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「自然バランス」とれていますか。

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去る716日の、

57回「食ジム」のテーマは

人は自然と関わることで

なぜ健康度が上がるのか。」であった。

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「健康」を現代的に定義すれば、

  「日々の思考や行動の自由度が

  個人の中で比較的高く、

  心身に著しい不安や苦痛、

  重篤な病気がない状態」(大橋)

となるが、

自然は、思考や行動の自由度を高めるのに

プラスに働く可能性が大きい。

海や青空、山や湖を見て

気分が悪くなる人はそう多くはないはず。

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ルーツをたどれば、

人間は自然の真っただ中にいることを好まず、

樹上から草原に降り、二足歩行を獲得し、

集落に集まり、田畑を作り、町を作り、

都市を作ってきた。

その歴史を振り返れば、

「自然が好き」とは、とても思えない。

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しかし、仕事に追われ、

または、仕事への意欲もなく、ボケっと過ごし、

自然をまったく感じなくなってしまうと、

健康度が落ちてくることは体験的に知っている。

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都市では、

全身日除けの布で覆って歩く人、

自転車で走り抜ける人の割合が多くなっているが、

まさしく自然を嫌う姿である。

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研究課題として、

そういう「怪傑黒頭巾」パターンと、

直射日光を浴びながらも、

笑顔で歩く人と、

どちらの健康度が高いかを

50年間くらいの追跡調査をしてみるとどうなるか。

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そんなのにエビデンスはいらない。

黒頭巾のほうが短命で終わるに決まっている。

酸素と太陽光という、

危険極まりない酸化促進環境を防御した人は、

人とのコミュニケーションの機会をも防御し、

生涯で収集する情報をも抑制することになるから、

知的動物である人間のモチベーションを低下させ、

結果として、

健康度を下げる方向に向かう可能性が大きい。

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人間が好きなのは、

「ときどきの自然」である。

「栄養バランス」と同じように、

「自然バランス」というものもある。

「食ジム」では、いろいろの自然体験が語られた。

蛍、季節の香り、太陽の香り、雲、海、水中……。

そう、そのように体験を思い出すこと、

これが大事。

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自然は大きすぎて、その範囲がわからない。

その大きさを包むことができるのがコトバである。

自然は、

コトバ、絵、写真、庭や公園、田畑、山などによって

切り取られてようやく人間のものとなる。

拍動も、まばたきも、涙も、唾液も、

みんな自然の一部だが、

気づこうとしないと、何も感じられない。

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栄養士の仕事は

食を通じて人々の健康度をあげること。

しかし、こちらが一方的に

食や栄養の講義をする時代は終わった。

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相手との会話の中から、

健康へのモチベーションアップに

つながる話題を見つけ、

それをふくらませてゆくのが

プロのワザとなりつつある。

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仕事、余暇活動、運動、ライフスタイル……。

そういう話題の中で、

「自然」は、もっとも遠いところにある話題の1つ。

病気や死、人生やあの世よりも、

もっと遠い話題の1つ。

が、それを話題にすること、

話題にできることは、

「話芸者」の守備範囲をでっかく広げる。

横綱の取り組みスタイルのように、

胸を張って「ど~んと来い」と、

待ち構えることができる。

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遠すぎて、近すぎる自然を

どう語るか、

そのとき、自然が近づいてくる。

その点は健康も同じ。

健康とは、

けっきょく自然の一部なのである。

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以下、プレミアム(おまけ)

加計呂麻島の自販機で

清涼飲料を買ったら、

意外なおまけがついてきた。

ビンにトカゲが張りついているのである。

トカゲがなぜ、ビンにくっついたのか、

都会でだったら大騒動になっていただろう。

が、ここは加計呂麻。

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これぞ、身近な自然。

飲料を飲みたかったトカゲは、

気の毒にも他界していたので、

1人、中身はいただいた。

自然を胃の中にも感じたひとときだった。

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by rocky-road | 2017-07-20 00:18  

