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模倣はクリエイトである。

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今年、2016年6月5日の誕生日のプレゼントとして、
パルマローザのみなさん、
ロッコム文章・編集塾の塾生、
その関係者の方々から、
「韓国旅行」をいただいた。
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事前に作っていただいたパンフレットには、
「大橋先生と行くワクワク・ウキウキ韓国2泊3日」
とあったが、
私にとっては2008年の初回訪問以来2度目。
まったくの不案内の行先であって、
みなさんをワクワク・ドキドキさせるのはムリ。
みなさんに着いてゆくだけの気楽な旅……のつもり。
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メインテーマは、
ファッショングッズの物色と食べ歩き。
このテーマは、わがレパートリーの1つでもあるので、
充分に楽しむことができた。
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日本の女性の衣服の多くは
メイドイン・アジアだが、
メイドイン・コリアの一部は
デザインそのものをクリエイトしている様子。
つまり日本の下請けではなく、
オリジナリティを発揮している。
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専門家から見ると、
世界のファッションの動向から、
「いいとこどり」をしている
といわれるのかもしれないが、
むしろ世界の動向をヒントにして、
より大胆なファッションをクリエイトしているように思える。
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それは、わが日本の「いつか来た道」でもある。
昔は「模倣が得意なジャパン」といわれたが、
実際には、そこから新しいものを生み出してきた。
今日の模倣、というよりコピー大国は中国だが、
このほうは、完全無欠な「ニセ物」である。
こういうルートをたどって、
センスもマナーも近代化してゆくものである。
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これを不快と感じてはいけない。
Jポップスの歌詞は、
すでに数十年にわたって、
「完全無欠」なニセモノ外国語を使って、
国籍不明のソングスを生産し続けている。
いとしのエリ―さんや
五番街のマリーさんは、
何県何街何番地に住んでいるのか。
欧米風の虚構の世界である。
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それを非難しているのではない。
文明・文化の流れとは、そういうものである。
かくして、
アメリカ生まれのジャズの一部はJポップスとなり、
ラーメンやカレーライスは
天下晴れて日本料理となったのである。
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いまや(といってもかなり前から)
韓国の女性服の一部デザインやアイテムは、
先進国の下請けから脱して、
少なくともアジアをリードしつつある。
生地の色のバリエーション、
デザインのバリエーションの多様性には、
昔の「アメ横」体験者といえども圧倒された。
もっとも、
これらのファッションは観光客向けなのか、
自国民向けなのか、
その判断は、いまは情報不足でできない。
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とにかく、妙にカッコをつけず、
思いつきをどんどんカタチにしている。
日本人には、ここまでの勇気はなかった。
フランスのシックに憧れるような、
遠回り(?)をすることなく、
テレビファッションでもなんでも、
どんどん商品化してゆく。
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見落としているのかもしれないが、
日本で見かける「国防色」(こくぼうしょく=オリーブ色)が
あまり目につかなかったのは、
この旅の収穫の1つといえる。
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メンズジャケットの店には
黄色や赤、ロイヤルブルーが飾られていた。
日本にも、ダンス系やホスト系の店には、
こんな衣服が展示してあるが、
これを日常使いする例は、あまりない。
むしろ、私がそのごく一部の実践者かもしれない。
徴兵制のある国で、
だれがこれを着るのか、首をかしげた。
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街は深夜を過ぎでもにぎわっているが、
さっき見たような服を着ている女性はいない。
夜中の街歩きに、あのファッションはありえない。
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では、昼間は? 働く人たちは? オフィスでは?
全部を「視察」する時間も機会もなかったが、
帰りの空港で見た地元のテレビに、
あの恰好をした女性アナウンサーやキャスターが
映し出されていた。
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ファッションビル、日本風にいえば雑居ビルに
ひしめいているミニサイズのショップに、
倉庫としか思えないほど積み込まれた衣服の需要は
どこにあるのか。
日本から業者が買いつけに来るとは聞いたが、
それにしても、その量が多すぎる。
この需要を上回る過剰生産力が、
デザインのバリエーションと価格の安さを生んでいるのか。
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転業の余地が少ない地域の事情が
この活力を生んでいるのだとすれば、
ハングリー精神は、
やはり人間に強いモチベーションを与えると
改めて実感した。
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ところで、5階まであるビルのショップ群。
日本と同じように、
「メンズ」は4階、5階へと追いやられている。
のぞいてみると、客は1人2人。
こわいくらいのフロアの静かな空気。
秘密アジトに迷い込んだかと緊張したが、
売っているものは、
1か所のホスト系(?)を除いては
日本のメンズコーナーと変わらない。
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よほど客が来ないのか、
エレベーターホールや階段近くのスペースに
不要になった商品のゴミ袋入りが
放り投げられていた。
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この光景を見て、あることを思った。
日本では、かつて有給休暇の消化率がきわめて低く、
「日本人は働き過ぎ」と欧米諸国から非難された。
趣味がないから働く、
「余暇」ではなく、「与暇」(与えられ暇)に甘んじていた
日本人の閉塞的人生を緩和したのは女性だった。
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休暇をとったあとの月曜日、
「疲れたのでもう1日休みたい」と
追加申告をする女性の勇気に、
内心、「敵ながらあっぱれ!」と思った。
今日、男にも育休や産休が与えられるという休暇事情は、
堂々と(ぬけぬけと)休暇を求めた女性の功績によるところが大きい。
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いま、女性たちは、
山と積まれた衣服を買い求めた以上、
午前と午後に1回ずつお色直しをしたくなるほどの
ライフスタイルへとシフトすることだろう。
それこそ、平和運動そのものである。
それは「戦前」の期間を延ばすことにもなり、
もし、男たちがこれに倣うことができれば、
健康寿命を延ばすことにプラスに働くことだろう。
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以上が、徴兵制のある国で感じたことの1つ。
次回の韓国行きがあるとすれば、
軍事基地などをコースに入れて、
軍服姿の男たちにインタビュ―したいと思う。
そのときはもちろん、
イエローかレッドのジャケットを着て。
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by rocky-road | 2016-09-29 21:13  

