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「鳥肌外来」大橋診療所

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杏林大学外国語学部の金田一秀穂教授が、
民主党政権の新設した「国家戦略本部」というのが、
「いやだ」「きらいだ」と言っていた(NHK ラジオ深夜便)。
いつも冷静なこの言語学者にしては珍しく、
「いやだ」「いやだ」と連発するのがおかしかった。

「国家」というネーミングが日常的でないし、
いろいろの施策をする機関がなぜ「戦略」なのか、と問う。
先生は口にはしていなかったが、
要するに、国家主義的なニュアンスが好みではない、
ということらしい。
これに大橋がつけ加えれば、「本部」だって、
権威化しやすい、要注意のコトバではある。
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金田一論の傾注すべきところは、
コトバは使い続けているうちに摩耗して、
本来の意味について深く考えなくなる、
慢性化して、反応力が鈍る、という点である。

たとえば、国家戦略本部が、
いつの日か、国家戦略を掲げて、
国民に対して権力をふるい始めても、
このコトバを受け入れてしまった人には、
その変化が見えず、反応が鈍くなる、ということである。
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ほかの事例でいえば、
「身の丈に合った……」とか「自分らしく」とか、
「食の安心・安全」とか「消費者の目線」とか「地産地消」とか、
「鳥肌が立つ」とか「目からウロコ」とかの
実態のあいまいなコトバを使っていると、
言語感覚がますます鈍り、
何が本当で、何がホントでないか、その判断ができなくなる。
早くいえば、バカが進行するのである。

食に限らず、人生の半ばで、たやすく「安心」などしてはいけない。
この世に「安全」などない以上、安心などできるわけがない。
横断歩道を渡るとき、「絶対安全」と本心から感じているとすれば、
その人は、どこかおめでたい。
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コンタクトレンズを落とした人は何回か見たが、
目からウロコが落ちたのは、まだ見たことがない。
初夏の屋外プールならともかく、
ふだん鳥肌が立っている人など、めったに見られない。
しょっちゅう、「鳥肌が立った」といっている人は、
一度、皮膚科の診断を受けたほうがよい。

比喩だというかもしれないが、
なんと美意識に欠ける比喩だろう。
もともと言語感覚が鈍いから、
こういうコトバを好むのだろうが、
それらを使うことによって、確実に症状は悪化し、
最後はバカに至る。
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流行語はまさに伝染し、人々を深い病に陥れる。
伝染病予防のためには、
外から帰ったら、うがいをし、手を洗い、
脳を洗浄する必要がある。

「脳は、どうして洗うのか」って?
それは、読書でしょう。
質のよいトークでしょう。
トークは、とりあえず、NHKラジオの
いくつかの番組でしょう。
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by rocky-road | 2009-10-24 00:35  

こよなく晴れた青空に……♪

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10月9日から11日まで、
ハウステンボスで撮影会の講師を務めさせていただいた。
終わった11日の夜、羽田まで戻り、乗り換えて広島に入った。
そして翌12日には、
広島県栄養士会主催の写真教室の講師を担当させていただいた。
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元客室乗務員の影山さんにスケジュールを
立てていただいたために、
長崎から羽田、そこで2時間待って、
広島行きに乗り換えるという、効率的かつハードな
スケジュールを初体験させていただいた。

影山さんにしてみれば、1日にいくつかの都道府県に
降り立つなどということは、日常茶飯事だったのだろう。
だとすれば、これきしのことでオタオタしてはいけない。
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が、2時間の羽田滞在中に、ターミナル内で
パワーポイントの微調整をしておこうと、
長崎ツアー中、携行していたパソコンで、
作業を始めたのにはうなった。
長崎で撮った最新映像を、広島写真教室で公開してはいかが、
という提案だった。
スライドショー歴25年の私も、この離れ技にはシビレたし、
「はい、やってみて!」と指導を受けた。
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けれども、こうしたテンポアップした生活断片だけでは
ブログのテーマにはならない。
注目すべきは、2つの栄養士グループが、
はからずも近接する日に写真教室を開いた、という点である。
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世界中を見渡して、医師のための、看護士のための、
旅行添乗員のための写真教室が、
A地点とB地点で連続的に行なわれるということは、
そうそうあることではなかろう。
(単発でもやったらいいのに!)
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プロのカメラマンなら、いくつかの写真教室を駆けめぐる
ということはあるかもしれない。
しかし、写真とは一見縁がない職業の人や、
写真サークルではない人が開く写真教室を
かけ持ちする機会は、多くはないだろう。
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写真くらい撮れたほうがよい職業はたくさんある。
レストランのスタッフ、旅行添乗員、テーマパークスタッフ、
美容院、理容店スタッフなどなど……。
写真力の必要度という角度から見た場合、
栄養士のそれは、常識的にはそう高いほうには入るまい。

なのに写真教室である。
写真は「真実を写す」「写真は心を写す」などなど、
写真家がいろいろのことを言ってきたが、
要するに写真は、
人と人とを結ぶコミュニケーションである。

パルマローザを中心に、栄養士は表現することに
エネルギーを使い始めた。
話し方を学ぶ、文章を学ぶ、メイクを学ぶ、
歩き方を学ぶ……。
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それは、食や健康を支えるプロが、
人々のモチベーションをいろいろの形で強化することに
可能性と使命とを感じ始めていることを意味する。
逆方向もある。
表現力がついてくると、相手はこちらの表現に関心を示すようになるから、
自分の仕事がおもしろくなる。ましてや人の健康を支えるのである。
動機づけは、相手の感性を刺激することが出発点である。
それを実感できるようになると、自分の仕事に使命感を感じるようになる。

長崎と広島、
原爆被爆地ということ以外にも、
栄養士、写真、表現力というキーワードで、
瞬間的につながった。
しかしそれは、瞬間で終わるのではなく、
日本中になにかが広がる予兆の1つと見るべきだろう。
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by rocky-road | 2009-10-14 01:54  

冷めかけた鉄は打って熱せよ!

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04年から5年間通った女子栄養大学の
非常勤講師の仕事がきょうで終わった。
非常勤にも定年があり、それも3年過ぎているが、
後任が見つからないということで、
さらに1年延長ということになるところだった。

この仕事も、もっと続けたいと思っているが、
自分の塾生との勉強や、社会人のためのセミナーと比べたとき、
情報の浸透率、ないしは効率という点では、
社会人のほうがはるかに即効性が感じられる。
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自分の持ち時間が少なくなってきているのに反して
仕事は増える、というより、しなければならない仕事を
まるっきり達成できていないというピンチの状態にある。
そこで優先順序を考えざるを得なくなる。

それに、動物は世代が近く、しかし、まったく同年齢ではない人から、
より強く影響を受ける傾向があるから、
教員と受講者との年齢差は、ある限度内で近いほうがよい。
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ある学生が「先生に幼稚園のときに会いたかった」と
いってくれたことがあるが、
これは社交辞令というよりも、錯覚である。
幼稚園時代の彼女には、私が持っている情報の万分の1も
伝わらなかったはずである。
ここは感涙にむせんではおれず、効率を優先せねばならない。

社会人教育の必要を感じて久しい。
いま、それに専念できる時間と体力が残っていることの意味を
何度か念じながら帰途についた。
非常勤講師の退任は、穏やかなものである。
校庭に噴水、雨に光る地面、枯れ始めた桜の葉……、
次を考える者には、その日常性が快かった。
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ところで、後任は、影山 なお子さんにお願いした。
教科は「食コーディネート論」である。
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by rocky-road | 2009-10-07 00:32