「そこに海があるから」ではなく、「わが人生に目的があるから」海に向かう。

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過日、

スノーケリングクラブの

昔からの仲間の出版記念パーティがあった。

集まったのは約70人、

最初に所属した東京潜泳会(せんえいかい)は

昭和39年、1964年の発足だから、

53年がたっている。

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全盛期には70人を超える会員がいたが、

1980年代に休眠状態に。

今回の出版記念会に参加したのは元会員の5人。

今回、出版を祝うことになった本の内容は、

日露戦争の後日談をベースにした話。

日本海海戦で、日本艦隊に撃沈された

「ナヒモフ」という軍艦が積んでいた

8兆円という財宝の行方を追うという、

実話をベースにしたフィクションである。

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53年前にダイビングを始めて、

その後、雑誌編集者や執筆活動を続けてきた

鷲尾絖一郎君は、上記「東京潜泳会」の

第一期の会員である。

海に関する著作と、

ライフワークである飼育鳥に関する

研究と著作を続けている。

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この出版記念パーティの発起人たちは、

日本のレクリエーションダイビング界を支えた、

2世代から第3世代ともいうべき人たちである。

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1世代とは、

日本占領中の米軍兵隊から

直接、ダイビングを習ったという世代である。

消火器のタンクを利用して

エアタンクにしたという。

存命であれば、90歳代前後か、

それ以上の年代である。

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パーティに集まった人たちのうち、

どれくらいの人が現役ダイバーであるかは

尋ねる機会はなかったが、

その様子からは、

70歳以上で海に行っている人は、

そう多くはないように思えた。

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高齢者にはダイビングは向かない、

ということではない。

日本には「シニアダイバーズクラブ」という、

1992年に発足し、20年以上の歴史を持つクラブがある。

会員は数百人。

平均年齢66歳、90歳代の会員もいるという。

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もう40年以上も前になるが、

ダイビングを「マリンスポーツ」として

くくるのは適切ではないと、

専門誌を通じて唱え続けた者にとっては、

「そら見たことか」と言いたい現状である。

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ダイビングは、スポーツではなくて、

「地の果てから始まるもう1つの旅」なのである。

旅だから、足腰がしっかりしていれば、

何歳になっても楽しむことができる。

富士山の登る7080歳代があるそうだから、

それに比べれば、

「地の果てから始めるもう1つの旅」は、

ちょろいものである。

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問題は、体力ではなくて気力、

つまりはモチベーションである。

海の上を歩く、海の中にとどまるという体験は、

特異な体験だから、

よほど合わない人でない限り、感動を覚える。

しかし、それほど新鮮な体験でも、

10年くらい続けると飽きてくる。

人間というのは、飽きっぽい。

それは利点でもあって、

それゆえに次の刺激を求めることにもなる。

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ダイビングを普及する役割を担っていた人は、

そういうことがわかっていたので、

当初は「魚突き競技」(スピアフィッシング)や

魚介類の捕獲と飼育、

「水中ナビゲーション」(陸でいうクロスカントリー)

