今年って、どんな年?
12月27日のクラスで授業を終了した。
年末の勉強日には、みなさんに1年の振り返りをしてもらうのが恒例になった。
今年、新しいことを始めた人たち(食コーチング研修、当塾入塾、英会話レッスンな
ど)は、もちろんそのことを今年のニュースとしてあげた。
雑誌に記事を書いた人、著書を出版した人、結婚した人、
結婚が間近い人、転職した人……など、
みなさん、明るい表情で語った。
共通しているのは、「人とのよい出会いがあった」という点だった。
自分の1年をふり返って語ることは、
365日間のいろいろの体験や見聞を記号化することである。
日記は、文章力を高める効果以前に、
雑多な日々の中からポイントとなることを摘出して記録する、
いわば編集力強化にも役に立つ、と話しているが、
1年という単位においても同じことがいえるだろう。
自分の体験を人前でコトバにすると、よい点が抽出され、強化される。
みなさんの表情が輝くのは、そのせいだろう。
反対に、家族との死別のようにアンハッピーなことは、
コトバにすることで悲しみ情報が一般化され、一種の風化作用が起こる。
悲しいとき、うれしいとき、泣いたりするのも、生理的であるとともに、
記号化であり、情報の発信である。そのあと、少し安堵がくる。
こうして1年をふり返る機会のない人は、
日記の最終ページに「まとめ欄」をつくって記入してはいかが?
そうすれば、新年には「今年の抱負欄」を作りたくもなるだろう。
少し話が変わるが、花粉症の治療がきっかけで通い始めてから20年以上なる医院
で、今年最後の薬をもらってきた。例によっての3分診療だが、
医師の声かけは、いつも「どうですか」……
そしてほとんどこちらの回答を待たない。
そこで、問いかけるのは、なぜか私。
今回は、「今年1年、先生にとってどういう年でしたか」
さすがに、医院を出てから1人で苦笑してした。
私にとって、問いかけは、ビジネススキルではなく、完全に地なんだ、と。
「『どこも行けなかったかなぁ』っていうことは、
あらかじめ行きたいところがあったのですか」
などと、先生に次の質問をしなかった自分を、ちょっぴりほめてやりたい。
by rocky-road | 2008-12-29 23:37