タイトルでも競うフォトコンテスト。
春になって、「いよいよ写真のシーズンがやってきた」
などと言ってはいけない。
写真にシーズンなんてないからである。
写真は1年中、昼も夜もシーズンである。
桜を撮り続けている人、
雪山を撮り続けている人、
紅葉を撮り続けている人はいるだろうが、
それでも、
カメラマン、カメラウーマンとしては、
「シーズン」なんていって休む時期があってはいけない。
つねにカメラを持ち歩いて、
「これだ」と思うものにレンズを向けよう。
(スマホの場合はガンマン的早撃ち力)
絵画や詩歌に比べると、
写真の創作性は高いとは言えないが、
現象をとらえる感覚、
外界を四角く切り取る感覚のオリジナリティ、
その場に居合わせた運とフットワーク、
「そこ」をとらえる瞬発力などは、
自分はもちろん、見る人の認知能力を高め、
社会を活性化する効用が期待できる。
日本では、奈良時代のころから、
地図や鳥瞰図がある。
部屋の中とか街の風景とか、観光地とか。
まだ空を飛ぶことができない時代にも、
人は屏風越しに、さらに、天井から、上空から、
人や自分のいる場所を「見る」ことができた。
まさに「心の目」で見ていたのである。
「幽体離脱」などという概念があるが、
それは霊的・信仰的というよりも、
人間の、もともと持っている「心の視力」または「脳の視力」
とでも言うべきものであろう。
絵画や写真を愛好する人は、
どこかの橋を渡っているとき、
この場所を向こうの高台から見下ろしたら、
どういう風景が描かれるだろう、とイメージする。
それは空想ではなく、
一定の情報を入力して、絵を創造(想像ではない)するのである。
ドローンカメラマンは、その構想力で勝負する。
コンピューターによる立体映像や、
3Dプリンターの仕組みは知らないが、
おそらく脳のメカニズムの応用であろう。
絵画や写真は、
平面的に見える事物を
過去の経験から得たいろいろな情報を
脳内で組み合わせて、
統合したり立体化したりする能力を楽しむ技術、
ということができるだろう。
それが結果的に
「心の目」すなわち「脳の視力」を強化することになる。
あくまでも「結果的」にであって、
それが目的ではない。
そういうことが
本人にとってどんな意味を持つのか、
考察するのはおもしろいが、
ここでは保留して、写真の話を進める。
パルマローザ写真教室。
定番になっているが、
今回も横浜・山下公園を中心に、
海、船、花、鳥(?)、人のいる風景を撮る。
「またあの同じ場所?」
なんて思うのは素人の感想。
慣れた場所だからこそ、「狙い」をつけられる。
私は、沖縄の座間味島(ざまみじま)に
50年以上、通っているが、
その理由は、そこが「自然スタジオ」として使えるから。
どこから、何を撮るか、
しっかり学習を重ねているので
作戦を立てやすい。
が、マンネリになってしまったら意味はない。
横浜も同じ。
氷川丸も大桟橋も、いつもそこにある。
だから「今年の攻め方」を考えられる。
今年も当日の作品のコンテストを行なう予定。
作品にはタイトルが必要。
世界にフォトコンテストはゴマンとあろうが、
タイトルも審査対象になるのはここだけ(?)。
「心の目」で切り取った世界を、
コトバを駆使してネーミングする。
まさに人間の認知能力のフル回転。
「認知症予防効果バツグン」なんていうのは、
野暮中の野暮×野暮。
思っても言ってもいけない(あっ、言っちゃった!!)。
さあ、心をカラにして、やる気は満タンにして、
いざ、山下公園へ。
2022年4月29日(金)に開催予定の
by rocky-road | 2022-04-25 21:52 | 写真教室