本家の「栄養バランス」事情。

「栄養のバランス」とは、
なにをもって評価するか、
この点については、
自分のセミナーのときには
確認ポイントとしてしばしば話題にしている。
栄養士は、クライアントに対して
「栄養バランスに気をつけて」といえば、
責務を果たしたような気になるが、
なにをもって「バランスがとれている」といえるのか、
指導している本人がわかっていない場合が多い。

ところが、
かつて編集にかかわっていた雑誌の最新号を見ると、
この雑誌も、栄養のバランスを
わざわざあいまいにしているのである。
「栄養バランスごはん」という特集を組みながら、
「ごはんは茶わん1杯」
「肉や魚は片手くらい」と、
1食分の目安量しか示していない。


毎号、巻末のページで
「四群点数法」を解説しているのに、
どのページも、それにはノータッチ。
もはや「四群点数法」はお飾りになってしまった。



この大学の創設者であり、
「四群点数法」の考案者である
香川 綾先生から数えて3代目ともなると、
あの画期的な「食の地図」を
継承しようという意欲を持つ者もいなくなる、ということか。

文化や文明には停滞や後退はよくあることとはいえ、
食事の指針というものが、
こうも普及しないものかと、慨嘆する。
先進国の多くは、国民の健康を考えて
なんらかのガイドラインを提示しているが、
ほとんどの場合、普及していない。


スマホだのカーナビだの
歩数計だのヘルスメーターだのと、
情報や体内環境をキャッチする
機器の発達はめざましいが、
毎日食べる食事の質と量に関しては、
人類はかなりアバウトにできている。
集団的管理はできても、
自己管理はできない、
それが新人類から数えて20万年間の
現実というものであろう。

「それでも世界でトップクラスの長寿国なんだから
まあ、そうカタいこといわなくても……」
という意見もあろうが、
これが終点であるはずはなく、
これからも人生の質と量の充実の道は続く。

つまり、人生は長引かせることが目的ではなく、
充足感を感ずる期間をより長くすることが目的である。
そう考えたとき、
1日に、なにを、どれくらい食べるか、
という食事の指針も
目的意識を自覚するうえでのモチベーションとなる。




このページにも、
「四群点数法」の群別と、目安量を掲げておこう。



by rocky-road | 2017-03-13 00:55

