バッグは「生きざま」を運ぶ?

バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19125773.jpg

春は花の季節、花粉症や黄砂の季節、
衣替えの季節、そしてバッグの季節……、
ということに、いまさらながら気がついた。
街を歩いていて、バッグ屋さんに活気を感じたからである。

「そうか、コートなどを脱いで身軽になると、
歩行範囲が広がるし、バッグが目立つようにもなるし、
買い物衝動も強くなるし……」
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19141237.jpg

こんなこと、バッグ関係者にとっては
イロハの「イ」ほどの常識なのだと思うが、
門外漢の無知は、悲しいかな、そんなことにも気づかず、
長年、のほほんと生きてきて、
いま深くそれを感じているしだいである。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19142641.jpg

とはいえ、ダイビング雑誌に連載をしていた頃は、
ダイビングバッグ論やサブバッグ論を何回か書いた。
忘れ物を防ぐための詰め方、宅送の方法、
海外旅行のときの機材の収納の仕方など。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_1915435.jpg

では、陸上の、いや一般社会人のバッグ論は
どうなっているのだろう。
部外者の印象からすると、
真にユーザー向けの情報は少ないように思える。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19153095.jpg

その理由は、モノ専門誌も含めて、
マスメディアがモノの供給側を取材するからである。
この図式では、モノ供給者側の情報が圧倒的に多くなる。
「素材の生地にこだわった」
「余計な装飾を排除した」
「120年の伝統がある」
「イタリア職人の技術が最大限に活かされている」などと、
ユーザーが本当に知りたいこととは少しズレたところで
記事がまとめられてゆく。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19171470.jpg

本当は、消費者代表のような人に取材をすればよいのだが、
そういう人を見つけ出すことはできない。
社会人のほとんどはバッグ歴を持っているから、
それなりの意見は持っているはず……
と思うのはシロウトの浅はかさ。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19173425.jpg

普段、無意識に使っているあれやこれやについて、
有効な意見を述べられる人など、
10万人に1人いればいいくらい。
そんな人に出会う確率はあまりにも低い。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19174522.jpg

こういう場合の穴を埋めるのが評論家である。
が、日本人は評論が好きではないから、評論家が育たない。
そもそもニーズがないのである。
「映画評論家」や「服飾評論家」などの肩書は聞くが、
おもな仕事は解説者であり、ガイドである。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19181580.jpg

「解説者」さえも、ちゃんと仕事をしているのだろうか、
と思うことがしばしばある。
スポーツの国際試合の解説者などは、
解説そっちのけで「いですよ、いいですよ」式の
歯切れの悪い応援団になってしまうのである。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19182674.jpg

そういうわけで、
「日本アカデミー賞評論家」も「バッグ評論家」もいない。
(日本アカデミー賞評論家は、受賞者のヘタクソな
ド素人コメントや、食事のマナーなどについて評論する人)
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19185092.jpg

バッグを買う人は、
メディアのバッグ論を見るとき、10分の1程度参考にすればいい。
少なくとも機能性については、自分で考えることである。
「機能性」とは、使い勝手。それは人それぞれに違う。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19194766.jpg

右利きか左利きか、体型は太めか細めか、
いま求めているバッグは仕事用か、街歩き用か、旅行用か。
バッグの材質は、入れたものを保護し得るだけの厚みがあるか、
書類や本のサイズと分量は? ケイタイ機器のサイズは?
そのときに着る服のバリエーションは?
コートを着ているときに合わせたバッグ、
コートを脱いだときの服装ともコーディネートできているか。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_1920060.jpg

外ポーケットはついているか、その大きさは、
財布は入れやすいか、肩掛けのベルトは必要か不要か、
ファスナーの開閉はスムースか、ボタンの場合、磁石式か、
ポリエステルの衣服にキズをつける可能性のある
マジックテープが使われていないか、
などなどを本物の「バッグ評論家」となってチェックする必要がある。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19201586.jpg

機能性とブランドステータスとはまつたく関係ない。
その点は妥協はしないこと。
(使いにくいけどブランド……も〝あり〟だが)
イギリス諜報機関所属の007氏のバッグは、
ときに拳銃が隠されていたり、
催涙スプレーが装填されていたりする。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19205959.jpg

バッグがおしゃれグッズであることはいうまでもないが、
人生を歩くための、
それ相当のモチベーションを入れて歩くものであることを
忘れてはいけないし、
バッグの数だけ、自分の「場」があることも軽くは考えたくはない。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19211261.jpg

こういう視点は、モノ専門誌やおしゃれ雑誌、
バッグメーカーにはない。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_22154960.jpg

もっとも、いくらバッグを周到に用意しても、
外出から始まる、あれやこれやのストーリーを想定できない人には
宝の持ち腐れになることは、覚悟する必要があるだろう。
バッグは「生きざま」を運ぶ?_b0141773_19214167.jpg

by rocky-road | 2013-03-09 22:53  

<< 管理栄養士が、やっちまった!!! 海から見えた中華街の風景。 >>