「表記・表示学」のすすめ。
いきなり新顔の行先が現われた。
「HPSC」と。
日本の停留所に突然、
アルファベット表記が現われたのにはびっくり。
「どういう意味ですか」
乗客としては当然、運転手に尋ねた。
運転士さんは「わかりません」
「えっ?」である。
自分が巡回する停留所の意味がわからないという。
次の機会にも、
別の運転手に聞いたが、やはり「?」
「社員教育はどうなっているんだ?」と
ねじ込むところだが、
「仏の大橋」となったいまは、
家に帰ってパソコンで検索した。
「ハイ パフォーマンス スポーツ センター」
(High Performance Sports Center)
の略だという。
国立スポーツ科学センターの
関連施設が名称変更をしたらしい。
東京のはずれの北区にも、
国際的(?)な地名(施設名)が
いつのまにか生まれたようである。
もっとも、ゲート付近を探索したが
それらしい表示はない。
1施設が、または1バス会社が
地元のコンセンサスもなく
いきなり地名を主張していいものか。
すべてオリンピックのため。
「笑って許して」か。
過日、空港内の書店に寄ったとき、
雑誌の誌名の表記の変化に気がついた。
これも、関係者からすれば
「いまさら」のことかもしれないが、
誌名を、表紙モデルなどによって
いとも簡単にさえぎる流行が真っ盛りなのである。
わが現役時代には考えられない方式である。
全面に写真を使って、
書名を上にかぶせる(「ヌキ」とか「ノセ」とかという)
方法もあるが、
写真の絵柄と文字とが重なって読みにくくなる。
誌名部分とロゴの部分とを分けて示した。
それでも、「ノセ」のケースにも耐えられるように、
「栄養と料理」のロゴの輪郭線を太くして、
絵柄に埋没しないようにくふうした。
そういうことに、
こまごまと気をつかった者からすると、
誌名のロゴをモデルさんの顔で覆うなどは
考えられないことである。
読者は誌名で選ぶだろうに。
流行というのは、理屈ではないと、つくづく思う。
さらに話を進めて、
先日、稲盛和夫氏の著書、
『心。』に関心を示した塾生が少なくなかった。
かねてから、句点の意味について論じているので、
こういう表記に目が行ったようだ。
世界の栄養士のうち、
書名に打たれた「。」の意味について
考察する人はどれくらいいるだろうか。
などという問題を研究する
「表記学」または「表記・表示学」を
創設してもよい時期かもしれない。
ちなみに、
来たる8月25日に行なう、
第80回「食ジム」では、
そういう話題も含めて、
「栄養士・健康支援者は
『日本語力』をどう強化すればよいか。」
というテーマで、終日、語り合うことになっている。
(http://www.palmarosa.jp/palmarosa/goaisatsu/index.html)
by rocky-road | 2019-08-13 20:26 | 「食ジム」