「水中運動会」などを試みた。

「マリンスポーツ」時代である。

もちろん、これらは

自然環境に対して強いインパクトとなったり、

体力勝負のスポーツになったりするので、

すぐにすたれた。

そのころから、

だれにも使える水中カメラが普及し始め、

ダイビング雑誌などがフォトコンテストを

始めるようになって、

多くの「カメラ派」が生まれた。

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当時、魚などを観察することを

「野生観察」「生態観察」などといっていたが、

いかにも色気がないので、

「フィッシュウォッチング」という

コトバを使ってはどうか、と、

雑誌の連載記事の中で提案した(1979年)。

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こうして、

スノーケリングやダイビングのテーマが

多様化していった。

それでも、

レクリエーション目的で

スノーケリングやダイビングを

30年、50年と続ける人はそう多くはない。

これは旅でも登山でも、

テニスでも水泳でも同じである。

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飽きっぽいか、飽きっぽくないか、

といったタイプの問題ではないし、

長く続けることだけが価値のあることでもない。

大事なのは、

趣味や余暇活動が、

どの程度、人生のモチベーションになっているか、

というところである。

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それには、

仲間がいること、

その仲間はただの同行者ではなく、

人生を支え合うほどの心のつながりがあること、

その余暇活動に予定や計画性があること、

活動ごとにテーマがあること、

などが好条件となる。

そのことをダイビング雑誌の発行者にも

何度となく伝えてきたが、

それをうまく情報化できず、

私が初案を作った海関連の2つの雑誌は、

20年を過ぎて廃刊になってしまった。

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上記の「好条件」は、

ゴルフにも旅にも、「断捨離」にもいえること。

食生活雑誌も、

この視点で見ると、安泰とはいえない。

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先の出版記念会で、

久々に会ったダイバー仲間は、

いまもダイビングサービスをしているといったが、

もらった名刺のアイキャッチャー(キャッチフレーズ)に

「海と酒はいいね」というのがあった。

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なんともだらしのないフレーズなので、

「どういうこと?」と尋ねたら、

ある有名カメラマンがネーミングしてくれたという。

知性皆無、海をバカにしたフレーズを

日本を代表する水中カメラマンが

ネーミングしたのだと聞いて、暗澹たる気分。

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日本のダイビング界をリードしてきた人間が、

後輩の名刺のキャッチに、

こんなアホなネーミングしかできないとは、

「ダイビング界」はバラケルだろうと思った。

リーダー不在、一種の無政府状態になる。

ダイビング雑誌も、

オピニオンリーダーの役を果たしえない。

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みんなが海水浴程度にダイビングを

楽しむようになった昨今、

もはや「界」などという概念は

なくなってもいいのかもしれない。

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しかしそれでも、

「人間が海に潜るということは

どういうことなのか」

それを問い続けることは、

自分のライフスタイルを考えるうえで、

いや、趣味や余暇活動を楽しむうえで意味がある。

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これまでもそうであったが、

今度の奄美大島ツアーのあとでも、

またまた新しい旅のテーマが見つかった。

休眠中の2つのクラブの仲間には悪いが、

新しい海仲間もふえ始めていて、

54年目の「海と島の旅」も楽しめそうである。

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by rocky-road | 2017-07-12 16:17  

海たび旅--加計呂麻編。

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奄美大島、加計呂麻島(かけろまじま)への

旅が終わった。(201762328日)

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今回は、ダイビングショップのツアーなので、

全スケジュールは

≪マナティーズ≫の山崎由紀子さんにお任せ。

これまでに、奄美には2回、

加計呂麻島には1回、訪れているが、

初回の訪島は30年以上前なので、

記憶はまったく消えている。

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理由として考えられるのは、

*海の印象がうすい

 (だれかが企画した

 ツアーだったのかもしれない)

*写真的にヒットがなかった、

*当時、頻回に海に行っていたので、

 その歴史の中に埋没した、

*仕事もクラブの運営も忙しい時期で、

 そちらにウエートがかかっていた、

*その時代のログブックを紛失し、

 記録が残っていない、

*ダイビング雑誌の連載エッセイに

 一度も書いたことがなかった、

などが複合的に作用して

記憶を薄くしたものだろう。

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↑↑「アカヒメジ

念のためにいうが、

認知症が発症し始めている可能性はない。

(本人がいうのはアテにならないとしても)

