郵便コミュニケーションの春

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最近、郵便局に行くと、いろいろの記念切手が売り出されている。
日本郵便会社になってから、
ようやく切手もまた大事な商品の1つとして
販売する意欲が出てきたのかもしれない。

郵政省の時代、もっと気を入れて記念切手を作れと、
担当部課に何回か文書で申し入れたことがある。
初回は、30年ほど前になろうか。
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いわく、春夏秋冬、季節の花や鳥や風物を切手にしてはどうか。
いわく、海岸生物(ウミウシ)の記念切手が売り出されたが、
デザインがひどすぎる。
鳥でも魚でも、描く人に専門性がある。
おかかえ絵師に、なんでも描かせたって、慣れていないものはうまく描けるわけがない。

いわく、ヨーロッパやアメリカのように、
郵便局で切手をはじめ、郵便関連グッズをもっと売ってはどうか……
などなど、しきりに申しあげたが、回答は印で押したように決まっていて
「貴重なご意見をいただき今後に役立てたく……」だった。
その気もないくせに、なにをいうか!!!!
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郵便事業が民営化されることの意味は、実はよくわかっていない点もあるが、
郵便会社の営業力向上を促すきっかけにはなると信じて、
内心、小泉さんを支持した(麻生さん、私はあのときも賛成だった!)。

考えてみれば、郵便関係者だからといって、
手紙・ハガキ活用者である可能性はさほど高いとは思えない。
むしろ、郵便物に囲まれていると、郵便物が空気のように感じられて、
手紙コミュニケーションの意義を見失う可能性のほうが高い。
古本屋さんは別として、新刊書店の人や、出版物の取り次ぎ業の人が、
格別の読書家である可能性が高くはないのと同じである。
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それがここへきて、ようやくクリスマス用の切手とか、
季節の花とか動物とか、ふるさとの風物とかと、カテゴリーが多様化してきた。
デザインも、それぞれ専門イラストレーターが担当している様子がうかがわれる。
国体とか海の記念日とかの季節限定の記念切手から、
地域や季節を表わす切手が増えてきたことは喜ばしい。

沖縄や北海道に旅行したとき、そこで買った絵はがき(私の場合、以前撮った写真)に、
ご当地切手を貼って旅便りを出す心がわかる人物が、私が知る1名のほかにも、
郵便会社に2、3人は現われたのかもしれない。
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「100万匹のサルに100万台のタイプライターを叩かせたら、
いつかは傑作が生まれるかもしれない」というジョークがアメリカにあるそうだが、
コンピュータの場合は、相手が人間であれサルであれ、
本当に、いろいろの分野で傑作が生まれている。

だから、コンピュータの存在意義は大いに認めるが、
日常茶飯事に追われるホモサピエンスに、
ボールペンとポストカードを渡せば、確実に旅の見聞を深めるうえに、
パソコンコミュニケーションなどとは、ひと味もふた味も違う、
人間関係をも深めることができるはずである。
切手は、それを裏面から支える、重い役割を担っている。

日本は2000年近い手紙王国であることを忘れたくない。

このところ、切手のプレゼントが増えたおかげて、
いつもにも増して郵便コミュニケーションの機会が増えている。
フリーマーケットでは、コレクターが貴重な記念切手を
額面価格で売りに出し始めている。
資産価値が失われつつあるのだろう。
これはチャンス、われら郵便サルに、
切手の春、郵便コミュニケーションの春が確実に訪れている。

by rocky-road | 2009-03-08 22:38  

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