「おばさん化」は晩秋、老化現象である。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20422873.jpg

90回を迎えた「食ジム」では、

こんなテーマで話し合った。

(主催/食コーチングプログラムス

927日《日》横浜市技能文化会館。

座長/崎山光江さん

アドバイザー/影山なお子さん、大橋)

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20440675.jpg

【タイトル】

「栄養士が『おばさん化』しないための

センスと行動様式。」

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20451125.jpg

【進行プログラム】

1.「いま考えても、悔しい」――年少であること、

  年下であることを理由に、決めつけられたり否定されたりした、

  あの人からの一言、態度、仕打ち。

2.健康相談や食事相談において、言い過ぎ、決めつけすぎの事例

  ――実際にあったこんな事例、あんな事例。(伝聞情報も含めて)

3.年長なのに、こんなに謙虚な人もいる

  ――祖父・祖母、父・母、知人……

  ……あの人の、こんなところがスゴイ。

4.なぜ、人は「おばさん化」「おじさん化」するのか。

  その原因を徹底分析。

5.「おばさん型」「おじさん型」言動

  ――(食事相談・健康相談、日常生活)を抑制するには

  どんなライフスタイルを身につければよいか。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20453893.jpg

世界広しといえども、

世界の健康支援者が、こんなテーマで

1日かけて話し合った例は皆無だろう。

そもそも「おばさん化」とはなにか、である。

もちろん定義はした。

すなわち、

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20455348.jpg

周囲または相手に対して、

自分が年長であることを過度に意識し、

それを優越性と感じて、周囲に対して謙虚さを失ったり、

遠慮のないコトバづかい、決めつけ、断定、

本音の吐露(「嫌い」「おいしくない」「高い」「安くしてよ」

「あなたは若いからそういうの」「私の年になればわかる」)

などの発言が多く、わが物顔でふるまったりする行動傾向。

男性にもあるが、女性に顕著な傾向か。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20461065.jpg

昔からマンガのテーマにはよくなるモノで、

たとえば、電車の車内で人を押しのけて席をとる、

人があけたドアを堂々と先に通り抜ける、

一山いくらの売り物に、別の山からの1個を加えて

カゴに入れる……。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20443206.jpg

今回は、健康支援者の「おばさん化」だから、

こういうフライング行動ではなく、

おもに言い方、決めつけ方などの体験披露からスタートした。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20481634.jpg

以下はその体験例。

*「自分のたてた献立を、
  毎回先輩調理師から批判される」

*「野菜の皮をむいていたら、『そんな切り方するの?』」

*着ていた服についての指摘「若いからなんでも似合うのよね」

(こっちは、それなりに考えているのに!)

*先輩と議論していたら「若いからそういうこと言うんだ。

僕の歳になればわかるよ」

*人が食べているお弁当をのぞき込んで
「ごはん、多くない?」

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20493480.jpg

健康支援者や食事相談は、

本来、カウンセリング的でありたいところだが、

「栄養指導」というコトバが一般化しているとおり、

もともと指導して当たり前と考えられている。

そういう世界でキャリアを積むとどうなるか。

「指導」×「おばさん」となるから、

キメつけ、あけすけの指摘が著しくなる。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20494555.jpg

*「ちっとも体重減りませんね。

お酒、飲みすぎているんじゃないですか」

*「数値、下がりませんね。

間食してるんでしょう?」

*「なんでそこまでやせるの? 

骨粗しょう症の予備群になるわよ」

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20495915.jpg

なぜ、栄養士を含む健康支援者は

「おばさん化」「おじさん化」しやすいのか。

参加者からいろいろの分析が出た。

それらを補足してまとめると……。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20511218.jpg

*医療は命を救うという絶対的な使命があるから、

 患者は感謝、感謝の気持ちがいっぱい。

 医師は家系的にも社会的にもエリートで、

 伝統的に上から目線になる。

 看護師や保健師、栄養士は、

 上から目線の対応を学習し、

かつ、医師の「虎の威」を借りて

その態度を増長させる。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20513780.jpg

*その立場から見ると、

 患者は、理解していないことが多く、

かつ注意したことを守らない、

そこでついキツイ言い方になる。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20530832.jpg

*多くの医療関係者は、

 数値優先で、

 ライフスタイルの維持や改善、

 よい状態の維持に関心がうすく、

 支持した数値を絶対のものとして迫り、

患者を叱る傾向がある。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20435621.jpg

*「おばさん」の多くは

 子育て経験があり、

 わが子に対してきつい表現をする経験をもつ。

 「ちゃんとしなさいよ」「言ったことを守りなさいよ」

 「早くして」「だから言ったでしょ?」

 口になじんだトーンは、

 相手が子供でなくても、

似たようシチュエーションのときには口から出る。

相手が自分より年下であることが多くなるにつれて、

「おばさん化」は進行する。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20434992.jpg

*さらに、男女に関係なく、

 情報環境(人脈の多様性、新聞、雑誌の購読、

読書、テレビラジオの視聴、デジタル情報のリテラシーなど)

が狭い人は、自分の見聞だけを論拠にし、

しかも、それらを過信する傾向がある。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20555144.jpg

「それが常識ですよ」「……そういうものよ」

「私の経験では」「いまの人は……」

「だまされたと思ってやってごらんなさい」

「私を見てごらんなさい。これも玄米のパワーよ」

 「私の言うこと、騙されたと思ってやってみなさい」

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20535890.jpg
要は「上から目線」、ていねい表現が少なくなる、

問いかけが、ないか、少ない、

断定、キメつけ、自説の強調が多い、

謙虚さ、寛容さ不足、などなど。

それは自他の健康のリスクになりうる。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20424410.jpg

これをセルフコントロールできるのか。

特効薬はないが、

こんな方法でいくらかは抑止できるかもしれない。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20450299.jpg

*「おばさん化」は「老化現象」であることを理解する。

*仕事以外の人脈を維持または増強する。

 (とくに運動系は有効)

*(世の中にはエライ人やエライ考え方があることを

知るために、雑誌や書物で)評論などの文章を

読む習慣を維持する。

*ハガキ、手紙などによる情報発信の習慣を維持する。

*けっきょくは、高い教養を保つということ。

 「実るほど頭の下がる稲穂かな」

時はいま、実りの秋である。

「おばさん化」は晩秋、老化現象である。_b0141773_20421413.jpg


by rocky-road | 2020-09-29 21:00 | 「食ジム」  

<< あなたがいま燃えているものは? 生き方を考える栄養士たちへ。 >>