卵を毎日食べていますか。
女子栄養大学の創設者・香川 綾先生は、
栄養所要量(現在の食事摂取基準)に基づいた
「四群点数法」を昭和の初期から創案を始め、
1970年代に完成させた。
当初は食品の摂取量を重量で示していたが、
完成時には1点80キロカロリーとする、
熱量点数単位の概量と重量とで示すようになった。
卵は1個、牛乳はコップ1杯というように。
「四群点数法」で、卵と牛乳を「第1群」に分類し、
毎日、真っ先に(朝食で)にとることをすすめた。
どちらも生まれたばかりの
(卵は生まれる前の)命を支えることができる
栄養素のカプセルのようなもの。
理屈はそうなのだが、
それらは日本人の常食食材ではなかったため、
時代を遡れば上るほど、
それらを毎日とらせることに苦労された。
牛乳をみそ汁に混ぜたり、
おかゆにしたり(牛乳がゆ)するレシピを
提案したりした。
卵は、生卵をご飯にかけて食べる習慣はあったが、
毎日食べるほど(食べられるほど)身近な食材とはいえず、
どうかすると病人のお見舞い用のお届け食材だった。
したがって、日本全国民に1日1個をとってもらうことは、
現実問題としてむずかしかった。
今日でも、全国平均では1人1個には、わずかに足りない。
私は50年間以上、「四群点数法」の実践者ではあるが、
ときどき1日卵1個を逃すことがある。
最近は体力低下した妻の食事を作っているが、
人の献立の場合には、
1日1個以上を確保することができても、
自分のこととなると、つい油断する。
100円ショップの《ダイソー》で、
写真のような
「電子レンジで ポーチドエッグ」という商品を見つけた。
容器に半量ほどの水を張って
卵1個を割り入れ、
爆発防止のためにフォークなどで5~10回ほど穴をあけ、
電子レンジ(わが家は500ワット)で1分20秒。
朝食、昼食で卵1個をとれなかったときは、
晩酌のつまみにして食べる。
フライパンを使って卵1個の目玉焼きというのは、
あと始末のことを考えると面倒。
だが、この器具なら、
加熱秒数によって半熟でも固ゆででも自在。
油を使っていないので、洗うのも楽。
すっかり気に入って、
毎日、使っていたら、
妻の介護をしてくれるヘルパーさんが
関心を示してくれたので、
みなさんにも差しあげた。
100円商品とはいえ、
どこのダイソーにる置いてあるわけではないので、
それならば、塾生をはじめ知り合いの栄養士さんにも
プレゼントをしようと在庫を調べてもらったら、
いつも数個しか置いていないと。
そこで少しずつ買いだめを始めたが、
それも面倒なので、まとめて数十個を予約注文した。
その後も、売り場をのぞいてみると、
いままではなかったはずの卵の調理器具が
いろいろとふえている。
この地域は「卵需要が多い」と見たか。
いままではなかったはずの(?)
目玉焼き器に目がとまった。
電子レンジ加熱なのに「焼き」は妙だが、
消費者にわかってもらうためには仕方がないだろう。
類似の商品は、
アマゾンでもいろいろと出品されているが、
値段が数千円のものまであって、
ここは100円で軽く健康を確保したい。
茶碗蒸し器から伊達巻き卵器まで、
アイテムが多く、すべてが100円。
香川先生が存命であれば、
それぞれを買って、
「いかが?」とご意見をうかがいたい。
昔、上野の不忍池(しのばずのいけ)近くの
天ぷら屋さんの割り箸袋に『女子栄養大学推薦』と
印刷されているのに驚いたことがある。
はるか前の大学関係者が許可したものだろうか。
いや、昔は、許可なく、そんなことをする例は
フツーにあつたから、このケースもあるいは……?
確かめるのも野暮だと思って、
そっとしておいた。
100円の卵調理器各種であれば、
価格的にも同大学推薦にふさわしい。
いまとなっては、
了解をうるアクセスはないが、
「四群点数法」50年実践者、
大橋禄郎としては熱烈推薦できる。
時間があれば、
これらの器具を全国民に無料配布したら、
日本人の健康度はさらにあがることは間違いない。
100円×1億=100億円。
国民の健康度アップの予算としては安いものである。
by rocky-road | 2021-06-22 21:16 | 女子栄養大学 『栄養と料理』編集長