合宿コミュニケーションの意味
パルマローザの年2回の合宿に、
今年もお招きいただいた。
今回は、栄養士をはじめ健康支援者に
リーダーシップ論をお話しする。
リーダーといえばグループリーダーを指すのが一般だが、
食事相談のように対面してクライアントをサポートするのも、
「リード」にほかならない。
食事相談や健康支援をリーダーシップ論で見るとどうなるか、
これをたっぷりと語ってみたい。
それはともかく、「合宿」とは、懐かしいコトバではある。
本格的スポーツクラブに属したことがないので、
スポーツ合宿というのを経験したことはない。
女子栄養大学教職員の野球部では、
年1回、合宿をしていたが、これは1泊2日の懇親会にとどまる。
それでも、お座敷で芸者さんと遊ぶという特訓を受けたから、
スポーツ合宿(?)には、それなりの意味はあった。
ダイビングツアーは、クラブ単位で行動し、ほとんど宿泊を伴う。
これを合宿と呼ぶことが許されるなら、
合宿生活45年で今日に至っている。
宿泊先では、漁協や民宿の主を招いて
地元の話を聞いたり、由緒ある場所を見学したりと、
合宿的勉強をしてきた。
『栄養と料理』編集長時代、摂食障害をしばしば取りあげたが、
この厄介な障害も、半年くらいの合宿を実施したら
だいぶ改善されるのではないか、と思った。
たた、生活習慣病と同じで、日常生活が病因とかかわるので、
半年後、家に戻ると、また再発する可能性がある。
アイディアも、ここにぶつかって中断した。
しかし、いま考えると、その後も再発予防の短期合宿を継続的に行なえば、
そんなに絶望的にならなくてもいいのかもしれない。
心の病の多くも、半年、1年という長期合宿で、
改善できる可能性はある。
世界1周のクルージングとか、僻地や外国での生活とか、
アイディアはいろいろとある。
ただ、いちばんの難点は、こういう企画を運営するコーディネーターが
現実には見つけにくい、ということがある。
運営方法がないアイディアは、アイディアとはいえない。
それは単なる「思いつき」にとどまる。
パルマローザの合宿は、すでに7年間続けられている。
合宿の運営スキルがここにはある。
こういう合宿の運営スキルや、ここでの学びが、
日本を動かすきっかけになる可能性がある。
誇大妄想でも大言壮語(たいげんそうご)でもない。
そのことは、吉田松陰の松下村塾(しょうかそんじゅく)や
坂本龍馬の「海援隊」などなどを見直せば、
理解できるだろう。
同じ屋根の下で昼夜を語り明かす合宿コミュニケーションは、
デジタルコミュニケーションのバーチャル性から
身も心も解放するチャンスの1つであろう。
by rocky-road | 2009-06-10 00:14