自分の高齢期をどうイメージするか。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_21552280.jpg
2022年5月1日(日)、

食コーチング主催の食ジム109回に

アドバイザーとして参加した。

(横浜市技能文化会館)

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22553836.jpg

テーマは

「年長者、高齢者から何を学び、

自分の高齢期をどうイメージするか。」


座長は髙橋寿江さん。

ご自身は特別養護老人ホームに勤務し、

日常的に高齢者と接している方である。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_21554793.jpg

プログラムは以下のとおり。

1.私が今までに出会った年長者、

高齢者(親、親戚を含む)で

 「こんなところを学びたい」と思わせてくれた、

 あんな態度、こんなコトバづかい、あんな生き方。

2.反面教師としての高齢者、

「こんな高齢者にはなりたくない」事例あれこれ。

3.いま思えば「これは失敗だった」と考えられる、

  年長者、高齢者へのあの一言、あんな接し方。

4.なんとなくだけれど、「元気な高齢者」になるために、

 いまから心がけているライフスタイルとは……

5.「健康寿命」の延伸につながる家族、年長者、

そして自分自身との接し方とは、どういうものか。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_21560228.jpg

人は親や祖先の背中を見て育ち、

それとなく生き方を学んでゆく。

では、何を学んだのか。

大人になってから、それを振り返ることは意味がある。

自分の立ち位置、今後の方向性を考える上で。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_21584986.jpg

「1」の発表では、

学びたいこととして、親や親族をあげる人が多かった。

「自営業であったため、

食事時刻、仕事時間、休息時間、飲酒の量など、

ルーティーンのように決まっていた」

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_21582260.jpg

「人をねぎらう」「いろいろの人に一声かける」

「話題が豊富、コトバづかいがていねい」

「早起きだった。起きたらまず仏壇や神棚にお水をあげる習慣」

「女性ながら、よいこと・悪いことをきっぱり表現した」

「新聞をていねい読んでいた」

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22005001.jpg

「コトバがていねい」「超高齢ながら日記をつけている」

「高齢者施設に入居中ながら

〝ひきわり納豆〟や牛乳をリクエストするほどのしっかり者」

「闘病中にメモなどで自分の死後のことを書き残していた」

「勤務先の学校長は、部下にフレンドリーに接する」など。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22012034.jpg

親族以外で学ばせてもらった人としては、

職場の上役や先輩、

食事相談やマッサージにやってくるクライアント、

所属する栄養士の会長、

高齢者施設の入居者などがあげられた。

このほか、

当日の参加者の名をあげる人が何人か。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22014142.jpg

以上に対して、

「2」の「こんな高齢者にはなりたくない」

反面教師としての年長者、高齢者のタイプ。


ここでは、年長者ぶる人、

年長であることを示して優位性を得ようとする人、

人の年齢を気にする(人の歳をあけすけに聞いて、

「私のほうが3日お姉さんね」などと言う人)。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22030743.jpg
昔の話を何回もする人、

子や孫に対して過干渉の人など、

定番的な「嫌われ高齢者」があげられた。


大橋のあげた反面教師的先輩は2例。

1つは、戦争を経験した人が、

バカの1つ覚えで、「戦争はいけない」

「平和がいちばん」と言い続けること。

当たり前のことを言ってカッコつけている

偽善的、思考停止のバカ高齢者。

(思考停止=戦争を起こさない、起こさせない方法を

考えようとも、示そうともせずに、

70余年間、同じことを言い続けている)

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22034363.jpg

もう1例は、

加齢を「下山」とたとえる能天気作家。

孤独のすすめの本を書いたり、

健康志向を「病気」だと言ったりし続ける。

こういうマイナス思考の本を書いて

読者のモチベーションを下げ続けている。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22042892.jpg

どの本もヒットするということは、

マイナス思考の人が多いことの反映だが、

もしそうであれば、

そのマイナス思考を是正するのが

「大人」の高齢者というものであろう。

だが、こ奴、マイナス思考をあおって儲けている。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22045934.jpg