東京湾のお台場が海浜公園になる前、

そのあたりで潜ったこと、

富士五湖の1つ、精進湖(しょうじこ)で潜ったこと、

日本海の佐渡島より少し北にある粟島で潜ったこと、

などはしっかり覚えているから、

認知機能の衰退はあるにしても、

軽微なはず。

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↑↑「ヘラジカハナヤサイサンゴ

申しわけないのは、

現地のダイビングサービスの人が、

私の訪島を覚えている、

という話を間接的ながら聞いたこと。

この30年間以上、

多くのお客さんのお相手をしてきただろうに、

私ごときの訪島を覚えていてくれたのだ。

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↑↑「セジロクマノミ

だから、今回、海から帰ったとき、

「思い出しましたか」と

現地ガイドさんから尋ねられたときは、

ほんとうに申しわけなく思った。

「ぜんぜん思い出せないのです」では、

あまりにも失礼である。

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さてそこで、

奄美大島、加計呂麻島の再評価。

岩礁をベースにしてサンゴが発達した海底。

沖縄のようにサンゴ砂が累積してできた島と違って、

白い砂地の反射が少なく、暗い感じ。

サンゴの色は茶のかかったグリーン。

水温は23度くらいで、

まだここは「本州、鹿児島県なのだ」を再認識させる。

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↑↑ 「ムラサメモンガラ

つい沖縄と比較したくなるが、

沖縄のキラキラ感が抑えられている分、

ビーチ遊びやダイビングなどによって

ビーチや水中が荒れていない。

野性味のある海である。

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↑↑「ルリスズメダイ」↓↓
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↑↑「クラカオスズメダイ

夏の季節に、

無人のビーチで

スノーケリングを満喫するという機会は、

もう沖縄ではめったに得られない。

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↑↑「シャコガイの仲間」↓↓
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↑↑「ハマヒルガオ

ペンションでは、
夕食どきに、尾頭つき生き造りが出てくるので、
「もったいない感」を味わったが、
ロウニンアジが出たときには参った。

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これが来島者の食卓に登場するということは、
漁業が日々の生活に近いことを意味する。

漁業と宿泊施設の兼業、
それは、日本のビーチサイド宿泊施設の
歩んできた道にほかならない。
ここではそれが現在進行中なのであった。

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ロウニンアジは、
水中で出会うと威風堂々、
魚類にとどめておくには
申しわけないほどの風格。
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↑↑「ロウニンアジ


スマホ依存症の日本人が
完全に失った「サムライ」の表情を保つ。
以前、モルディブで撮ったロウニンアジと、
討ち死にしたロウニン君と
比較して見ていただこう。
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今回の番外編は、
高校時代の恩師、島尾敏雄先生の
生誕100年のイベントシーズンに
タイミングが合ったこと。
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1617歳ころ、
都立高校の「世界史」の授業を
島尾先生から受けた。

当時から作家であるとは聞いていた。
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クラス雑誌を作っていた私は、

畏れも知らず、先生に原稿依頼をした。

「夢について」という文章を、

確か1週間ほどで書いてくださった。

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この小さなエピソードも、
生誕100年で盛りあがる地元では、
大きな意味があるらしく、
研究者と情報交換の機会が生まれた。
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島尾先生の原稿も、
掲載誌も残っていないのは残念だが、
表紙を撮った写真がアルバムに残っていた。
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取材モード全開で出かける者、
地図やガイドブックをなぞるのではなく、
自分で旅を創って歩く者にとっては、
2度め、3度め、10度めの訪問などの回数は
さほど大きな意味はない。
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東西南北、遠近に関係なく、
そこにはかならず情報があり、
そこにはかならず収穫がある、
というに尽きる。


今回の収穫の1つは
デジタルのコンパクト水中カメラを
試用したこと。
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期待どおり、よい働きをしてくれた。
「ニコン Coolpix AW130
長年、水中カメラを作り続けてきたメーカーの
高い技術力に感服した。
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このカメラが、
次への旅を誘う。

スノーケルが壊れ、
「ウェットスーツは新調すべき」
ともいわれて、
このまま引退はできない心境である。

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by rocky-road | 2017-07-02 21:02