捨てるあなた、捨てないあなた。

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2016年は、
3日の江ノ島、鎌倉、ぶらカメラから始まって、
9、10、11日と続いた
パルマローザおよび
食コーチングプログラムス主催の
セミナー、「食ジム」と、
マジメというよりも、
華やかな年初めとなった。
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「食」や「健康」を支えるとはどういうことか、
「用字用語」というものが、
生活に、そして人生にどんな意味を持つのか、
それらを考えるセミナーは、
お勉強ではなく、
けっきょくは、自分の生き方、
人の生かし方がテーマだから、
実利的であり、動機づけである。
やはり「華やか」「きらびやか」と
形容してもいいように思う。
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セミナーの4日前の1月6日の朝刊に
斎藤 孝氏の『語彙力こそが教養である』
という本の広告が載っていた。
10日の、「人生をクリエイトする『用字用語
適材適所に使いこなす。」の講義のときに、
この話題から入ったが、
すでに、入手ずみの人がいた。
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しかも、遠方に住む父上が購入して、
結婚し、いまは東京に住む娘に送ってくれた
というのだから、ジーンとくる。

斎藤氏の著書と、私の講義内容とは、
切り口が違うが、
いわば登山ルートの問題。
南コースから登るか、
東コースから登るか、
程度の違いであろう。
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当日のアンケートの中には、
「年賀状にも用字用語があること、
「その文章表現力の貧弱さ、
などに触れていたことが参考になった」

「文章の構成や箇条書きをするとき、
数字の書き方にも
ランクづけの原則があることを学んだ」
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「忙しい状況を説明するのに
『バタバタしている』と表現をするのは、
陳腐であること、
そもそも、
自分の忙しさを説明したり、
あるいは落ち着きない生活ぶりを
手垢のついたコトバで表現したりするのは
恥ずかしいことだと知った」
などの感想があった。

これらのセミナーでは、
コトバの意味、適切な使い方などについて
学んだわけだが、
コトバを新しく自分のものにする、
ということと、
いまはやりの、モノを捨てて、
シンプルになるというライフスタイルとを
対照的に考えてみたくなった。

『読売新聞』は、
「ワカモノミクス」というシリーズを
連載中だが、1月12日の第8回では、
「モノ減らし 暮らし充実」という見出しで、
「ミニマリスト」の事例を取りあげている。
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➀スーツケースに入る範囲しか
 服を持たないという29歳の男性、
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②モノを買うのをやめて、
 その費用を山登りや自転車のツーリング、
 美術館巡りや海外旅行など、
 余暇活動に充てている21歳の男性、
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③新築中の家をストップして、
 夫婦で狭いアパートに引っ越した27歳の女性、

などが紹介されている。

人生という山に登り始めたばかりの者には、
いろいろの試行錯誤が必要だろうから、
シンプル志向にも意味はあるだろう。

そうした行動には、
脳科学的、動物行動学的な関心が向く。
昔は、食欲、性欲、物欲、交際欲を捨てて、
山奥で隠遁生活をする人を「仙人」といった。
それに近いことを、いまは若い世代の人がする。
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しかし、完全な「世捨て人」ではない。
知的好奇心は多少は残っている。
美術館巡りやツーリングには、
まだ情報収集のモチベーションが感じられる。

いま、はやりの考え方では、
「トキメキ」のないものは捨てるという。
②の男性は、本を1000冊捨てたという。
私には蔵書を1000冊捨てる勇気はない。
1000冊ともなれば、
辞書も何冊かは入ってくるだろう。
私が新聞記者なら、
捨てた本の書名……はムリとしても、
傾向くらいは聞いておいただろう。
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より狭いアパートに引っ越した夫婦には、
子どもなどという、
「余分なもの」(?)は想定外なのだろうか。

