押しても引いても動かすセンス。

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2019年1222日(日)に行なわれた

食ジム」 第84回

『「あと押し型リーダー」のセンスとは。』

考えることの多いテーマであった。

(座長/影山なお子さん、アドバイザー/大橋。

横浜市技能文化会館)

改めてこの問題を考えて、まとめておこう。

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プログラムは以下のとおり。

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1.これまでの人生で、私をあと押ししてくれた、

  あの人のあのコトバ、あのアクション。

2.「ひょっとして、あの人を

  あと押ししたことになるかもしれない」と思える、

  あのときの私のアクション(問いかけ、ほか)

3.健康・食事相談のときに「ひっぱり型リーダー」

  として役割を果たしたあのとき、あの場面。

4.「引っぱり型」と「あと押し型」の

  リーダーシップを発揮する、時と場合。

5.「あと押し型リーダーシップ」のセンスアップのためには、

  どんなトレーニングが必要か。

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辞書で「リーダーシップ」を検索すると

「①指導者としての地位または任務。指導者。

 ②指導者としての資質・能力・力量。統率力。」とある。

そして「リーダー」を「①指導者。先駆者。先達。首領」

としている。(広辞苑)

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どこの国のコトバでも、

リーダーは指導者であり、率先垂範者であり、

先駆者であり、先達である。

これらは要するに「引っぱり型」。

このコトバから、ベビーカーを押す人のカタチ、

「あと押し型」をイメージする人は少ない。

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リーダーと言えば、大統領であり首相であり、

将軍であり、議長であり、監督であり、

社長であり、部長であり、家長であり、

先生であり、親である……、

そのリーダーに従う人にとって……。

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食事・健康相談やカウンセリングの場合、

「このようにしなさい」

「そんなことをしてはダメです」

という指示や断定、禁止を極力控え、

まず相手の考え方や現状、そして背景を

確かめるというプロセスをたいせつにする。

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従来の「ダメ出し食事相談」の場合は、

率先垂範型(模範を示したり指示したり)であって、

未熟な担当者の中には、

いわば舞いあがって、

相談者に対して高飛車に出る者が少なくない。

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「こういう姿勢はよくない」

という注意が行き届いたせいか、

「引っぱり型リーダー」は、

敵役みたいに敬遠されがちになった。

しかし、「引っぱってはいけない」

とまで考えるのは誤解である。

そして、

引っぱり方にも無限のバリエーションがあることを

見落とすべきではない。

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たとえば、

こんな問題を考えてみよう。

 「次の3つの食品のうち、

 いちばん太りやすいのはどれでしょう?

 ①砂糖 ②カシュ―ナッツ ③バター」

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この設問をした栄養士は、

いま、ゆるやかに対象者を引っぱっている。

食品を3択から1つを選ばせる、

という設定は、

ほかならぬ栄養士のリーダーシップである。

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と同時に、相手の判断力を引き出すという点で

「あと押し」的でもある。

それは、ベビーカーを押している母親が、

「ケンちゃん、公園と桜川と、ワンちゃんのお店と

どこにいちばん行きたい?」

と尋ねるパターンと同じである。

相手の意志を尊重する、という点で

「引っぱり」的ではなく「あと押し」的である。

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さて、①砂糖 ②ピーナッツ ③バターに戻ると、

「③でしょう」と答えた相談者は、

栄養士から「ブー」と、外れの信号音を出される。

「えっ? じゃあ、やっぱ①か」

「ブー」

「えっ? えっ? まさか②ではないでしょ?」

「ブー」

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栄養士は言う。

「食品のエネルギーは、食べた分だけ高くなります。

食べる量がわからない状態では、

『どれが太りやすい』とは言えないでしょ?」

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「……てことは、全部間違い? 

そんなのズルい!! やだぁ~」

「いや、どれでもないって、いうことです」

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この状態は、

押しながら引っぱっている「超リーダーシップ」。

ここで相談者が興味を示せば、

1日にとりたい食品の種類と量を

4つに分けて説明することになる。

ダイエットは、そこからである。

その瞬間、栄養士はベビーカーの前に立って

引っぱることになる。

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つまり、リーダーシップとは、

いつも引っぱることではなく、

いつもあと押しすることでもない。

日本語では、

どうにもならない状況のことを

「押しても引いても動かない」と言うが、

リーダーシップとは、

押したり引いたりして、相手を動かすことである。

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「引っぱり型」と「あと押し型」は

東と西のように向き合う関係ではなく、

砂時計のように上下が逆転したり、

カクテルのようにAとBが

瞬時に、不規則に混ざり合ったりするものである。

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食事・健康相談やカウンセリング、

コーディネートにおけるリーダーシップとは、

砂時計とカクテル(シェーカー)を駆使する話力である。

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しかしそれは、

日常会話とはかけ離れたスキルではなく、

日々の生活の中にあって、

周囲の人をよりハッピーにしてゆくスキル、

いや、ハッピーを願う理念であろう。 

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by rocky-road | 2019-12-28 23:21 | 「食ジム」  

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