3歩進んで5歩戻る。

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厚生労働省が、
「健康な食事」のあり方を考える検討会を発足させた、
というニュースに接した。
「長生きするための食事」について、
わかりやすい基準を作るのが目的だという。
検討会のメンバーには、「ローソン」の部長や、
「つきぢ田村」の社長、
「タニタ」の管理栄養士などが入っており、
座長は中村丁次氏だという。
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この記事を読んで、
「長生きするための食事」は、
またもや新聞記事のフライングだと思ったら、
そうでもないらしい。
厚生労働省も、ホンキでそう思っているらしい。
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この情報に接して、いろいろのことが頭に浮かんだ。
それをあげておく意味はあるだろう。
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1.数年前に旗揚げした「食事バランスガイド」は、
  けっきょく看板を下ろすことになった、ということ。
  この施策は失敗だった、
  それを認めたという点では歓迎したい。
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2.時代は、なんとゆるやかに進むのだろう、
  ということ。3歩進んで5歩戻る、
  そういうことの繰り返し、それが文化であり、
  文明というものだろう。
  「なにを、どれだけ食べるか」という食の地図は、
  数十年前に、いくつかが示されているのに、
  歴代の施策者には、それを活用する気がまったくない。
  またまた新規まき直しである。
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3.近年の国家行政は、
  しっかりジャーナリスティックになってきている、
  ということ。
  中身よりもウケ狙いの人選をしがち、としか言いようがない。
  話題性や知名度優先になり、軽い内容になる。
  こんなところで「ジャーナリスティック」といったら、
  ホンモノのジャーナリストは怒るだろう。
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  たとえば座談会の人選。
  意表を突くような分野から、知名度よりも
  一級品を選んでくるとおもしろくなる。
  その人選をする人物も、もちろん一流である必要はあるが。
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  アメリカのマサチューセッツ工科大学にある
  「メディアラボ」のように、
  なぜもっと他分野から人を集めないのだろう。
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  食の専門家と称する人間だけの議論など、
  方向性はやる前からわかっている。
  健康科学、人間学、生物学、社会学、認知科学などの分野から
  人選しようとしない日本の「健康プロジェクト」は、
  またしても5歩戻ろうとしている。
  疑うなら、2~3年、ウォッチしてみるとよい。
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4.「長生き」いや、「健康寿命」は、
  食事だけで延ばせるのか。
  こういう言い方も、
  度が過ぎると一種のフードファディズムになる。
  「長生き」などといわずに、
  「健康を支える食事」くらいでいい。
  食事に過剰な期待を寄せることは、
  食事の尊さを維持するためにも適当ではない。
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 世の栄養士、健康支援者は肝に銘じておきたい。
 寿命は、食事だけでは、延ばすことは不可能、と。
  
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by rocky-road | 2013-06-27 19:48  

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