世の中は3日見ぬ間の桜かな。
東京はいっせいに桜が開花したというのに、
21日、22日の2日間、当方は鬱々と過ごした。
パルマローザ主催のセミナー、
輪読会「新聞を読み込む」のために用意した資料が
コピーできないという現実に直面したからである。
長い間、新聞をコピーするには、
コンビニの「ローソン」に設置してあるコピー機しかない
ということをリサーチ済みだったので、
長らくお世話になってきた。
新聞や雑誌の用紙は黄ばんだ紙質なので、
一般的なコピー機だと、そのくすみを黒く転写してしまう。
ローソンに設置してあるキャノンのコピー機には
新聞やグラフをとるためのモードがあって、
それを使うと紙は真っ白、文字は黒々とすっきりととれる。
セミナーのテキストに、
新聞や雑誌の記事を引用することが多いので、
このモードは欠かせないものとなっていた。
24日のセミナーに備えて、
いつもにも増して多くの新聞をスクラップして、
ローソンに出向いたところ、
機械が替わっていた。
もちろん、モードをチェックしたが、
新聞は他機種と同様、黒ずんでしまう。
新機種にしていないローソンもあるはずと読んで、
ローソンを訪ねて3,000軒(???!!!)
が、どこも同じ機種に交換されている。
万事休すで、ローソン本社に電話をしたら、
3月中に全国一斉に設置変更になるという。
ならばキャノンのコピー機部門で
そのほかの設置場所を聞こうと思ったが、
どのセクションも「わからない」の一点張り。
わかったのは、キャノン系の応対がひどく無愛想なこと。
こうなれば妥協して、黒ずんでしまう新聞コピーを
テキストにしてしまえばいいのだが、
コピーのグレードの劣化を受け入れることはできない。
それが鬱々の2日間となった。
文明の進展とは、一方でニーズの弱くなってきた要素を
捨てていくことをも意味する。
そんな経験をいやというほどしてきた。
8ミリフィルム時代には、
編集ののとき、映像のカット替わりを
1コマ、2コマの単位で細かく操作することができた。
録音テープ時代には、楽曲のうち、覚えたい小節部分を
何回分でもダビングすることができた。
デジタル時代には、こういう小細工ができなくなった。
コピー機の場合、
そもそも新聞をコピーする人が減ったどころか
新聞を購読する人のほうが減ったのだから、
それをコピーするモードが不要になるのは当然である。
しかし、以前とったコピーの劣化が進むので、
いまのうちにリコピーしておく必要があり、
ここにも鮮明なコピーが求められる。
30年以上昔のコピーともなると、
日々薄れていく。
どこのコピー機とはいわないが、
「これらのアフターサービスはどうなっているのだ」
と言いたくもなる。
それやこれやもあって、どうしても諦めきれずにいたら、
以前、何回か利用したことがあるコピー屋さんのことを思いついた。
直感が当たって、そこには新聞がきれいにとれるコピー機があった。
値段も変わらず、しかも縮小・拡大の操作も
いっさい任せてしまうシステム。
自分で操作するほどの自由は利かないが、
かなりていねいにやってくれる。
あちこちのセミナーで、
「新聞をコピーするならローソンで」と勧めてきたが、
以上の理由で、今後はそうもいかなくなった、
そのことをご報告しておきたい。
セミナーなどで配布するテキストは、
主催者または講師の商品の一部だから、
手を抜かないこと。
全日本的なコピー事情には詳しくないが、
それぞれに対策を立てていただく必要がありそうだ。
by rocky-road | 2013-03-26 22:24