郵便ネットワーク、悠々。
年賀状や暑中見舞いシーズンを除けば、
10日くらいの間に
ハガキや手紙を20通近くいただき、
同数の返事を書いたのは、
久々のことである。
去る9月22日のセミナー、
「ハガキ、手紙スキルのない健康支援者ってありなのか。」
の余韻がいまに至っている。
いただいたハガキや手紙には、
筆ペンを使うものが多かった。
セミナーの途中で
書道関連の文具店に寄る、
という「ゴールデン 寄り道コース」の効果だと思う。
ハガキ、手紙の美学という点では、
「弘法も筆を選ぶ」ことは確か。
字を大きめに書く人が、
細いボールペンを使っていたり、
便箋の罫の幅に対して筆文字が大きすぎたり、
墨がだぶつき過ぎたり、
定形サイズいっぱいの封筒を使いながら、
宛名の文字が細かったり……などは、
ちょっと筆記具との相性を考えれば、
簡単に解決できることである。
それにしても、
「ゴールデン 寄り道コース」のおかげで、
便箋や封筒のグレードがよくなった。
日本の手紙文化は、
やはり和風の伝統を引き継いでいる。
格段の能筆でなくても、
「それなりに」サマになるからありがたい。
となると、
アタマの糊づけ部分にもこだわりが出てくる。
かつては「しめ」(〆)や「封」「緘」(かん)
などと書いて綴じたが、
いまは封緘印(ふうかんいん)や
封緘シールがどこででも手に入るようになった。
また、写真店では好みの写真でシールが作れる。
昔は、封緘印を作るのはよほどの風流人であり、
1個がかなりの高価であった。
ここで忘れてならないのは、
のりつきの封筒は接着力が弱く、
輸送中に封が剥がれやすいこと。
今回、いただいた封書にも数葉がそうなっていた。
また、二重封筒の場合、
外側と内側の綴じ目がずれるため、
おかしなシワができたり、
ペーパーナイフで開くとき、
引っ張られて破れてしまうものなどがあって
この形式の封筒は「取扱注意」である。
わが郵便ネットワーカーの一部の人は、
京都で住所のゴム印を風雅タッチで作った人もあって、
味わいはひとしお。
もっとも、この場合も使う人の手書き文字のタッチ、
キャラクター、文体などと相関があるので、
目的や用件などによって使い分ける必要がある。
それやこれやのことで、
日本のごくごく一部の栄養士・健康支援者の
郵便コミュニケーション文化は向上した。
それが、いっときの夢で終わるか、
生涯の生活習慣になるかは、
それぞれの人が
どこへ向かって、どう生きるかという、
方向性の問題、つまりライフスタイルの問題である。
文化のすべてが健康にプラスになるとは言えないが、
郵便コミュニケーションは、
健康上のメリットの1つとはなる。
少なくとも「極上の孤独」を選ぶ人よりも
活気のある人生を歩むことになるのは、
エビデンスなどなくても明らかである。
健康行動学がもっと活性化して、
研究者がふえた暁には、
「Eメールオンリーグループと
郵便コミュニケーションを
月に2回以上行なうグループとの
健康寿命に関する比較研究」
などという研究を行なう人が出てくるかもしれない。
いやいや、
そんな、やらなくてもわかっている研究など、
好んで行なう研究者はいないだろう。
しないですむことを祈る。
下の書は、
毎年、写真教室に長崎から参加してくださる、
塚本初音さんの作品。
「第68回 西九州小中学生書道大会」で
応募者数3436人から最高賞の4人が
文部科学大臣賞に選ばれた。
その1点が初音作品。
力のこもった、温かい作品である。
(9月25日「長崎新聞」による)
by rocky-road | 2018-10-11 23:15