ラハイナ、マイナス補正の旅
11月7日から13日まで、
ハワイのマウイ島で過ごしてきた。
以前、「男は旅ができない」とだれかが書いているのを読んだ。
「ゴルフに行く」「潜りに行く」「銘木を撮りに行く」ことはあるが、
旅そのものを目的にはしない……と。
おっしゃるとおり、と当時は思った。
が、いま、改めて考えてみると、
それは目的意識を口にする頻度が、
当時は(1980年代)男性のほうが高かった、
というだけのことではないかと思う。
男は、よくいえば計画的、悪くいえば状況への適応力が弱い、
それだけのことではないか。
ともあれ、今度の旅は目的意識を低く保つことができる旅だった。
平たくいえば、旅そのものを楽しんだ。
西マウイにあるパパケアリゾートという
コンドミニアムタイプのホテルでゆったりと過ごした。
そのせいか、ふだんはなかなか手が回らない花々にも
ゆっくりレンズを向けることができた。
写真をパソコンに取り込んでいたら、
今回はマイナス補正をする被写体が多かったことに気がついた。
花は、チョウチョウの目線で撮るとき、
2つの点で露出をマイナスにする必要がある。
1つめは、グリーンの葉に囲まれた花は、背景より明るいこと。
2つめは、多くの花は蛍光発色をして昆虫や鳥の目をひこうとしていること。
したたかな戦略である。
ピンクジンジャーはマイナス0.3、
レッドジンジャーはマイナス0.7に補正した。
それでもレッドジンジャーは、ややオーバー気味。
やっかいな花だ。
夜中に強い雨があり、たくさんのプルメリアが落ちた。
それを集めて、画面いっばいに広がるように撮ってみた。
もちろんマイナス0.7のマイナス補正。
虹も、マイナス補正をする必要があることが多い。
虹が出る空は黒っぽい雲に覆われている。
そこにかかる虹の橋は、そこだけが明るいので、
少し補正する。ちなみにISOは100に。
暗く感じでも、ISO400は避けたほうがよい。
虹色が出にくいから。
夕陽も同様。
影になっている雲の向こうにある残光は、
そこだけが明るいので、少し光を押さえないと(マイナス補正をしないと)
ハレーション気味になり、赤みが出ない。
最後に、苦心した1点をご披露しよう。
去年、昔の捕鯨船の基地・ラハイナの街で、
少年が肖像画家のモデルになっていた。
夜で、そこだけが明るい。
補正をしたが、少年の肌色があまりにも白いので
ハレーション気味になった。
今回は、そこに少女が座っているではないか。
去年の失敗を繰り返さないように落ち着いて構えた。
何カットか撮っていたら、少女があくびをした。
構図には問題はあるが、
おもしろいスナップショットが撮れた。
ちなみに、ラハイナは芸術的なショッピングができる、
なかなか知的な街である。
by rocky-road | 2009-11-14 22:27