30食品~四群点数法~10食品。

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去る9月14日の夜、
「NHKジャーナル」というラジオ番組を
たまたま耳にした。
『老化を遅らせる食事法』という番組。
人間総合科学大学教授の熊谷 修氏が、
その内容を説明していた。
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年齢が高くなるとコレステロール値や血糖値、
血圧を気にする人が多いが、
それ以上に気にしなければならないのは
たんぱく質の不足やエネルギー不足だという。
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氏による、
番組以外の説を参考にすると、
近年、血液中に含まれる血清アルブミンの低下が
老化や認知症、その他の生活習慣病のリスクを
増大させることが
外国の研究者などの間でも
明らかになってきたという。
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血清アルブミンは
摂取した良質たんぱく質を材料にして
肝臓で合成されるという。
この成分は、血中の60%を占めるといい、
これより下回ると抗酸化機能が落ちたり、
放熱作用が落ちたりするという。
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高齢者の熱中症の一因は、
血清アルブミン量の不足から
つまりは摂取たんぱく質不足から
外気温で上昇した体温を、
放熱することができなくなるため、とする。
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結論は、「粗食」や、1日2食などではダメで、
毎日80㌘ほどの肉をとる必要がある、と。
近年の高齢者研究者には、
肉をすすめ、
「ちょっと太め」をすすめる人が多い。
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数年前から
「肉など脂っこいものをたくさんとると
生活習慣病をふやし、『食の堕落』を進め、
それは民族の危機」との珍説を展開し続けている
農学系の某発酵学者がいるが、
このセンセイの意見を聞いてみたいものである。
この発酵学者は、昭和30年代まで続いてきた
海藻、根菜、魚、豆、米を基本とする和食は
栄養バランスが理想的、と公言し続けている。
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NHKジャーナルの話に戻って、
熊谷氏は、老化を遅らせる食事の大切さを述べ、
その事例を「いまからいう10の食品を
リスナーのみなさんは書き取っていただきたい」と
ことわって、以下の食品をあげた。
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①肉、②卵、③牛乳、④油、⑤魚介類、
⑥大豆製品、⑦緑黄色野菜、⑧芋、⑨くだもの、⑩海藻
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これらの食品を1日3回の食事によって
均等にとることをすすめていた。
この中で、量を示したのは肉の80㌘。
食品の品目で見れば、
食事摂取基準に近いものになっている。
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しかし、量の目安がないうえに、
適正エネルギーについての説明もないので、
この放送を聞いただけでは、
実行しにくいし、実行したとしても、
長続きはしないだろ。
漫然と10食品をマークして、
それを毎日とるには、食品が散らばりすぎている。
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文明や文化もまた、
つねに右肩上がりではないことは承知しているが、
分野が違うと、
これまでの歴史が生かされず、
およそ50年くらい後戻りしてしまうものかと
またまた慨嘆した。

