『二人の海』の江ノ島、ぶら歩き。

2016年の「海と島の旅」、
および「ぶらカメラ in 江ノ島~鎌倉」は
1月2日から始まった。
今回はパルマローザの新春企画。
江ノ島へ行くのは10年ぶりくらいだろうか。
神奈川県藤沢市にある観光地である。

かつては、海水浴場としてお世話になったが、
ここ20数年以降は
撮影やぶら歩きになった。
つまりは今年のパターンである。

以前の、まだ海の野性が感じられた江ノ島も
すっかり観光地化した。
それは困ったことではなく、
人々のニーズを救いあげたということだろう。
世界中、どこも同じだと思うが、
大衆は、自分で遊びを見つけるのは苦手だから、
つねに遊びを提供してくれることを求める。
それはありがたいことである。

江ノ島の海に入った最後は
クラブのスノーケリングツアーだった。
スノーケリングクラブの仲間には、
「xツアー」として集合地だけ伝え、
江ノ島に行った。
もともと江ノ島は
ダイビングやスノーケリングの適地とは
考えられていなかったから、
最初から目的地を示せば、
みんなが乗ってこないからである。



しかし、当時は水があれば、
湖でも池でも川でも潜ってみたと思っていたし、
新しいダイビングスポットを
探す意欲、というより衝動があった。


初江ノ島潜りの日は、
あいにく台風直後で海は荒れていて
仲間からは不評を買った。
それでも、伊豆で見られる魚、
カワハギ、キタマクラ、オヤピッチャなどを、
濁った海の中で見ることができた。
期待していなかったから、
むしろ海は豊かに感じられた。
今回、
真夏の江ノ島片瀬海岸の
混雑ぶりの話が出たので、
そのころの写真がないかと考えていたら、
映画として残っているのを思い出した。
それがあったからといって、
どうということもないが、
話のついでに、
少しだけ触れておこう。




映画は『二人の海』というタイトル。
私が属していた東京潜泳会の
創立10周年を記念して作った、
20分ちょっとの短編劇映画である。
1974年のころである。

ファーストシーンで
片瀬江ノ島海岸が映る。
こんなストーリーである。

伸子がその日、友達と海水浴に来る。
あまりにも人が多いので、
1人、少し離れた岩場で泳ぐ。
が、途中で足がつって溺れかかる。

と、海中からダイバー2人、
この男たちが助ける。
そして、伸子はスノーケリングを習い、
以後、スノーケラーになり、
かつ、助けた武夫と交際を。
ときに2人、
ときに3人での海への旅が始まる。


しかし、ある日、
男2人が潜水中に1人が
モーターボートにぷつかられて死ぬ。
海面が真っ赤に染まるシーンは
いま見ても悲惨。

これがきっかけで、
武夫は海から遠ざかる。
そして、欝々とした日々を。
伸子は企てる。
武夫に黙って、
いつか行った伊豆の海へ。
留守のところへ武夫から電話。
母親が、海へ行って不在と告げる。

武夫はピンときて、
1人彼女を追ってあの海へ。
やはり、彼女はそこに来ていた。
彼女が1人、スノーケリングをする海に
武夫は崖の上から飛び込んで近づく。
2人の海は戻ってきた。
ビーチを歩く2人、
映画はここで「終わり」

さて、最近の、
新年早々の近代化した江ノ島風景を
数点、あげておこう。












by rocky-road | 2016-01-08 13:37