求む「百寿者コーチ」
フリーマーケットで
バッグの店を開いている女性が
とてもチャーミングなのでカメラを向けた。
Vサインが出たので何枚かを撮った。
映像を見せると、
「もっとアップはないの?」
「もちろん」と答えてアップも見せる。
すると彼女は「80歳なの」と。
「1937年生まれですね」
そう念を押すと「はい」と。
ここで終わればいいのに、
私は、自分を指して「1936年」
その場から離れて10秒後に、
自分の陳腐な対応に
がっくりきた。
「なんでそこで、自分の歳を言うのかね?」
「だから、なんだっていうの?」
と、自分を突っ込んだ。
人生100年時代に向けて、
心の準備がまるでできていないことに落胆した。
先進国の多くは、
いよいよ人生100年時代に向けて舵を切った。
当然のことながら
栄養、運動、休養対策には
真っ先に手がつけられるだろう。
しかし、ポイントはそこから先にある、
「モチベーション問題」だろう。
人は、自分だけで生きていくほどパワフルではなく、
人から知識や行動様式を採り入れて、
それをエネルギー源にしてパワーアップする。
ここでいう「パワー」は、
栄養学がいうエネルギーではない。
「心のエネルギー」と仮に呼んでいるが、
つまりはモチベーションである。
食事摂取基準に基づいた「食の地図」が存在する以上、
それを実行している健常者にとっては、
栄養学は、もはや終わった。
次に着手しなければならないのは、
「モチベーションの地図」づくりである。
とはいえ、モチベーションは、
人それぞれの人生の指針のようなものだから、
万人向けでやっていけるはずはない。
だからこそ、
たとえば宗教には、
いろいろの宗派ができて、
多種多様な「人生の地図」を描いているのである。
そう言ってしまっては終わりである。
食事だって、人それぞれである。
であるにもかかわらず、
世界中、どこのだれもが
自在に活用できる「食の地図」を編み出したではないか。
モチベーションの地図だって、
その気になれば、かならずできる、
そう信じて作成に着手すべきである。
「モチベーションの4群点数法」
*1日3回、定刻に食事をとること。
*1日1回5分以上、人とコトバを交わすこと。
*1日に1回30分以上、屋外を歩くか走るかすること。
*1日に10分以上、新聞や雑誌を読むこと。
などとやっていくと、
モチベーション源に限っては
とても4つくらいには、
カテゴライズすることはできないとわかる。
しかし、食品のグループ分けも、
かつては10や30という時代もあった。
人間のカテゴライズ力は進歩するから、
4つはムリとしても、
10か7つか、
そのくらいまでは絞ることはできるだろう。
個人レベルでは、
まず内的環境(思考法や人体生理)を変えること。
年齢ではなく、
活力、モチベーションの高さにおいての
モデルを見つけること。
理想的には、
100歳で元気いっぱいの人を見つけることだが、
そういう人はザラにはいないから、
とりあえずは、自分より20か30年長の人の
元気度をとり入れる。
モデルを見つけることも才能の1つ。
ダメな奴は、人から学ぼうとしない。
人を尊敬することを知らない。
こういうタイプは
1人分こっきりのモチベーションしかもてず、
1人分こっきりの人生を生きて
心のエネルギーを失う。
(病気や事故は別として)
環境の一部としての役割は、
高齢者を見て、
「お元気ですね、お歳は?」
「長生きの秘訣はなんですか」などと
おだてるようなことは言わない。
うぬぼれた高齢者をつくらないためには、
「90歳」と、誇らしげに言う人にも、
「今年のご予定は?」
「私たちのグループに参加されませんか」と、
20歳の人に言うのと同じように言う。
(ちょっとかわいそうかな?)
かつては、子どもが乗り物に乗ってくると、
席を譲ってやった時代がある。
が、足腰を鍛えるためには、
子どもは立たせておくほうがいい、
という考え方から、
子どもには、あえて席を譲らなくなった。
であるならば、
少なくとも1人で
乗り物を利用できるような高齢者には、
あえて席は譲らない。
愛のムチである。
強い視線で「さあ譲れ!」
みたいな訴えをしている高齢者には、
鼻毛でも抜きつつ無視する。
これが冷たい社会をつくるのか、
愛のある社会なのかは、
コンセンサスが必要になるだろう。
いずれにしろ、
人生100年時代を本当に迎えるのなら、
110歳を目指さないと
目標達成はできないことは、
スポーツの試合を見ればわかる。
元気な100歳を目指すには、
自分の中で
そうとうのイメージトレーニングが必要になる。
遠からず、「百寿者コーチ」という職業が
生まれることだろう。
いうまでもないが、
「百寿者コーチ」の資格は
100歳以上である必要はない。
タイガーウッズやイチローのコーチが、
かれらより
ゴルフや野球がうまいわけではなかったように。
そのコーチは、真っ先に言うだろう。
「100歳生きるのは結果ですよ。
きょう、楽しく、有意義に生きること、
それの36,500日分が、
あなたの人生ですよ」
by rocky-road | 2018-03-16 22:27