ラハイナ、マイナス補正の旅

ラハイナ、マイナス補正の旅_b0141773_22221134.jpg

11月7日から13日まで、
ハワイのマウイ島で過ごしてきた。
以前、「男は旅ができない」とだれかが書いているのを読んだ。
「ゴルフに行く」「潜りに行く」「銘木を撮りに行く」ことはあるが、
旅そのものを目的にはしない……と。
おっしゃるとおり、と当時は思った。

が、いま、改めて考えてみると、
それは目的意識を口にする頻度が、
当時は(1980年代)男性のほうが高かった、
というだけのことではないかと思う。
男は、よくいえば計画的、悪くいえば状況への適応力が弱い、
それだけのことではないか。
ラハイナ、マイナス補正の旅_b0141773_2223918.jpg

ともあれ、今度の旅は目的意識を低く保つことができる旅だった。
平たくいえば、旅そのものを楽しんだ。
西マウイにあるパパケアリゾートという
コンドミニアムタイプのホテルでゆったりと過ごした。
そのせいか、ふだんはなかなか手が回らない花々にも
ゆっくりレンズを向けることができた。

写真をパソコンに取り込んでいたら、
今回はマイナス補正をする被写体が多かったことに気がついた。
花は、チョウチョウの目線で撮るとき、
2つの点で露出をマイナスにする必要がある。
1つめは、グリーンの葉に囲まれた花は、背景より明るいこと。
2つめは、多くの花は蛍光発色をして昆虫や鳥の目をひこうとしていること。
したたかな戦略である。
ラハイナ、マイナス補正の旅_b0141773_22233127.jpg

ピンクジンジャーはマイナス0.3、
レッドジンジャーはマイナス0.7に補正した。
それでもレッドジンジャーは、ややオーバー気味。
やっかいな花だ。

夜中に強い雨があり、たくさんのプルメリアが落ちた。
それを集めて、画面いっばいに広がるように撮ってみた。
もちろんマイナス0.7のマイナス補正。
ラハイナ、マイナス補正の旅_b0141773_2224106.jpg

虹も、マイナス補正をする必要があることが多い。
虹が出る空は黒っぽい雲に覆われている。
そこにかかる虹の橋は、そこだけが明るいので、
少し補正する。ちなみにISOは100に。
暗く感じでも、ISO400は避けたほうがよい。
虹色が出にくいから。

夕陽も同様。
影になっている雲の向こうにある残光は、
そこだけが明るいので、少し光を押さえないと(マイナス補正をしないと)
ハレーション気味になり、赤みが出ない。
ラハイナ、マイナス補正の旅_b0141773_22254437.jpg

最後に、苦心した1点をご披露しよう。
去年、昔の捕鯨船の基地・ラハイナの街で、
少年が肖像画家のモデルになっていた。
夜で、そこだけが明るい。
補正をしたが、少年の肌色があまりにも白いので
ハレーション気味になった。

今回は、そこに少女が座っているではないか。
去年の失敗を繰り返さないように落ち着いて構えた。
何カットか撮っていたら、少女があくびをした。
構図には問題はあるが、
おもしろいスナップショットが撮れた。
ラハイナ、マイナス補正の旅_b0141773_22261030.jpg

ちなみに、ラハイナは芸術的なショッピングができる、
なかなか知的な街である。

by rocky-road | 2009-11-14 22:27  

<< 心の味わい ホメオスタシスの真実は? >>