つまり、1958年には、
いろいろの経過を経て、「四つの食品群」が
香川 綾先生によって提唱されていた。
(女子栄養大学創立者、医学博士)
この食事の目安は、
当時の「栄養所要量」に基づいて
1日にとりたい食品を4つのグループに分け、
性、年齢、労働量などに応じて、
その摂取概量を示したものである。
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第1群として、卵は1個、牛乳をコップ多めに1杯。
第2群は、肉と魚、その加工品を1日2皿。
第3群は、緑黄色野菜と淡色野菜を合わせて300㌘。
     (今日では350㌘)
     芋1個、
くだもの1個(リンゴ、みかんなら2個)
海藻、きのこは任意の量。
第4群は、穀類(米、パン、麺など)を
     1日3食。ご飯は茶わん軽く1杯程度。
     パンは食パンなら2枚、
     麺なら1わんを1食分とする。
     油脂は、1日、計量スプーン1杯
     菓子や砂糖、嗜好飲料は
     毎日とるべき食品ではないが、
     とる場合は、この群の食品として扱う。
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「四つの食品群」の食品は、
「老化を遅らせる食事」と大差はないが、
それらを4つの引き出しに入れて覚えるので、
整理はしやすくなる。
卵と牛乳は第1群だから、
朝食で、真っ先にとるようにする、
などの原則を作ってしまえば、
あとは3つの群のコントロールである。
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この「四つの食品群」はとるべき量を
1個とか2皿とか、概量を示すほか、
それぞれに重量を示している。
上記のものは家事を専業とする
主婦の必要エネルギーをベースにしたものである。
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のちに、食品の重量を、80キロカロリーを1点として、
1日20点(1600キロカロリー)を基本量とする、
「四群点数法」へと発展し、
中学、高校の一部の教科書にも採用された。
『食品成分表』に収載されている食品を
1点80キロカロリー当たりの重量に置き換え、
冊子にした。
『1点80キロカロリー成分表』という。
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エネルギー単位に食品の重量を示したのは、
当時、1960年代前半ころから、
肥満や「成人病」(当時)が顕著になってきたためである。
「卵は1個がほぼ1点(80キロカロリー)、
魚は、アジなら1匹が1点」というように把握する。

栄養学はここまで前進してきた。
食品栄養学、食品化学、栄養生理学、
ビタミン学などの研究実績をもとに
「食事摂取基準」というガイドラインが
省庁から数十年にわたって示され、
さらに、毎年行なわれる国民健康栄養調査などの
成績も加味して、ゼロ歳から高齢期の人までの、
労働量別の適正摂取栄養量の
ガイドラインが示されている。
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医学の分野では、
ここ30~10年くらいのあいだに
治療から予防へと急速にシフトしてきた。
この過程で、栄養学に関心が向くようになる。
が、栄養学の基礎知識を学んでいないから、
とかく部分対応になる。

アンチエージング分野では、
こんな微量成分がいい、
こんな食品がいい、と、
単品をすすめる学者が多かった。
「多かった」と表現するのは、
「アンチエージング」説の流行が
ほぼ終わったと見るからである。

