺屋太一、加藤 寛など、
私が尊敬する学者や識者が
毎月会って勉強会をしているという話に刺激を受けた。

それぞれの分野で実績をあげている人たちが、
なおも月1で会って話し合い、
勉強を続けているというのは
大いに学ぶべきことではないか。
そう思って、影山さんにお伝えした。

「食ジム」とて、
日本の栄養士や健康支援者の目的意識を高め、
自らも「健康をカタチ」として、
よりよい健康環境をつくってゆく、
という使命感において、
京都座学に引けを取るものではない。

ということで、2011年8月に
食コーチングプログラムス主催として、
説明会を開き、
同年10月30日に、第1回の「食ジム」を開催した。
初回のテーマは、
「健康支援者が社会進出をするためのアクションとは」
(神奈川近代文学館)
参加者は32名、「進行」は私が担当した。
(当時は「座長」とはしなかった)

「食ジム」の「ジム」は、
「ジムナジウム」――体育館やボクシングジム、
トレーニングジムなどの意味。
「食ジム」の場合はボディではなく、
発声・発話力、問いかけ力、瞬発力、
そしてまずは、アタマを鍛えよう、
というのがコンセプトであった。

「ディスカッション」を「討論、討議」と訳すと
いかにも意見のぶつけ合いのように感じられるが、
「食ジム」では、討論というよりも
「ブレーンストーミング」や「ファシリテーション」に
近い形式で進行することになった。
早い話が、相互理解を深める話し合いである。
しかし、「ファシリテーター」なるポジションを置かず、
座長が、いくらかその役割を担うことになる。

さて、こうしてスタートした「食ジム」も
2023年2月12日で118回、12年目を迎えるに至った。
1つのテーマについて、
およそ1年に10回のペースで、
1日かけて話し合う人たちは、そう多くはないだろう。

118回は、振り返りの意味もあって
「『食ジム』のセルフチェック、
この経験をどう評価し、どう生かしてゆくか。」
というテーマで話し合った。
一種の総括である。

むろんその「効果あり」で、
こんな振り返り発言があった。
多くの人が「最初は入りにくかった」「発言しにくかった」
などの前置きをしたものの、
いまでは、
*原稿なしでも話せるようになった。
*(みなさんの発言に触発されて)
考えてもいないような発想ができるようになった。
*端的に話すトレーニングになっている。
*人前で話すことが苦ではなくなった。
*座長経験が役に立った。
*昔の記憶を呼び起こす機会になっている。
などなど。

最後に、例によって
「いつでも、どこでも、
『会議上手(じょうず)』であるための12の法則。」を
参加者全員で出し合った。
それを元に、一部をあげておこう。

*会議は、夫婦、家族など2人でも成立する。
(雑談や懇談との違いは、話題を決め、双方が発言し、
一定の結論を得ることを目的としているもの)
*組織内では、事前の告知を適切に行なう。
(日時、議題など。予定する終了時刻も事前に)
*出席者は、遅刻、中座を厳に慎む。
*議長、座長、司会者はそれなりの経験が必要。
出席者は、暗黙裡に議長をそれとなくサポートする。
(ほかにその役がいなければ)
「議長、○○の件についてもご意見を求めては?」

*身だしなみを整えて出席する。
家族会議であっても。
*参加者は、顔を全方向に向けて「顔でも参加する」。
目線を机上に置き続けたり、
ノートやパソコンでメモをとり続けていたり、
腕組みをしたりしている人からは
参加意識を感じにくい。
*発言は原則として議長に向けて挙手し、
了解を得てからする。
不規則発言や私語、ひとり言、粗いコトバは
ご法度。警告の対象となる。


*だれにも聞こえる声で、活舌よく、端的に発言する。
*発言者に対する、あからさまな批判や突っ込み、
強い否定はしない。

*議長は、発言が全員に聞こえないと思われたときや、
論点がよくわからないときは、
発言者に問いかける。
*なるべくホワイトボードを用意し、
ポイントとなるようなことは(できれば議長自らが)板書する。

などなど。


注意項目はいくらでも出てくるので、
その他のことは、改めて、いつか、どこかで。


本日は、お後がよろしいようで。

by rocky-road | 2023-02-17 19:50 | 「食ジム」