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パルマローザ フォトセミナー 作品評   【パート1】

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去る4月29日のフォトセミナーでは、みなさまお疲れさまでした。絶好の写真日和、以前なら、さっさと屋外に飛び出していたでしょうが、今回は、カメラ操作の基本をしっかり頭に入れることを重視して、インドアのレクチャーに時間をかけました。
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パルマローザの撮影会を経験している影山なお子さんをはじめ、米澤須美さん、山川さと美さん、尾尻麻弓さん、甲斐和恵さん、吉田美代子さん、そして私の友人の井出哲哉氏など、みなさんがサポートしてくださったおかげで、34人という大人数ながら、おおむねマニュアル撮影のおもしろさを体験してくださったのではないかと思います。それは、出品された作品に高レベルに達しているものが多かったことでもわかります。
 
今回は初心者も多く、いきなりフォトコンテストというのも酷に思えるので、作品評とおおよその評価を「」で示すことにしました。以下、出品された全作品について、講評してみます。(今回は一部発表) 大橋 禄郎

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        Blue Nail  石川百合子さん (神奈川県 横浜山手 テレーズ主宰)                          ☆☆☆ 被写体、構図ともに、大人好みの手慣れた作品です。インターナショナルスクールが毎年行なうフードフェア(日本風にいえばバザー)の雰囲気をよくとらえています。タイトルは「Blue Nail」ですが、もし爪のおしゃれに着目したのであれば、その青い爪がもっと強調されていてもよかったでしょう。選者としては「横浜の中のメキシコ(またはブラジル?)」というふうにとらえました。女性のポーズ、カメラアングルにエキゾチシズムを感じます。

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          キューピーの憂鬱 川崎あいさん (東京都 アトリエコンフォート主宰)                           ☆☆☆  無造作に置かれた商品のキューピーを被写体として選んだ着眼がすばらしい。思い切って寄ったことで、キューピーの憂鬱さがよく表現されています。カラフルで美しく、かわいくて、しかし、なんかかわいそう……、作品とネーミングが見事に一致しました。
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   山手の丘に風光る  吉田美代子さん (東京都 食&色コーディネーター・管理栄養士)               ☆☆☆ 撮影に集中している人の表情を的確にとらえています。望遠で周囲の余分なものを省き、被写体をミディアムショットでとらえて安定感があります。上半身のポーズ、表情、半逆光に対する補正など、手堅い技術力を感じます。スナップショットの場合、シャイなカメラマンは、盗み撮りのほうに達成感を感じてしまい、撮られた人にとっては迷惑な表情、うれしくない仕草ということがよくあります。スナップといえども人物写真はモデル撮影です。この作品のように、真剣でありながら、さわやか、というフォトジェニックに撮ってほしいですね。タイトルは字句の重ねすぎかも。「風」はあまり感じられないので、いっそ割愛して「山手の丘光る」くらいにしては? 「シャッターチャンス」もありでしょう。

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      花装  松原知子さん(広島県 広島文教女子大学 人間科学部 教授)     ☆☆☆  緊張感も漂う少女の無心さを見事に浮きあがらせました。フェイスペインティングされた花の位置が申し分ありません。たまたまその位置にいたのではなく、この位置を選んだカメラマンの勝利です。撮影地ヨコハマをそれとなく感じさせて話題性もあります。注目すべきは、脇役としてのペインターの手の動き、そのきゃしゃな美しさ。主題に目を奪われることなく、何をしているかをジャストタイミングで表現しています。熟考したであろう「花装」というタイトルも適切。
 そのタイトル、「かそう」と読むか「かしょう」と読むのか。上級者向けのネーミング論としていうならば、「かそう」と読むと「仮想」「下層」「火葬」などの同音異義語があるので、造語をするときは、そのあたりのことまで視野に入れて考えるとよいでしょう。        

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      花との饗宴 甲斐和恵さん(神奈川県 病院/保健所 兼任 管理栄養士) 
☆☆鏡に映った花、それを撮影する自分自身、デジカメの特性を生かしたおもしろい作品です。こんな場合、普通はカメラが顔の前に来て、顔全体が写らなくなるのですが、ここでは構図を決めたあと、顔が見えるようにカメラを下げ、しかも花に視線を移しています。この演出力を買います。
 残念なのは、ホワイトバランスが適正でなく、画面が青ずんでしまって花の美しさが半減しています。タイトルの「饗宴」は「共演」か「競演」にかけたのかもしれませんが、ちょっとピントが違うかも。

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    お疲れさま 中村 志織さん (東京都 洋菓子インストラクター 管理栄養士) 
☆☆アウトドアでの撮影会が終わって、レストランでひと息。重いカメラを置いて、キャップも脱いで……。気がつけば外は夕焼け。「お疲れさま」というタイトルによって、この絵の説明がしっかりできています。見慣れたものを小道具に使って、美しいストーリーに仕立てました。フレーミングもお見事。
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           コロナビールをのぞく!   浅尾 昌美さん 
              (東京都 寺庵主宰 みなと地域栄養士会会長 管理栄養士)  
☆☆ コロナビールを氷水につけて子どもが売り歩いている……インターナショナルスクールのバザーだからこその風景。その印象を1本のビールびんで表現したかったのでしょう。ビールのコマーシャル写真にしないためには、このビールと出会った情景をもう少していねいに説明しておくといいでしょう。びんの周囲の風景こそがこの写真の主題であることを忘れないようにしましょう。