ドクターや、栄養学以外の学者には、
国民健康栄養調査や日本の栄養学史を
チェックしている人の割合は低かろう。
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かれらには「三色食品群」や「1日30食品」
のことを知っている人は少ないと思われる。
つまり、食品に含まれる栄養素の特徴別に
食品を分類するだけでは、
量のコントロールができないことを
調理経験や食生活運営経験のない者には、
なかなか理解できないのである。

昔(1980年代)、厚生省が提案した
「1日30食品を」運動などは、
「七色とうがらし」をとれば7品はとれる、
というようなお笑いネタにまでなった。
毎日、とりたい食品を30品だ、10品だと
並べただけでは、
ルートを示したことにはならないので、
食生活の地図にはならないことに
大半のドクターや専門外の学者の思いは至らない。
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悲しいが、それが現実である。
しかし、彼らの無知や浅学を嘆くだけでは
問題は解決しない。
その原因は、むしろ栄養士の怠慢にある。
「四群点数法」を学んだ栄養士が、
それを普及することを怠ったか、
それに全力を注がなかったことが
遠因としてある。

それをさらに掘り下げると、
栄養士のコミュニケーション能力の低さにある。
話す力、書く力の強化を怠ったために、
情報を遠くに飛ばすことができなかった。
「1日に何をどれだけ食べるか」という
食の地図を人に示し、
実践してもらうところにまでもっていくには、
論理も、情緒も、さらには哲学も必要になる。
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相手は専門家ではなく、一般市民である。
よけいに情報発信力が必要になる。
学ぼうと思っていない人たちの関心を引くには、
よほど魅力的な話し方、書き方が求められる。

というところまできて、
「だったら、アンタだって、一端の責任がある」
という声が聞こえてきた。
「栄養士、健康支援者のコミュニケーション力、
表現力の強化を目的に授業を行なっているのに、
なぜ、栄養学の分野にすぐれた論者が出てこないのだ」と。
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指導法の問題なのか、
目標設定があいまいなのか、
珠玉(「じゅず」ではなく、「しゅぎょく」)の
人材に不足があるのか、
かれらもモチベーションの低い世代なのか、
さらに熟考してみたい。

と同時に、
一時、研究分野でしきりにいわれたように、
「学際的」な人的交流も必要だろう。
ドクターや、栄養学に弱い学者と栄養士とが、
コラボレートすれば、
いくらか状況が変わるだろう。
だがだが、
果たして、そういう連中、
つまり、ナイーブで、視野狭窄気味のドクターや栄養士が、
放っておいたままで
自主的に交流ができるのか。
ここにもコミュニケーションの
ハードルがあるのが現実である。
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by rocky-road | 2016-09-21 17:05  

