百寿者となる自分を支える。

自粛やら「GO TO」やらで、
行動の自由にブレーキをかけられながらも、
なんとか7月は、
ロッコム文章・編集塾の毎月クラスも
遠距離クラスも再開できた(25日)。

さらに、食コーチングプログラムス主催の
第88回「食ジム」(7月12日)も
講師養成講座の3回目(26日)も再開され、
そして、パルマローザ主催の写真教室で
熱海へも出張することができた(19、20日)。


これらと同時進行で、
秋の出版を目指して、
栄養士のライフスタイルに関する
書物の校正に追われている。



ということで、
遅ればせながら、
7月2日の「食ジム」で宿題となった「まとめ」の部分の
締めくくりをしておこう。
テーマは
「栄養士は高齢者の食と健康をどう支援するか。」
座長/髙橋寿江さん
(横浜市内会議室)



1.「こんな高齢者になりたい」と
思わせてくれる・くれた
あの方の食とライフスタイル。
2.「なぜあの方は、
早く逝ってしまったのだろう?」
――いま考えてみれば……。
3.高齢者を支援する現在のカタチ――
ちょっと気になる、こんなところ、
あんなところ。(公私ともに)
4.年少者がわかっていないかもしれない、
高齢者の食と健康、そして、ライフスタイル。
5.栄養士が高齢者の食と健康を支援するとき、
栄養士・健康支援者が押さえておきたい
α個のポイント。

この超高齢化時代ともなると、
健康支援者が健康支援をする高齢者は、
ちょっとやそっとの年上ではなく、
超高齢者や百寿者だったりする。

折しも、
2019年の日本人の平均寿命が発表されたが、
それによると、
男性は81.41歳、
女性は87.45歳
で、男性は世界3位、女性は第2位とのこと。

男女とも香港が世界1であること
(男82.34歳、女88.13歳)。
(僅差ではあるが)
香港やシンガポール(男女とも4位)、
韓国(女、同率4位)も
長寿国ランキングの上位に入っていること。

健康支援者の質と量が
日本よりも勝っているのか」
と問われて
「イエス」と答える日本の健康支援者は、
少ないのではないか。

「レイシをよく食べるから」「薬膳の効果」
などの俗説もあるが、
もちろん、そんな単純な話ではない。
健康環境に目を向ける前に、
統計のとり方に問題はないのか、
日本人としてはそんなところから
研究をしてみたくもなる。
いずれにしても、
香港やシンガポール、韓国などと
トントンの結果というのはもどかしい。

健康支援者が
ここまでやっているというのに、
ぶっちぎりの独走態勢に入れないのはなぜなのか。
有能な健康支援者たちがゴマンといるのに
アジアの3か国とドングリの背比べとは、
それはないだろう。

いやいやいや、
そうではない。
健康支援とは、
世界の平均寿命オリンピックに
参加することではない。
大事なのは、
社会参加の機会が
多くて長い人生を送ることではないのか。

そんなこんなの議論を楽しんだのが
第88回「食ジム」であった。
ほとんどの場合、
自分より年上の人の健康や生きがいを支援する、
というカタチになる。
90歳、100歳の、人生の大ベテランに
健康を説くこと、生きがいを説くことに
ビビることはないのか。

「食ジム」では、
長寿を成しえなかった事例も
あえて、あげてもらって、
健康高齢者の条件を話し合った。
いい例、よくない例を
しっかり認識しておくことに意味はある

まとめの
「栄養士が高齢者の食と健康を
支援するとき、
栄養士・健康支援者が押さえておきたい
α個のポイント」
というところで、
みんなで「α個」を出し合った。
これを補足しつつあげて、今回はおしまいとしよう。
*古い高齢者イメージを更新する。
補足→→「ジジ・ババ」のイメージを
支援者も高齢者自身、
更新する。若い高齢者をスタンダードにしよう。

*自分より年上の生き方モデルを見つけてもらう。
→→「あなたが尊敬する先輩高齢者って、
どなたですか」
→→けっきょくは、本人の資質とやる気。
*歳より若めの身だしなみをしていただく。
*(そのためには)鏡の自分と向き合う時間を
つくるようにすすめる。
*食器をときどき変えてみることを提案する。

*自己肯定感を刺激する。
→→古典的な「あなたの健康の秘訣ってなんですか」
という問いかけにも、自分の利点を見つけ出す
きっかけを与える意味はあるのかも。
(もともと秘訣なんて考えずにやってきたとしても、
後づけで説明することで心理的にはプラスに)
*生きがいづくりの支援をする。
→→あしたの予定を聞くとか趣味を聞くとか。
*小さなことでも生きがいになるように支援する。

*食体験を過小評価しない。
→→「ええ? お1人で《すき家》に?
そうか、あそこなら、“ウナギ牛”食べられますものね」
*人生の先輩として敬意をはらう。
*料理技術を人との交流のために使う。
→→「男子厨房派」は意外に結束がカタイそう。
*外食体験を増やす、広げる。

以上のことは、
30年後、40年後、健康支援者の問題なのである。

by rocky-road | 2020-08-03 00:33 | 「食ジム」