編集力、コーディネート力を問う。

6月4日(日)に、
パルマローザ ブラッシュアップセミナーで
講義をした翌日、
古い海関係の友人から電話をもらった。

彼が本を出したので、
7月に出版記念パーティを行なうべく、
知人に案内状を送ったところ、
予定人数の3分の1くらいしか
「出席」の返事が来ない、どうしたものか、と。

このイベント、だれの発案か知らないが、
5人の代表発起人がいて、
さらにフツ―の(?)発起人が15人もいる。
その中に私も入っている。

電話で依頼を受けて承諾したが、
そのあとの打ち合わせはなく、
いきなり案内状と「出欠」を尋ねるハガキが届いた。
つまり、発起人とはいっても、
何もしなくてよい、
ただの参加者ということらしい。


こういう荒っぽいイベントを企画しておいて、
「思ったより人が集まらない」という。
そりゃ、そうだろう。

私が主催したり、私のために開いてくれたりした
いくつかのイベントの場合はどうだったのか、
と、いまさらに聞いてくる。

「もちろん、事前に参加希望者には
電話やメールで打診をして、
だいたいの人数を把握してから
会場などを決めた」と答えた。

すでに「欠席」と答えた人たちに、
私が再度連絡をとっても、
状況が大きく変わるとは思えない。
70人を予測して、
ホテルの大きな部屋をとったというから、
なんとかしなければならないのだが……。


6月4日のセミナーで、
「栄養士、健康支援者の編集力、
コーディネート力を強化する」という
講義を行なった翌日に舞い込んでくるというタイミングに
苦笑せざるを得なかった。
(セミナーは横浜市技能文化会館 終日研修)

編集経験30年以上、編集長も務めたベテランにして、
このていたらくである。
世間一般が、編集やコーディネートを
職業スキルと思い込み、
日常生活にはいかに活用していないかを
これほど見事に示してくれる事例は、
ほかには見つからない。

パルマローザのセミナーでは、
編集力もコーディネート力も、
ほとんどの人が活用する生活技術である、
と力説した。


目的や相手のセンスに合わせて用紙を選ぶ、
筆記具を選ぶ、話題を考える、字の大きさを決める、
封筒を選ぶ、切手を選ぶ、貼る位置を決める、
配達する日時を予想する……
これが編集でなくてなんだろう。
ホームパーティも冠婚葬祭の集まりも、
コーディネート力なしでは行なえない。

日時を決める、メンバーや会場を決める、
料理を決める、案内を出す(これは編集)、
ときにはサプライズを考える……。

だれもがやっていることなのに
それが編集やコーディネート力を駆使するものであることを
多くの人は知らない。

プロがどんな編集作業をしているか、
どんなコーディネート作業をしているかを
知らないからである。
では、プロであれば、
それが生活技術であることを
だれもが知っているのか。
その答えは、
冒頭のエピソードが物語っている。
プロでも、それを私生活で活用していないと、
それを職業専門スキルにとどめてしまう。

もう一度いう。
編集とコーディネートは
万人の生活技術である。
しかも、(ここが大事な点なのだが)
この2つは、別々に存在するスキルではなくて、
その境界さえわからないほど
隣接するスキルなのである。

さっきのホームパーティしかり、
ホームページの運営しかり、
旅行しかり、である。

旅行の場合、
目的地の選定、情報の収集、仲間との連絡、
予約の交渉、
スケジュールパンフの作成などは編集的であり
コーディネート的要素も大きい。

そして、荷物の準備、服装の準備となると
いよいよコーディネート力の出番。
それでも、用意する衣服や靴を
リストアップする作業は編集的。

「行きはこの服、ディナーのときはこれ、
翌朝のジョギングは、このウエアとシューズ、
ホテルの朝食のときはこれ、
ビーチへ出るときはこれ……」と、
編集的企画力を発揮すれば、
この旅行はいただき!!!

大事なのは、編集力とコーディネート力とを
ワンセットの生活スキルであり、
人生を愉快に送るスキルである、
ととらえること。

この2つのスキルを
同時進行で強化してくれる指導機関はないと思うので、
しばらくは
食コーチングやパルマローザの研修会で、
その強化法のスキルを研究してみたい。

毎年、このセミナーは、
私の誕生日にぶつけてくれる、
これもコーディネート力によるもの。
81歳になったが、
これからの、やることの多さを感じて身を引き締めた。

by rocky-road | 2017-06-09 00:13