企画会議、いまは昔――にあらず。

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いま放送中のNHKの連続テレビ小説に
しばしば編集部の室内シーンが出てくる。
仕事中のシーンや同僚との会話、
上役とのやりとりなど。
編集会議らしきシーンもある。
が、なぜかみんなトゲトゲしている。
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終戦直後の、モノのない時代だから、
と考えるのは間違いで、
実際には、もっと明るく、のびのびしていた。
あんなに深刻な顔ばかりはしていなかった。
演出の過剰なのか、演技力の問題なのか。
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現実の『暮しの手帖』は
やがて100万部を超える大ヒット出版企画である。
なのに、あの暗さ、あのトゲトゲしさはないだろう。
私自身も長いあいだ購読し、
おもに文章力を学んだ。
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番組の編集会議シーンでは、
長方形に並べた机の頂点に
社長および編集長が座り、
かつ、編集長(?)は
立って演説調で発言しているのだった。
柔らかな会議では、立ってはいけない。
演説をしてはいけない。
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過日、≪コミ研 ひろしま≫のセミナーで、
戦後まもなくアメリカから伝わった
「ブレーンストーミング」
という話し合いの形式が、
今日に至るまで、
日本中に行きわたったとは言いがたい、
という話をしたが、
『あなたの暮し』(番組中の誌名)の編集会議は、
古き良かざる時代の形式である。
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リアルな時代考証によるシーンなのか
(実際、スタッフの少なからずは生存している)、
テレビ制作者の創造的(想像的)シーンなのか、
定かではないが、
あの形式では、
打打発止(ちょうちょうはっし=刀で撃ち合う状態)
といえるような「ブレスト」はしにくい。
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創設者の花森安治(はなもり やすし)氏が
よほどのワンマンだったことを言いたいのか、
実際、ああいう形式で会議を行なっていたのか
番組からは推測できない。
花森氏が亡くなったのは1978年というから、
私が食生活雑誌の編集長になった年である。
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私はオーナー編集長ではないし、
そして労働組合全盛期でもあったから、
あんなワンマンは通らなかった。
それに、そこまでワンマンでありたいとも
思わなかったので、私の場合は
もう少し「ブレスト志向」があったと思う。
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つまり、司会進行によって
きっちり進められるような
四角四面の「会議風」ではなく、
前の発言者のアイディアに
別のアイディアを上乗せしていくような
聞き覚えのブレスト風を
目指したつもりである。
1日かけて、飲食つきで行なったこともしばしば。
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ブレーンストーミングのルールはそういうものだが、
そこは発言が控えめな日本人のこと、
とても談論風発というわけにはいかない。
「参加型」というのは簡単だが、
ミーティングでも講義でも、
参加者はなかなかしゃべってはくれない。
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そこで、
どうしても『あなたの暮し』編集部風になる会議が
2016年の日本中にはゴマンと、
いや数百万とあることだろう。
『あなたの暮し』社は、
戦後、すぐにスタートした版元だから、
そういうワンマンスタイルが続いたのかもしれない。
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アメリカ人の行なうブレーンストーミングを
間近で見る機会はなかなかないが、
2014年11月29日、
その機会が突然やってきた。
映画『ベイマックス』や
『アナと雪の女王』のプロデューサー、
ジョン・ラセター氏の伝記的レポートを
NHKテレビが放送した。
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3Dアニメ映画の『ベイマックス』の制作過程に
「ストーリールーム」とか
「ノートセッション」とかといった場で、
30人は超えると思われるスタッフが、
映画の主人公たちの心理描写、
表情の描き方などについて、
司会者らしい役も置かず、
意見交換をしているのだった。
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これぞまさにブレーンストーミングである。
総指揮者のラセター氏は、
端のほうで黙って見ているくらい。
この番組を見て、
アメリカ人のディスカッション力に完全脱帽。
日本人との差は100年どころではない、
と感じた。
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そうではあるが、
いや、だからこそ、
ブレーンストーミングやディスカッションの
スキルアップを続けなければならない。
こういう話し合いができること、
言い換えれば企画力を養うことは、
商品や記事をヒットさせる、という程度の話ではなく、
地域の、国の、地球人の生存にかかわる問題である
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そう思うと、
一部の健康支援者が5年間続けている
「食ジム」は、そうとうに意味があることと思う。
テレビ小説『とと姉ちゃん』を観ている人は、
会議シーンや、上役の登場シーンのときには
企画力を高めるための反面教師とするのも
一法かもしれない。
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by rocky-road | 2016-09-12 00:02  

ときには、自分に不正直に。

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2人の海仲間から
うれしい情報が入った。
 
その1人は、自然保護協会が発行する
自然保護』という雑誌の
昨年の「表紙写真コンテスト」に応募し、
それが入選して、
この10~11月号(隔月刊)の表紙に使われた、というもの。
その雑誌が、
撮影者(井出哲哉)から送られてきた。
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去年、沖縄の座間味島(ざまみじま)で撮ったという
ハマフエフキ、約60センチの大きな魚の真正面写真。
ダイビング雑誌でも、
ここまで魚のド・アップ写真を使うことは多くはない。 