今年88歳、米寿を迎えて少しは心境の変化があったのか、

『捨てない生きかた』という、

多少はプラス思考を思わせる本を書いた。


だが、ある雑誌のインタビュー記事を読むと、

やっぱり脳天気ぶりに変わりはない。

断捨離ブームに一石を投じたいだけで、

「捨てない意味」をホントウに理解しているわけではない。 

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22122780.jpg

「捨てる」というキーワードを使って詭弁を弄する。

「これまでの仕事を眺めていると、

ルポも作詞もラジオの仕事も、

捨てずいまだに続けている。

とくに、捨てずによくやっているのが対談の仕事です」

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22070794.jpg

バカ言ってんじゃねぇよ。マジかよ。

身のまわりにある物品を捨てるかどうか、

という話の中に、

オピニオンリーダーとしての仕事の話をもってくる、

そのアタマの回転の鈍さにがっくりする。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22091431.jpg

作家としての仕事を営々とし続けること、

それは「下山」ではなく、持続または「上り」でしょうに。

それを「生涯現役」というのです。

人に「下山」をすすめておいて、

自分は山を登り続ける、

この無責任さを「令和の無責任男」と呼ぼうか。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22130480.jpg
自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22554506.jpg

ちなみに、作家の仕事は、

テーマや設定、論法、文体などにおいて

つねに鮮度を求められるという点で、

道のりは「平坦」というよりも「上り」と見るべきではないか。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22124585.jpg

もう1つ、わかっていない点は、

自分はモノを捨てないと言いながら、

「新しいものは買わない」という。

ここも「モノ」の意味がわかっていないところ。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22134186.jpg

モノは自分の生きてきた歴史だというのなら、

新しくモノを買うことは、次の歴史をつくることではないか。

そしてまた、アンタはまたまた新刊を出して、

新しい歴史をつくっている、それでいいじゃないか。

新しいモノを買わないのなら、

人にもモノを買わせるなよ。

10万人もの人たちに新しいモノを買わせようとしながら、

自分では新しいものを買わないと誇る。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22140227.jpg

社会というものは、生産と消費の循環によって

活性化している。

中学校でちゃんと勉強し直してこいよ。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22141728.jpg

人生100年時代ともなると、

88歳なんて、まだまだガキなのかも。

だから、こんな矛盾だらけの本を出しても

恥じることなく、自分を捨てることなく生きていける。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22143626.jpg

『捨てない生きかた』という本の新聞広告には

「人づき合いは浅く、長く」などという項目を

あげているが、

実際に、どういうスタンスを考えているのか。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22160540.jpg

オリンピックで、金メダルを取るのではなく、

銅メダルを取ることを狙うなんていうことはできっこない。

ここまで人間がわかっていない小説家もいるのか。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22170603.jpg

後輩にバカな高齢者の見本として、

展示する意味はゼロではないにしても、

無責任な〝そそのかし〟によって

「下山型高齢者」を生みだす危険は大きい。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22145691.jpg

そのことに気がついて、

その「そそのかし言説」だけは捨ててほしい。

さいわい、突然、考え方を変えられる

若さと軽さをもった作家だから、

路線変更の可能性がないわけではない。

「食ジム」からだいぶ脱線したように見えるかもしれないが、

反面教師型高齢者として、

ここまで完璧無比な事例は少ないので、

あえて、しっかりと紹介してみた。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22175115.jpg

食ジム最後のまとめは、

「4」と「5」の、健康寿命延伸につながる

ライフスタイルとは……

そのコーナーでは、

こんな提案がなされた。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22194497.jpg

*今年、やりたいことの10か条を書きだす。

*たくさん本や雑誌を読む。(雑誌は定期購読)

*タイムスケジュール、人との約束時刻を守る。

*取材モードで日々を過ごす。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22195682.jpg

*当用日記をつける。

*インドアとアウトドア両方の趣味を持続する。

*若い人とのつき合いも続ける。

*寄り道を楽しむ。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22210150.jpg

*ご近所、地元の人との交流も大事に。

*ジャケットを活用し、その場、その場で着こなす。

*社会参加ができない理由に「子供が……」をあげない。

*いつまでも学び続ける。

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22215341.jpg

*外出するときには、カメラを携行する。

*社会、人生に対して使命感をもって生きる。

 (生まれてきたからには、何をしなければならないか)

*生きているものを愛する。ヒト、動物、植物など。

 (そのためには1年に1回以上、動物園や植物園、

  海や山、川、高原などに出かける)

自分の高齢期をどうイメージするか。_b0141773_22222993.jpg

今回はここまで。


by rocky-road | 2022-05-03 22:23  

<< 2022年  フォトコンテスト... タイトルでも競うフォトコンテスト。 >>