<   2016年 08月 ( 2 )   > この月の画像一覧

 

魅力的なスピーチと、魅力的な食事。

b0141773_22235820.jpg

オリンピックの女子レスリングの金メダル優勝者が、
判定直後、喜んで近寄るコーチを
2回、一本背負いで投げ倒す、
というパフォーマンスがあった。
しっかり準備をしたうえでの喜び表現だった。
そのユーモア感覚に感心した。
しゃべりを得意としないスポーツ選手は、
コトバ足らずのコメントをするくらいなら、
こういうパフォーマンスのほうがすがすがしい。
b0141773_22242435.jpg

これと反対に、
女子マラソンで、
10位にも入れなかった日本の選手が、
まるで一位でゴールしているような、
いけシャーシャーとした
フィニッシュポーズをしたのにはあきれた。
おまけに、インタビュアーに
「オリンピックには出るもんだねぇ、楽しいよ」だと。
書き留めなかったが、ガラの悪い仲間コトバで
あっけらかんとしたコメントをしていた。
b0141773_2224423.jpg

入賞するにしろ予選落ちするにしろ、
コメントを求められたときの対策くらい立てておくのが
世界クラスの選手と、
その養成関係者の責務だろう。
わが家の近くには「トレセン通り」(トレーニングセンター)や
「アスリート通り」がある。
ロッコム文章・編集塾も近いことだから、
「コメント トレセン通り」を
引き受けてもよいと思っている。
b0141773_2226995.jpg

プロのトーク力もたいしたことはなく、
あの超人的短距離ランナー、ボルトに、
「プレッシャーをどう克服しましたか」と
インタビューをするNHKの女子アナがいた。
当然、彼の答えは「いや、プレッシャーは感じなかった」
b0141773_22273634.jpg

ハナからプレッシャーがあると
決めつけのある問いかけは、
プロ、アマにかかわらず厳に慎みたい。
ダントツ世界1のトップランナーに
「プレッシャーをどう克服した?」とは、
失礼だし、相手の偉大さをわかっていない、
なんたるおバカだろう。
b0141773_22275818.jpg

さて、8月13日の「講話力セミナー」では、
受講者から有効な質問や問いかけがあった。
その1つが、「魅力的スピーチ、魅力的な講話とはどういうものか」
というものであった。
だれもが、そういうものがあれば知りたいと思う。
が、「魅力的な話し方」というものはあるにしても、
「魅力的なスピーチや講話の内容」は一期一会のものだから
「定番」を決めることは、むしろ避けたい。
b0141773_22281960.jpg

スピーチや講話は、
その都度、目的もテーマも違う。
聞き手の属性も違うし、人数も時間帯も違う。
食事になぞって考えればよくわかる。
b0141773_2229454.jpg

日本人の食事には季節感が求められるし、
朝は朝らしく、昼は昼らしく、
夕は夕らしくありたいと思う。
そのうえ、外食してきた家族の外食メニューとも、
バッティングしないように気をつけなければならない。
だから食事のことを「瞬間芸術」などともいう。
b0141773_22291669.jpg

「芸術」とまではいわないが、
スピーチも講話も、クリエイティブな行動である。
充分な準備と、その場、その場での対応、
まさしく「空気を読む」能力。
b0141773_22293762.jpg

ボルトに「プレッシャーは?」と
愚問を発するようなのは、
空気が読めないタイプだから、
「魅力的なスピーチも講話」もできない。
b0141773_22304312.jpg
b0141773_22311096.jpg
b0141773_22315599.jpg

毎度のことだが、
アナウンサーは「読む人」であって「語る人」ではない。
それを誤解すると、相手にプレッシャーをかけることになる。
「語れるアナウンサー」は、100人に1人、
500人に1人というくらいに
見積もっておいてあげたほうが親切。
そのことは、アナウンサー養成機関や
アナウンス部の上層部こそ、
わきまえておいてほしい。
b0141773_22321552.jpg
b0141773_22331733.jpg

スタートした講話シリーズでは、
幅の広い「専門性」を持つ、
「魅力的なスピーチや講話」をこなせる
健康支援者を目指してサポートをしたい。
b0141773_2230137.jpg

[PR]

by rocky-road | 2016-08-20 22:33  

あなたは10人の前で講話ができますか。

b0141773_20294476.jpg

いよいよ「講話シリーズ」の第1回が始まった。
≪食コーチング プログラムス≫主催で、
第1回が2016年8月13日(土)、
以降、第2回は10月22日(土)、
第3回は12月17日(土)を予定している。
いずれも横浜市内。
b0141773_18321124.jpg

