「健康」が見える人、見せる人になる。

新年のブログスタートが遅れた。
特別の理由はないが、予定より遅れた。
ここから、2013年のブログを始めたい。

新年は、1月6日のパルマローザ 新春セミナー、
「『健康をカタチにする』ための
21のアクションプラン」から始まった。

一般論として、「自分は健康だと過信してはいけない、
定期的に医療検査を受けて、異状があれば早く治療することがたいせつ」
といわれる。これが社会通念となって久しい。
いわゆる「早期発見・早期治療」である。
しかし、しばらくたつと反論が出るのが世の常で、
人によっては「無理やり病気を見つけ出すことはない、
早く見つけた病気を完全に治療できるのならともかく……」などという。

早期発見・早期治療のタイミングや方法について
多少のニュアンスに差はあるにしても、
目には見えない体内環境を、
医学的にチェックすることを否定する人はいないだろう。
それはすでに日本人の常識となったといえる。
医学的水準の高い日本だからこその誇らしい常識だが、
それを金科玉条とするあまり、
今度は、機器を使わずとも、人間力で見ることができる健康をも
見ることに不熱心になる、という反動も生まれた。

ウオーキングの習慣、トレーニングジムに通う習慣などは、
だれの目にも見える「健康のカタチ」だが、
著しい無表情、配慮のない身だしなみ、
歩道を暴走する自転車、肉筆がまったくない年賀状などは
すぐに目につく「不健康のカタチ」である。

「食コーチング」が提案する「健康のカタチ」を
私なりにリストアップしてみようと考えて、
新春セミナーのテーマにした。
21項目をリストアップするために、2か月前から準備を始めたが、
21項目に絞り込むのに時間がかかった。

単にあげるだけなら、「くしゃみの健康度」「テレビ番組の選び方の健康度」
「パソコンとの向き合い方の健康度」「食器洗いの健康度」など、
時間さえあれば2万でも20万でもあげられるが、
優先順序の高いものを選ぶのには、そこそこの思考がいる。

終わってみれば、
「これも入れたかった」「あれを落とした」というものが、
頭に浮かんだ。ロッコム文章・編集塾生の三上さと美さんが、
以前、提出した短文の中で、観戦したサッカー試合を評して
「ヘルシーな試合だった」と表現しているのを読んでシビレたことがある。
21のリストに入れないまでも、エピソードとして紹介したかった。
ランクに入れるべきだと思ったのは、
「スケジュールの立て方の健康度」である。
「健康のカタチ」には、心の目で見るものも少なくない。
人生設計などは、視覚では見えないが、
心の目を鍛えれば視力はどんどん上がる。

人の健康は、きょうの午後の予定、あしたの予定、
週末の予定、1年後、10年後の予定の立て方によって
左右されるところが大きい。
だから、「健康な予定」「不健康な予定」について分析したかった。
それを影山なお子さんに話したら、
「いずれ第2弾を考えては……」といっていただいたので、
後悔の念はうすれた。
このセミナーの後日談を1つ。
このセミナーに出席できなかった塾生の1人に、
その21項目を見せて概略を話したら、
「服装の健康度」のところで大きく共感された。

彼女の義母は、孫(女児)のために
衣服をしばしば送ってくれる人なのだそうだが、
去年のある時期から、送ってくれるベビー服の色が、
カラフルなものから灰色のものへと変わってきた。
「おかしい」と思っていたところ、
この正月、義母が心の病を発症していたことがわかった。
心の病は、孫に送る衣服の色を地味なものに変えるという症状(?)を
発現させる場合もある、ということかもしれない、と彼女は語る。
健康支援者のスキルとして、
クライアントには見えていない健康のカタチを、
見えるカタチにしてクライアントに提示することは、
職業的スキルとして、小さくないポイントになるだろう。

表情や衣服のように、視覚や視力が絶対的にモノをいう場合もあるが、
「感覚の健康度」「思想の健康度」などは、
コトバのトング(食品をつかむピンセット状の器具)でつかみ出して、
「健康のカタチ化」するしかない。
理系であろうとなかろうと、もともと目には見えない「健康」を、
カタチとしてとらえようと思ったら、
コトバのトングを各種用意する必要がある、ということだろう。
by rocky-road | 2013-01-12 23:40