モノを単なる物質と見るのは、
消費文化に浸かった者の感覚なのか。
モノが「トキメク」かどうかは、
その物理的存在ではなく、
その記号性にあるのではないか。

「母から成人式のときにもらった着物」
「結婚したときに買った圧力鍋」
「海外旅行先で見つけたペーパーナイフ」
などなどは、実用性は失っても、
記号性(思い出)は残る。
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それらにトキメキを感じなくなったから捨てる、
という反応は、
ワンタッチで「オン」「オフ」を決定する
デジタル文明への適応なのか、
よくある、若者の社会性獲得への定番コースなのか、
それらの考察は人間学のテーマとなる。

もっとも、「仙人」生活の目的には、
不老・不死の願いがあったらしいから、
見かけよりもずっとナマ臭い
モチベーションのようである。
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昔も今も、
若者の一部には、
社会の一員となる前に、
それに背を向けようとする傾向がある。
バンカラ、ヒッピーなどには、
これから社会の一員として
組み込まれることへの反発、
子ども期の最後の抵抗のような心理があった。
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1950年代から1960年代にかけて、
アメリカを嫌い、
自国政府を嫌った若者はどうなったか。
大半は、ごくごくフツーの社会人に
なっているのだろうが、
その当時の心情は残っているせいか、
アメリカ嫌い、政府嫌いを商品化する新聞が
日本を代表する新聞として
立派に商売を続けている。
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かつて、
「海が大好きで、海辺に住みたい」と
言って南の島に向かった若者7人の
その後を追いかけたことがある。
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7人が7人、全員が海から離れ、
ラーメン屋の奥さんになったり、
道路工事の労働者になったりしていた。
あえていえば、1人だけが、
装身具屋を開業して、
貝細工のアクセサリーなども扱っていた。
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私の見るところ、
認知症やうつ病などの心の病(正しくは脳の病)は、
多様性の不足や未活用によって
助長されるところが多い。
このことは、新春セミナーでも申しあげた。

どんなに知的な仕事でも、
たとえば文筆家、研究者、政治家でも、
それだけにしか頭を使っていないと、
脳は錆びてくる。
ノーベル賞は、
認知症防止のお墨つきではない。
脳は、本人が思っている以上に、
多様性に対する欲求と、キャパがある。
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明朝のみそ汁の具はどうするか、
豆腐と長ねぎを合わせるか、
夕べの残りの春菊にするか。

きょうの晩酌は日本酒にするか、
ビールにするか。

バス事故の近因、遠因はなにか。

原発は、存続すべきか、
漸次廃炉にすべきか。
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あしたのバレーボールの試合のために、
きょうのジョギングはどれくらいにするか、
競技場までのウエアはどうする。

職場のパワハラ課長とどう戦うか。

自転車によるツーリングに
どういう意味があるのか、
その体験をどうするのか、
単なる回数の勝負なのか、
自然に近づくとは、どういう意味なのか。
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こういう事例の列挙のとき、
読点はどうするか、
句点はどうするか、
1ブロックずつ1行アキにするか、
追い込むか、などなど。

モノを捨てること、
本を捨てること、
人間関係をシンプルにすることは、
あしたからの人生に関する情報の多様性、
脳の思考活動の多様性を
減らすことにほかならない。
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そういう人の人生が
どう展開するのか、
ヘルスコミュニケーション論の点でも、
ライフデザイン論の点でも
格好のテーマになるだろう。

ヒトの生活は、
多様性を求める力学と、
単純さを求める力学とが、
同時進行的に働くものである。
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その点では、物理学的な活動ともいえる。
遠心力と向心力(求心力)。
ふくらはぎをさすると健康になる、
親指を動かすと脳が若返る、
塩分を押さえると健康寿命の延伸にプラス、
などの単純化は、
これまでにもあったし、
これからも続く。
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こうした反比例概念を
仕分けることこそ、
脳がもっとも好む活動である。
もっとも、仕分けることを怠る人も多い。
「動物」とはいえ、
動かないことを好むのも動物である。

by rocky-road | 2016-01-17 18:42  

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