コロナウイルス感染と栄養学の関係性。
コロナウイルス騒動が続く時期に、
健康支援者としての栄養士は
何を考え、何をすればよいのかを
考えてみた。
栄養学は直接的な対処はできない、
と言わざるを得ないところだが、
そうとは考えない健康支援者もいる。
「食」に絶大な期待を寄せる
「フードファディズム派」
とでもいうべき医師たちである。
食品の健康・または不健康効果を
過大に評価するご都合主義)
栄養学の基礎を正確に理解していないから、
むしろそのことを武器として、
食事で感染症を予防しようと、
タイムリーにも
こんな大胆な本を著す。
キャッチフレーズは
「ウイルス、花粉症と闘う!」
「免疫ビタミン『LPS』、和風出汁、豆類、
発酵食など、専門医直伝の正しい食べ方で
病気・アレルギーをよせつけない」
と新聞広告でアピールしている。
(ただし「予防できる」とは言っていない。
「戦う」と言っているだけ)
ノーベル賞の受賞は間違いなしだが、
それほど貴重なこの本のお値段は、
なんと本体価格が630円。
この良心にも敬意を表すべきだろう。
彼ら(複数筆者)のいい度胸には、
「このドキョー・ドーシヨー賞」を創設して
末永く記憶にとどめてもよいくらいだ。
幸いにして栄養士には、
食品に特効薬的な効能を求める
フードファディズムを助長する、
かくも不見識、無分別な者は多くはない。
したがって、
「コロナを防ぐ食事法ってあるのですか」
と聞かれても、
「規則正しい生活をすることでしょう」と、
はなはだ歯切れのよくない回答しかできない。
提案することも、
栄養士の守備範囲と考えるプロとしては、
もう少し踏み込んだ提案をしてみたい。
たとえば、こんなふうに。
1.定刻に食事をとる習慣を守る。
第1群 卵1個 牛乳コップ1~2杯 または乳製品
第2群 魚と肉各1皿 大豆製品(納豆、豆腐)
第3群 野菜350グラム(淡色野菜と緑黄色野菜)
くだもの(1個)
第4群 ごはん、パン、麺をいつもの量。
菓子、飲料もいつもの量を守る。
(増減はおもに第4群で)
5.家族にコロナ感染の疑いがなければ、
いつものように団らんを楽しむ。
7.ゴミ捨てのときはマスク着用。
戻ったら手を洗う。
しかしこの時期は原則1人で。
ウォーキングやジョギングのときは、
マスクをせず、心肺に新鮮な空気を送る。
マスクは四六時中かけていればいい
というものでもなく、
濁った自分の空気を出し入れするよりも、
大気の空気を肺いっぱいに吸い込んだほうが
よい場面もあるはず。
朝1回、夜1回にとどめる。
コロナ関連以外のものを優先する。
4月22日の「読売新聞」でいえば、
*「フルーツサンド 手軽に」
*「服選び 顔近くにきれいな色」
*「著名人の経済トーク 隈 研吾氏」
*「日本海溝・千島海溝の巨大地震で
想定される各地の津波」
*「人生案内 小6の息子 交友関係心配」
思考の多様性を保つ。
テレビを代表とするマスメディアは、
悲観的な情報のほうが
売れ行きがよいことを知っているので、
患者数が増えた、病院で集団感染が発生した、
という「結果」を頻回に伝える。
これらの情報に感染すると
自分の環境や将来がますます暗く見えてくる。
(後述)
電話、メール、手紙、ハガキを活用。
直接会うことは、同居していない家族、
親戚でも控える。
道で人と会っても会話は控える。
13.笑う時間、和む時間の確保。
音楽、CD、ユーチューブ、スケッチ、絵手紙、
草花の手入れ、新しい料理や菓子作りに挑戦、
最近買った服の試着、
人のいないところでの写真撮影など。
笑えない人は、ユーチューブで、
サンドイッチマンの「建築士」や「寝具店」を検索。
*過去の世界的な疫病は、
完全終息には約1年かかっている。
したがって、1年間は気を緩めない。
太平洋戦争は足かけ4年。
内地での戦災死者だけでも50万人とも。
餓死者が出るほど困窮した。