食生活雑誌編集者時代、
「栄養士のための講演の仕方」
という企画をしたが、
大学教授を含む企画会議で却下された経験は
仲間内で話したことがある。
企画が必要なくらい、
当時も(?!)
栄養学関係の教員の話はつまらなかった。
それを今回、
影山なお子さんが、
セミナーとして取り上げてくださった。
b0141773_18324444.jpg

30年ぶりに、昔の企画を復活できたことは
それ自体は格段うれしいことではないが、
この企画がいまも通用すること、
いや、ますます必要度が増していること、
それがわかる人が存在することが
日本の「健康界」(初使用、そういう「界」が
そろそろあってもよさそう)にとって
うれしいことではないかと思う。
b0141773_183317.jpg

もう1つうれしいのは、
わが恩師の旧著
『日本人はこう話した 言論100年』
(芳賀 綏<やすし> 著 実業の日本社刊 1976年)
の一部を、
テキストとして使うことができたこと。
福沢諭吉が英語の「スピーチ」を
「演舌」「演説」などと訳したとされる
通説の裏事情が書かれた部分を
今回、みなさんに紹介できた。
b0141773_18332015.jpg

といって、裏話のおもしろさの紹介ではない。
日本人の習慣にはなかった
人前での「1人語り」の必要を
明治維新後、福沢諭吉が強く説き、
それを実践してきた、
にもかかわらず、
今日の教員、代議士、弁護士に見るように、
日本人のスピーチ力にいかに進歩がないか、
それを知っていただき、
少し気合を入れていただくためだった。
b0141773_18334033.jpg

ところで、「講話」とは、
日本人の感覚では、スピーチよりは長く、
講演よりは短めで、
内容的には、スピーチよりはテーマや起承転結がしっかりしていて、
講演よりは軽めのもの(とも限らないが)
という認識でよいだろう。
b0141773_18533190.jpg

今回のセミナーでは、
極力講師のしゃべりは少なくし、
みなさんの実演、みなさんとのディスカッションに
時間を割くことをコンセプトにしている。
みなさんの活動報告などに、
「講師の講義の中で……」などという
フレーズがあったら、
それは「コメント」のことだと
理解していただきたい。
「コメント」を「講義」と誤訳されるようでは、
講師のメンボクはつぶれる。
b0141773_18344586.jpg

このセミナーのご案内に
一生の財産としてのスピーチ力、司会力
としたが、これはけっして誇張ではない。
人が3人以上集まれば、
スピーチ力も司会力も必要になる。
幼稚園でも老人ホームでも、
その能力は個人の存在感、求心力、
その結果としての幸福感の質と量に関係してくる。
b0141773_18383159.jpg

今回は、全員(29人)に
3分間スピーチをしていただいた。
内容については、以後のセミナーで、
より詳細に論評してゆくが、
それ以前の問題として、
まだ表情、声量が複数の人対応にまで
できあがっていない人が少なくなかった。

野球でいうと、「遠投」が足りない。
野球選手の基礎能力の1つは肩のよさ。
イチロー選手のように、
外野フライからタッチアップで
ホームを狙うランナーを
スピード返球で刺すことができるのは、
遠投で肩を鍛えたからにほかならない。
b0141773_18373141.jpg

声が2メートル先の人に届かないのは、
声の遠投トレーニング不足以外の
なにものでもない。
声のボリューム調整力の不具合は、
もって生まれた声量の問題ではさらさらなく、
聞き手となる人々の
表情や反応を読み解こうとしない
不注意か怠慢かにある。
b0141773_1837468.jpg

それと、耳が遠くなってわかるのは、
人はいかに表情でしゃべっているか、
ということである。
声が不鮮明でも、表情を見ていると
なにをいおうとしているかが、ある程度はわかる。
聴覚障害の人の会話を見ていてもわかるが、
いかに表情をつけて会話をしているか、である。
b0141773_18361586.jpg

声が小さく、
表情に「遠投」モーション、
言い換えれば表情で話さない人の話は、
たいていの場合、
話の内容が聞こえなくてもさほど損失はない。
聞こえたとしてもつまらない話である場合が多い。
b0141773_18404929.jpg
b0141773_1841713.jpg

声が小さく、表情がないから話がつまらなくなるのか、
つまらない話しかできないから
声や表情がウサギの肩(イチローの肩に対して)になるのか、
1人1人について考察してみたい。
b0141773_20372956.jpg

だいたいのことはわかっているが、
学会発表のためには、
もう少し
エビデンスを固めておく必要があるだろう。
b0141773_20374754.jpg

[PR]

by rocky-road | 2016-08-15 18:42