蒲郡で「三谷祭り」を見る。
名古屋周辺に在住の3人の塾生から
お招きをいただいて、
愛知県のご当地祭りを見物した。
「三谷祭り」(みやまつり)という。
場所は愛知県蒲郡市(がまごおり)三谷(みや)地区。
祭りは2016年は10月15日、16日の2日間。
私は16日に伺った。
2つの神社の間を4基の「山車」(やま)が
移動するのだが、
途中で海の中を行く場面がハイライトとなる。
山車の上にはお囃子方の子どもたち。
山車を支える男たちが100人近く。
山車を曳く男たちはおよそ200人。
たぶん、海中は砂地なのだろう、
そこをおよそ300メートル、
山車はゆっくりと移動する。
大潮の日を選んで行なう理由がよくわかる。
水位が下がるので、大きな山車が
海の中を進むことができる。
それにしても、海底が岩場では、
山車(やま)にとっては不安定すぎるし、
砂地だとしても、車がのめりこんだりしたら動かなくなる。
300年の歴史のある祭りという。
最初にこれを試みた人のアイディアと勇気に感心する。
東京の祭りしか経験していない者からすると、
祭りにしては静かである。
確かに祭囃子は流れてはいるが、
人の表情が柔らかだし、ゆったりとしている。
はしゃいで走り回るような子どもも見当たらない。
東京の祭りでは、参加している男たちの表情がキツイ。
戦闘モードであり、実際、あちこちで衝突が起こる。
東京に限らず、ときに死傷者が出るような
荒くれた祭りは各地にはある。
愛知県人は郷土愛が強いそうだが、
それも荒くれない一因なのか。
三谷祭りの穏やかさは、
神事としての意識を参加者が持ち続けているからだろう。
また、参加者の年代の幅が広い。
子どもから高齢者まで、
各層のバランスが実によい。
高齢者が、年長づらすることなく、
みんなが溶け合っている。
日本中の若者がスマホ依存症に
かかっていると思っているが、
少なくともこうした祭礼の日には、
スマホをのぞき込む者はいない。
そういう機会のある地域が、
この日本にもまだあることを知って安堵した。
祭りはシーサイドに限らず、
神社の境内でも行なわれていた。
ここでも、奉納する数パターンの踊りを
いろいろの年代層のグループが
分業して行なっているのであった。
この多面性が気に入った。
1点に集中するのではなく、
広い地域のあちこちで、
いろいろのメンバーが、いろいろの目的で動いていた。
その多様性は、なぜかアメリカのショーを連想させる。
アメリカ人のショーには、
幕間に当たるものがないことが多い。
あるショーが、右から左へと展開し、
それを目で追っていると、
いつの間にか右手からは、
次のショーの一団が入場してきて、
パフォーマンスを始めていたりする。
三谷祭りでは、
神社の境内は階段になっていて、
階段と階段の間のスペースで、
いくつかのグループが舞を舞っていた。
まさに階段の「踊り場」なのであった。
それを追って見物した。
歩数計によれば、
1万歩以上は歩いたという。
1年前から計画した、
私の誕生日へのプレゼントとのこと。
祭のあと、竹島水族館を見学し、
名古屋経由で東京に戻った。
by rocky-road | 2016-10-18 23:59