長寿国にとってのお正月。
NHKの「ラジオ深夜便」などで、
世界各地の年末年始の事情を
伝えるレポートを聞いていると、
日本のように新年を3~7日かけて祝う国は
むしろ、よほど特異で、
多くの国は1月2日から
仕事を始めるという。
むしろメインはクリスマスであって、
それが年始まで続く、という国も少なくない。
人生いろいろ、世界もいろいろ
ということに尽きるが、
年が変わるごとに、
気分や生活習慣を更新するという風習は、
それなりの意義はある。
年末までに仕事を終える、
仕事を納品する、
借金を取り立てる、返済する、
腐れ縁を解消する、
読みかけの本を読み終える……
などと始末をして、
新しい年へのモチベーションを高め、
気分を一新する。
この年中行事が、
日本人のやる気と若さを支えるていることは
世界の長寿国ランキングと
関係づけて考えれば、ある程度納得できる。
こういう論法は、
「ならば、長寿国は、みな正月を祝うのか」
と問いかけられると論拠を失う。
イスラエルは? シンガポールは?
アイスランドは? イタリアは?
スイスは? スペインは?
が、ひるんではいけない。
「それが一面であることはわかっている。
しかし、年ごとに気分を更新し、
意欲を高めるライフスタイルが、
日本を世界一の長寿国であることに
マイナスにではなく、
プラスに働いている、
と言ってもいいのではないか」
と、仮説を立てれば、
とりあえずは急場をしのげる。
さらに言えば、
「長寿国というのは、
かならずしも経済的に豊かな国とは言えない。
言い換えれば、長寿はお金では変えないのだ。
もちろん、医療や食生活は大きいが、
もっと大事なのは生きる意欲ではなかろうか」
日記を書き始める人がいる。
手帳を更新する人がいる。
年賀状から交流を始める人、
交流を復活させる人がいる。
新調した服や靴をつけ始める人がいる。
ダイエットを始める人がいる。
ダイエットをやめる人がいる。
人に対してより寛容になろうと誓う人がいる。
もっと色っぽくなろうと、
鏡の自分と語り合う人がいる。
思慮深い人になろうと、
グラグラする心に念ずる人がいる。
仕事に関するスキルアップをしようと、
年間スケジュールを見直す人がいる……。
ここで大事なのは、
そうした想念やアイディアを、
顕在化することである。
つまり、紙に書いて、
いつでも、どこでも目に触れるところに
置くことである。
電気のスイッチを入れないと見られない、
というシステムは、
この場合、ベストとは言えない。
正月のインターバルは、
ゆっくり過ごすことである。
蓄電池は思い切り放電してからのほうが、
充電率が高くなるという。
遊ばない人間は、
仕事への意欲率が高まらない。
遊んで遊んで遊びまくると、
その空白を埋めようと、意欲が高くなる。
正月はライフスタイルの更新のチャンス。
年が明けたら、ピシッとしよう。
配達された年賀状を
郵便ポストに取りに行くときにも、
身だしなみをととのえて。
年賀状の文面に、
どれだけの手書き部分があるかを
チェックしてみよう。
句読点の有無をチェックしてみよう。
「更新」とは、
小さな小さな最初の一歩を
見直すことから始まる。
by rocky-road | 2014-12-31 21:36