終戦の翌年、昭和21年には
「リンゴの歌」「ジープは走る」
「東京の花売り娘」「愛のスイング」
などという歌謡曲が生まれていた。
日本人はけっしてヤワな国民ではない。
今回のブログのしめくくりは、
以下のメディア論で。
マスメディア(テレビや全国紙)で得られる情報は
いわばインデックス。
深い内容はわかりにくいし、
「公正・中立」を建前としているので、
一見、公正の振りをして、
その放送局や新聞社の思想や感性を
知らぬ間に刷り込まれる可能性もある。
それを抑止し、
さらに、オリジナリティのある視点をもつには、
「ミディアムメディア」も活用することが望ましい。
「ミディアム」だから「ミニ」よりは大きく、
「マスコミ」よりは小さい。
視聴者数や発行部数の基準はないが、
雑誌でいえばおおざっぱに言って30万部以下、
という程度の感覚でいいだろう。
(ときに100万部突破なんていう異変はあるが)
最初にあげた食事で免疫力を上げる、
という本も、ミディアムメディアに分類されるだろう。
マスメディアは、
まさしくピンキリの視聴者・読者を相手にするので、
一見当たり障りのない内容になる。
それに比べると、
ミディアムメディアは、
良くも悪くも自由度の高い発言ができる。
新型コロナ騒動が続く真っ只中でも、
少なからずの夢と希望を与えてくれる
情報を提供してくれる。
たとえば、月刊『WiLL』などがその1つ。
5月号では、
「脱コロナ+脱中国で日本経済は必ず浮上する」
という記事を載せている。
筆者はエミン・ユルマズというエコノミスト。
トルコ、イスタンブール生まれの、
現在は日本国籍の人物。
「ユルマズ」は「緩まず」のダジャレではなく、
たぶん本名だろう。
コロナによる経済的落ち込みも、
長期的に見れば明るい、という。
経済は40年周期のサイクルがあるとかで、
過去の120年間には
戦争や東西冷戦、米中対立などがあって、
経済は大きなサイクルを描いた。
そしていまは、次の40年に向かって
上昇が始まるタイミングだと言う。
新型コロナウイルスを
世界中にばらまいた中国の政治体制を警戒して
投資家たちは、
中国や、そことの関係の深い国々を避けて、
安定性の高い日本に向かって流れるだろう、
さらに、サプライチェーン(供給網)も、
「脱中国」の流れが加速するだろう、と。
日本人自身の理解は充分ではないが、
「ジャポニズム」の再来が
徐々に始まっているという。
日本人は、自動車や電化製品、
半導体が日本経済を支えると思っているが、
いまのアメリカ人が「日本」と聞いて思い浮かべるのは
「ポケモンやスーパーマリオ、ハローキティといった
キャラクターや、宮崎駿の映画」
などのソフトパワーだという。
「ソフトパワーを甘く見てはいけません。
何がアメリカを『超大国』にたらしめているか。
それはGDPや軍事費ではなく、
『アメリカへの憧れ』にほかならないのです」と。
つまり、ハリウッド映画による
自由なライフスタイルやファッションなどが
世界を魅了したのだと。
ジョン・ウエイン、ジェームス・ディーン、
スパイダーマン、バットマン……。
日本にとっての、こうした無形資産は
任天堂やソニーなどによるゲームソフトだという。
そのほかには観光。
アメリカに旅行をする場合、
1週間でフロリダとシアトルに行くことは不可能だが、
日本なら、1週間で東北と九州を楽しむことができる。
(北海道と沖縄といつてほしい/大橋)
南北に延びる地形も有利に働いていて、
夏はダイビング、冬はスキーができる。
以上の説は
『米中新冷戦のはざまで日本経済は必ず浮上する』
という書物で語られているそうで、
雑誌の記事は、その中の一部を述べたものらしい。
幸か不幸か、
ゆっくり読書ができる日々は、
もうしばらくは続く。
by rocky-road | 2020-04-22 21:47 | フードファディズム