もう1人は、
昨年、出版した『評伝 増田萬吉 潜水の祖)』
という本が、
岩手県にある、種市(たねいち)高等学校の教科書として
採用されることになったため、増刷されたという。
この高校は、日本で唯一の、
プロの潜水士などを養成する学校である。
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彼(鷲尾絖一郎)には、
すでに『海で死なないための安全マニュアル
もし、サメに襲われたら
十姉妹の謎を追う!』など、
海ものと、飼育小鳥のルーツをたどる著書などがある。
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私がスノーケリングのクラブの創設にかかわり、
同時に海と島への旅を始めたのは1964年。
クラブには20年間で600人くらいの人が
通過していったが、
活動の中心になるのは、最大で70人くらいだった。
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スノーケリングやスクーバダイビングを
地の果てから始めるもう1つの旅ととらえ、
国内のいろいろの海におもむいた。
私がダイビング雑誌の編集にかかわっていたこともあって、
ダイビング界の動向について話題にすることがあった。
それの結果なのか、
編集や著述業を希望の人が何人か出てきた。
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といって、スノーケリングのクラブは、
著述家や編集者の養成機関ではないから、
とくにその道をすすめるような野暮は避けてきた。
しかし、その道を目指す人には、
ある程度の口利きをして、
あと押しくらいはした。
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そんな日々から40~50年、
本格的な出版プロデューサー兼著述家になったり、
ゼロ戦ライターとして
独立したりした人が何人か出た。
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最初にあげた「ハマフエフキ氏」は公務員として定年を迎え、
以後、俄然、写真や著述に目覚め、
あちこちへアクションを起こしている。
スタートに遅すぎることはない。
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いま、ロッコム文章・編集塾を主宰したり、
能登や広島でコミュニケーションについて講義する目的は、
プロフェッショナルのスキルアップであるが、
心の底で、さらにその先を目指す人が出てくるのを
期待しているところがないとはいえない。
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しかし、それを前面に出すと
無用なプレッシャーをかけることになるので、
そういう(どういう?)話題やアクションは
控えるようにしている。
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栄養士の中には、
なぜこんなに有能な人が
情報発信者にならないのだろうか、と、
思わせる人も少なくなかったが、
本人の描く人生設計図は意外に小さくて、
いまの仕事で充分と、引き下がってしまうのだった。
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また一方で、
なかなかのノリでその道を選びながら、
不勉強と、人脈づくりや人脈維持の不得手から、
いつの間にか消えてしまった人もいる。
そういう人のほうがはるかに多い。
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人生は、確かに「マイペース」や
「自分に正直に」「自分らしく生きる」のほうが楽である。
マイペースや「自分に正直に」は、
シッチャキになって努力をしない人間の、
自分をごまかす言であり、生き方である。
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人間は楽なほうを選びがちだから、
「自分に正直」や「自分らしく」は、
楽な生活に逃げることを意味する。
大事なのは、ときに、自分に不正直に生きる根性である。
この場合の「不正直」とは、自分の感性に対してである。
眠くなった自分に「それはヤバいよ」と言ってやることである。
知力は、眠気や怠惰を防ぎ、
あしたの「快適」「爽快」をイメージすることができる。
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「アリだってゴキブリだって、自分に正直に生きている」
と、言ったことがあるが、
考えてみれば、アリやゴキブリに失礼な発言である。
≪ゴキブリホイホイ≫をはじめ
駆除薬剤の攻撃から逃れて生存してゆく苦労は
人間なんぞにはわからない、
「倍々ペース」の人生であろう。
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この8月28日、
≪コミュニケーション研究会 ひろしま≫主催の
セミナーが終わった。
年4回のペースで1年目が終わり、
次のクールに入るところである。
この日は、「企画力、アイディア力は文章をこう使えば
強化できる」という演題で1日講義をした。
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ここのメンバーからも、
次の目標を定めつつある人が
現われることになるだろう。
その日までの時間はたっぷりある。
人生は、最後の最後まで、登り坂である。 
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by rocky-road | 2016-09-02 00:51