パルマローザ フォトコンテスト 2019  入賞発表。

恒例の栄養士・健康支援者のための写真教室
終わった。

201953日 金/祝日)

フォトコンテストのエントリーが出そろったので拝見した。

横浜の山下公園からレンが倉庫まで、

ゆっくり撮影して歩いた。

写真撮影などのクリエーティブな仕事は、

「勝手を知ったいつものところ」には要注意。

「慣れ現象」によって、
風景を新鮮に見ようとしなくなる。

応募作品を見る限り、
意外なほどバリエーションが少ない。

カメラマンとしては(プロ、アマ関係なく)

砂漠のど真ん中に放り出されても、

なんらかのモチーフを見つけるアィディアが不可欠。

それは人生も同じで、

砂漠のような「平凡な日々」のど真ん中に放り出されても、

心の被写体(モチベーション)を見つけて

作品化していかないと(知的・感覚的刺激または認識)、

つまらない人生になってしまう。

今回も、「銅賞」を最高位とせざるを得なかった。

ハードルを下げたい誘惑に負けそうになるが、

歯を食いしばってでも、

それなりの尺度で選考を続けたい。

タイトルのネーミング力不足は、

この撮影会に限ったことではなく、

日本中のフォトコンテストの99%は幼稚園並み。

しかし、ここも妥協しないで、

よりよいネーミングを求めていきたい。

受賞作品のあとに、

参考作品として、
大橋のショットもご紹介させていただく。

銅 賞

エントリー 3.
タイトル 「帽子をかぶり、横浜散歩」
撮影者 塚本 ゆみ子 (長崎県 特別養護老人ホーム勤務)
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【評】 

ユーモラスな表情をとらえて成功した。

基本どおり、ローアングルで狙ったのがよかった。

遠景の船の煙突を強調するのなら、

ズームで狙って遠近感を狭めるとよい。

そうすれば、余計な背景を少なくすることができただろう。

タイトルの「帽子」はどうか。この表情からすれば「王冠」

「横浜散歩」は不要なつけ足しのフレーズ。

「浜のオンリーわん」で決まりだろう。


佳作

エントリー 5.
タイトル 「アイドル」
撮影者 甲斐 和恵さん (神奈川県 船員保険健康管理センター)

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【評】 

子どもの表情を撮ろうと迫る2人の女性の姿がおもしろい。

瞬時のできごとに素早く反応したセンスを買いたい。

2人のカメラマンと、撮影者。

写真教室での、
みなさんの夢中ぶりがほほえましい。

野暮な指摘ではあるが、

撮影するときは、荷物は極力減らして

より身軽でありたい。

佳作

エントリー 9.
タイトル 「中1の春。人生の目標は高く高く!」
撮影者 影山なお子 (神奈川県  パルマローザ主宰)

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【評】

 「逆バンジー」(と呼ぶらしい遊具)で遊ぶ子の撮影はむずかしい。

動きが速いし、距離も流動的。

この作品は、知り合いの子を追いつつも

構図のおもしろさに着目している。

幾何学的な模様と、イベント会場の雰囲気とを

冷静な作画感覚でとらえている。

タイトルは説明のし過ぎ。
「人生の目標は高く」くらいでいいのでは?

佳作

エントリー 8.
タイトル 「花道の先には……
撮影者 三奈木博文さん (東京都 会社経営)

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【評】

 撮影意図がわからない不思議な写真だ。

砂場で無心に遊ぶ子か、
迷子か、「座敷わらし」か。

出来過ぎた構図、動と静の対比、

静寂の音が聞こえてくるような臨場感など、

なかなか撮らない(撮れない)作品として
注目した。

タイトルからも肌寒さが感じられる。

佳作

エントリー 6.
タイトル 「オーロラをゆく」
撮影者 永野 幸枝さん (千葉県 学校栄養士)
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【評】

 みなで同じ場所から撮った一作。

夕陽を追わずに、停泊船を入れ込んだ構図がよい。

わずかながら、もう少し明るく撮りたかった。

タイトルの「オーロラ」はどうか? 

実際にオーロラを撮ってくる人が多い今日、

夕陽をオーロラと見るのは現場感覚の弱さか。



その他の作品

エントリー 1.
タイトル 「昇っていく」
撮影者 徳本 梨江
さん 
(埼玉県 高齢者福祉施設勤務 栄養士)



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【評】

 春になると、ときどき、こういう人が現われる。

それをスナップショットで押さえた適応力を買う。

が、現場を知らない人には、意味不明の作。

記念写真にはなるが、
「作品」として公開するには弱い。

タイトルには、
怪しい行動をする男の気分が出ている。


エントリー 2.
タイトル 「輝く一輪」
撮影者 塚本 剛志さん 
(長崎県 塚本工務店経営)

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【評】

ワイド系のレンズで寄ったために、 花弁が湾曲してしまった。

色も黄ばんでいて
ホワイトバランスの設定が気になる。

「一輪」を撮るには、しっかり一輪に限定したい。

右下の中途半端な一輪はカットするか、

2輪で美しく撮るか、意図をはっきり持とう。


エントリー 4.
タイトル 「ももいろの夢」
撮影者 塚本 初音さん
 (長崎県 中学
1年生)

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【評】

バラの花とマリンタワーの対比はおもしろいが、

その場合は、
その他のものは思い切って整理したい。

高く伸びた枝や、草むら、左の赤いバラ、

こういうものが入り込むと
画面が散らかってしまって

夢が「ももいろ」ではなくなってしまう。
花の向きにも工夫を。

カメラアングルを工夫すれば、もっとすっきりとできるはず。


エントリー 7.
タイトル 「夕暮れの引き寄せ力。」
撮影者 奥村 花子さん 
(東京都 
Hanaヨガ&食スタジオ主宰)

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【評】

夕景をきれいに撮っているが、インパクトが弱いかな?

同じポジションからでも、ズーミング(絵の切り取り方)、

露出などを工夫することで個性は出せる。

タイトルで謳っているように、

「引き寄せ力」を発揮していただきたい。

それにしても
スルメみたいに乾燥したネーミングだ。

エントリー 8.
タイトル 「横浜ジャンプ、スタンバイOK!」
撮影者 三奈木麻弓さん(東京都 行政栄養士)

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【評】

わが子の記念すべき瞬間をいいアングルでとらえている。

係員の表情もいい。

フォトコン作品とするには、もう少しインパクトがほしい。

充分なキャリアからすれば、もっとユニークな撮り方があるはず。

タイトルもダラダラと長すぎる。
ビシッと決めよう。

参考作品(撮影/大橋禄郎)

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一輪の撮り方

   

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おじさんコスプレみなと


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 神の所在

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 潮風の通り道

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一期一会                                 
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ゴールデンタイム
 
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by rocky-road | 2019-05-19 22:18 | 写真教室  

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