安心・安全な健康情報とは
内外の著名な経済学者の見解をテレビで聞く機会が増えた。
それはうれしいが、「資本主義の弱点が露呈した」「経済にもルールが必要」
「派遣社員のシステムは問題」「経営者に倫理観が問われる」
「哲学が求められる」といったコメントを聞いていると、
「専門家にして、それかよ」と失望せざるを得ない。
ウソでもいいから、「私は20年前から警告していた」くらいのことをいってほしい。
紙幣の時代とは、価値がバーチャル化(虚構化)することであろう。
そのくらいのことは、素人にもわかる。
お金を、いまさらながら定義すれば「労働力の約束手形」ということだろう。
バーチャルなゲームがどのような展開になるか、
いちども実のある警告を発しなかった経済学者に、
経済を語る資格があるのか、と素人としては思う。
この一件でわかることは、学者というのは、過去を見る人であって、
未来を見ることが得意でない職種だ、ということである。
未来学者もまたしかり。
洞察力や人間の生理・心理の理解力に「かなり難あり」ということである。
未来は、人間の生理と心にある……のでしょ?
これを他山の石として、
食や健康を論ずる専門家は、
日本人の健康をどう維持、発展させるべきかを、まじめに考えたほうがいい。
「食の洋風化が進む結果、生活習慣病が急増し」
「食の安心安全が脅かされ」
「食糧自給率の低さをなんとかせねばならぬ」などと
流行フレーズを、脈絡もなく、毎度くり返しているうちに、
日本はますます世界の健康超先進国となり、
ますます憂えることがなくなってしまうだろう。
いまや日本は、健康管理において、世界のリーダーである。
リーダーには、リーダーの自覚と理念、そして風格が求められる。
悲観論や「オオカミがでたぁ」の脅しからは実りは生まれにくい。
などといっても、そうしたエセ オピニオンリーダーは、
思考力に欠けるから、自分の哲学を持つ可能性はゼロに近い。
そこで、健康支援者としての最良の選択は、
上記のような発言をするリーダーは、二流以下だから、
そういう人の論説を不用意に引用しないことである。
二流を除外し、安心・安全を期するには、
よく表示を見て、「日本人の食生活は欧米化している」
「生活習慣病が急増している」という字句があったら、
それは買い控えることである。
食の安心・安全を説く以上、
自分自身も、安心・安全な「健康・食行動理論」を購入しなければならないし、
自分自身も、危ない情報の発信者にならないように注意しなければならない。
ちなみに、現在の日本は、ご飯食をベースに、
ときにインド化し、ときに中国化し、ときに韓国化し、
ときにタイ化し、ときに洋風化している、
つまりはグローバル化している。
地産地消運動には敬意を表するが、
それでも、食のグローバル化は、
依然として、日本人の健康をますます助長している、
それが現実である。
by rocky-road | 2009-01-31 23:32