栄養学は冷凍品なのか。

そして、朝食の「そうめん定食」が日常になってから、
卵の消費ペースが早くなった。
1パック10個が、5日でなくなる。

これがもっともゆっくりのペースであって、
昼か夜に卵を使ったりすると、
さらに補給ペースをあげる必要に迫られる。

4群点数法の実践者であれば、
2人家族として普通のペースというべきだが、
現実には、1週間1パックというのが、
いつのまにか通常のパターンになっていた。
言い訳ではないが、
牛乳は、しっかり2点(熱量点数/160kcal)以上は
とってはいるものの……である。

食事摂取基準の1日の栄養素、エネルギー数値を
食品の分量に置き換えて実践しやすくしたのが
「4群点数法」ではあるが、
それでも、完全実践のためには、
相当の信念と実践力が必要である。

ヒトは、自分に必要な栄養素を
過不足なくとることができない生物であることを
認めることから始める必要がある。
だれがいったか、
「人間のからだは、必要な栄養素を
自然に欲するようにできている」
などの珍説は、
よくよくヒトがわかっていない、
栄養学がわかっていないヤツの妄想である。

ところが、
このところ、よく耳にするのは、
フレイル対策とやらの講習会や勉強会で
栄養士や保健師が
食生活では良質たんぱく質をとることをすすめる、
というハナシ。

悪いことではないが、
1日の食品の摂取量を示すことはまずない。
「サバ缶には……」「カツオのお刺身は……」
などなど、例によって例のごとく、
量を示すことなく、
ただ各食品のたんぱく質含有量を示すパターン。

それはまさに「栄養学のガラパゴス化」
100年以上も進化を止めて、
ガラパゴスゾウガメのように、
のっそりのっそりと歩いている感じ。
いや、歩いていればまだいい。
栄養学と市民の間は、
フリーズ状態。

栄養学に限らず、
医学も法学も経済学も、
一般人に、その学問がどういうものか、
端的に説明する勉強は、たぶんしていない。
しかし栄養学は、
万人が、きょう、何を食べればよいか、
それを伝えることを求められる学問でもある。

養成校では、すぐにでも、
人々が、日々、何を、どれだけ食べればよいかを
栄養素ではなく、
食品の量で人々に伝えるコミュニケーションスキルを
しっかり教えるべきである。

そうなったとき、
4群点数法以上の方法が見つけられるのか、
たぶん、ムリだろう。

そういう基本的なことがわかっていない人たちが、
きょうも日本の各地で、
「フレイル対策にはサバ缶を……」と
市民を困らせていることだろう。

いま求められているのは、
フレイル対策を語る講師たちへの
指導法の教育であろう。
ところがそもそも、
そのための講義法を教える講師がいない。

それでは、「♪ 今の世の中、
右も左も真っ暗闇じゃございませんか ♪」
(鶴田浩二、「傷だらけの人生」)

それでは悲しいから、
パルマローザか食コーチングか、
ロッコム文章・編集塾かに
任せてもらうしかないだろうか。
人々のため、日本人のため、
アクションが必要だろう。

by rocky-road | 2021-11-07 23:04 | フレイル