トラ、トラ、ネズミ……。

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(「トラトラトラ」は1941年12月、
日本海軍機動部隊が、ハワイ真珠湾奇襲攻撃に
成功したことを自軍に連絡した暗号電報)
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ハワイの海の中を初めてのぞいた。
スノーケリング歴50年目にしての体験である。
ダイバーにとって、またはスノーケラーにとって、
ハワイは憧れのダイビングスポットではなかった。
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私の記憶が正しければ、
ダイビング雑誌でハワイ特集を見たことがない。
ベテランになるほど、
「ハワイで潜った」とは言いにくくなる、
そういう雰囲気があったかもしれない。
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モルディブとかパラオとか、
フィリピンとかインドネシアとか、
そして沖縄とか伊豆七島とか、
魅力的なダイビングスポットがあまりにも多く、
とてもハワイになんかかかわっていられない、
ということかもしれない。
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決定的なのは、
ハワイはあまりにも観光地としてメジャーになり過ぎ、
ダイバー好みではなかったということになろう。
ダイビングスポットというのは、
自然に囲まれている、ということが
かなり優先度の高い条件になるようである。
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今度、海をのぞいた2つのスポットから類推して
ほかにも不人気理由がありそうな気がした。
その1つは、真夏でも意外に水が冷たいこと(23度前後か)、
2つめは、ベタなぎ状態でも、
波が曲者で、押しも引きも強い。
ビーチで寝転んでいると、押し波、引き波に持って行かれる。
これはビーチエントリーにはふさわしくない。
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第3に、スポットの開発があまり進んでいない。
そんなことをしなくても、
海にはあまりにも「売り」が多い。
サーフィン、クルージング、フィッシング、パラセーリング、
そして、体験のない人向けのダイビングやスノーケリング。
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ダイビングやスノーケリングに関していえば、
日本人のそれはいかにもマジメ、つまり本格化したがる。
泳力を試し、レクチャーを重ね、
器材をそろえ、そこでようやく海へ……となる。
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だというのに、ハワイでは、
スノーケルを使ったこともないような一般客に、
浮き輪や浮力の弱いスポンジの棒を渡し、
深い海に入れてしまう。
長年、それでやってきたのだから、
事故はないのだろう。
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性善説・性悪説的な対比法に従えば
アメリカ人は「性強説」--人はみな自己管理ができ、
ピンチにも適切に対処しうると考えている。
これに対して日本人は「性弱説」--
人はみな弱く、最悪のことを考えておかないと
パニックを起こしたり、人に迷惑をかけたりする。
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ホテルの高層階のベランダの手すりの低さ、
ハイウエーのセンターラインのあいまいさ、
道路の崖ぶちにガードレールを設けないおおらかさ、
それらはまさしく
アメリカ人の「性強説」の現われではあるまいか。
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マウイ島やオワフ島のビーチを見ていて、
潜ってみたいところをいくつも見つけた。
昭和40年代、よいダイビングスポットを求めて、
伊豆半島のあちこちを潜って歩いたが、
あのころを思い出した。
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ダイビングやスノーケリングに関しては、
そろそろ晩年かとも思っていたが、
ハワイの海を見ていて、
もう一度、あの40年代をやってみたいと思った。
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と同時に、ハワイを甘く見ていた自分を戒めた。
久々の水中撮影(2年ぶり)だというのに、
家でウオーミングアップをしてこなかった怠慢、
フィルム3本分を潜ろうと、
決めていた欲のなさなどに腹がたった。
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昔は、部屋にミニチュアの魚などを置いて、
フィルムを入れないカメラで
何回もシャッターを切ってコツをからだに覚え込ませた。
浴槽に水を張ってカメラテストなどもやった。
池にカメラを入れて鯉や亀の写真を撮ったりした。
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ここ何十年か、そういう基本を忘れていた。
といって、ハワイでは、
「釣り落とした魚は大きかった」ほどの
残念な場面があったわけではない。
ただ、もっとうまく撮れたはず、
というショットはたくさんあった。
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いやそれ以前に、
本当にハワイを攻めよう、というモチベーション自体に
不足があった。
海は、そのつど、違った表情を見せる。
そう信じているのならば、
なぜにもっと情報を集めなかったのか。
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ダイビング雑誌の編集にもかかわってきたが、
ハワイのことを知らな過ぎた。
これでは真珠湾攻撃はとてもできない。
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仕事であれ、趣味的な技術や知識であれ、
そして、生きること自体、
「これでよい」はない。
「もう充分やったから」は、
達観というよりも、
モチベーションを失った人間の自分への説明だろう。
そうならないためには「現場」に身を置くことだろうか。
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by rocky-road | 2013-07-09 22:58  

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