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      ハマ・ホスピタリティ 影山なお子 (神奈川県 パルマローザ主宰 管理栄養士) 
☆☆ 中のお料理が気になるところですが、その前に、そこに写っている自分、および室内に目を向けました。これが被写体ハンターの着眼点でしょう。この容器は一種の魚眼レンズになっているのですが、そのことだけに満足せず、もう少し欲張って、その向こうの、反射でない実像をも一緒に収めてもよかったのでは? 得意の縦位置のフレーミングであれば、そういう表現ができたでしょう。

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    宵の月 米澤須美さん 東京都 「食育を根本から考える日本談らんネットワーク」主宰
☆☆撮影会の終了はどこまでか、閉会のごあいさつらしきシーンがあったら、そこで終了なのか。公園とか旅行とか、場所を限定する撮影会のときは、そこを離れたら「無効」となるでしょうが、今回のような場合は、「最寄りの駅に入るまで」と事後法のように決めていいでしよう。その段階まで撮影を続けた根性を買います。夕焼け、ガス灯風街灯、三日月――これを写真に撮らない手はないでしょう。青空と夕景のグラデーション、月のピント、フレーミングなど、確かな技術を感じます。

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            まっかな宝石 井上実加子さん (神奈川県 フリー 管理栄養士)      
☆☆むずかしく考えないで、きれいだから撮った、という素直さがよく出ています。実は、講師もこの被写体を狙いましたが、風がけっこう強く、マクロで寄ったレンズの中で、果実(なにかな?)はじっとはしてくれません。そんな状況にめげず、よく粘って撮りました。被写体はど真ん中に置かないで、どちらかに少しずらしたほうがいい、といったアドバイスは、もう少し先にいってからのことでしょう。まずは果実のかわいらしさ、こぼれ日の美しさをしっかりとらえたことを評価したいと思います。


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           希望 赤池里江さん(東京都 ブリヂストン株式会社 管理栄養士)  
 花の撮り方には、斜め上から狙う定番のポジションがあります(チョウチョウ撮り)。が、それは類型が多く、結果的に平凡な写真になります。この写真は、カメラ位置を下げて、真横から撮っていて、そこにくふうがあります。花の美しさも出ています。ただ、画面を広くとった分、情報が多くなりすぎて、まとまりには欠けます。左手前の草、別の種のトゲトゲの草、くすんだバック、そういうものが「希望」を象徴する花の印象を弱くしています。やはり、花に寄ったほうがいいでしょう。
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            食卓に咲く花 尾尻麻弓さん(神奈川県 行政 管理栄養士)                                     真上から構えたアイディアは悪くはありません。タイトルのとおり、お皿を撮ったものでしょうか。お皿が主役で、お料理は脇役。そういうキャスティングも可能でしょうが、それにしても、お料理の表情がわからなすぎる。それだったら、お料理はないほうがいいかもしれません。そうするとお皿のパンフレット写真になりますが。こんな場合、わずかにカメラを下に下げれば、お料理の壁面が写ったでしょう。また、お皿の周囲をほんのわずかカットすると、お料理の存在感が増します。お皿の草花が右になびかせる理由はあるのでしょうか。
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           光あれ 石川珠加さん (神奈川県 横浜市 会社員)                                          木陰にオレンジ色のバラの花と、その周辺環境をとらえています。花の色がとてもよく出ています。全体としてやはり暗め、まさに「光あれ」とつぶやきたくなります。「光あれ」という願望を満たすには、もう3分の1、プラス補正をしたほうがいいでしょう。うしろに3つある花は、前の花の美しさの引き立て役とはならず、むしろ画面を散漫なものにします。とくにさかりを過ぎた花は、作品の足を引っ張る働きをするので、思い切って画面から除外してしまいましょう。

b0141773_12114119.jpg仲良し 近藤むつみさん(愛知県 学校栄養士)よい瞬間を撮りました。ややプラス補正しすぎて、露出オーバー。もうちょっと寄ると、余分なものが整理されて、いっそう2人が際立ったでしょう。タイトルの「仲良し」は抽象的だし、よくあるタイトルでもあります。
少しギャグ化して、「お似eye」 「グラスメイト」(glass mate)なんていう方法もあります。

b0141773_12164967.jpg いただきま~す  甲斐 勧(すすむ)さん
(神奈川県 会社員 エンジニア)
 屈託のない笑顔の瞬間をとらえていてジャストタイミングといえます。ローアングルから撮ったからこそ、この笑顔がとれたのでしょう。2人の手振りもそろっていておもしろい。手前の黒く写ったテーブルをもう少し減らして、2人の頭上を入れたほうがバランスがとれます。

b0141773_1225350.jpg まって!  片桐美和子さん
(青森県 片桐内科医院 管理栄養士/看護師)
どんなタイトルであっても美しい手です。しかし、状況がわからない人には、何を待ってほしいといっているのかがわからない。迷わせるのは有利とはいえないので、いっそ「季節をつかむ」とでもして、手そのものの美しさをアピールしたほうがよいかもしれません。その場合、少し出ている袖はないほうが手の美しさが引き立ちます。
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光る演奏
 
藤井葉子さん
(広島県 福祉施設 管理栄養士)
逆光で管楽器の輝きをうまく出しました。タイトルもうまい。2列目のグループを入れてバンドのスケールを説明するか、トロンボーンの人に寄ってその背景にメンバーを入れるか、表現方法はいくつかあります。いずれにしても、背景の建物のスペースはもっと減らすほうがよいでしょう。



b0141773_12293977.jpg ハマのアイドル。 山川さと美さん
(東京都 ミラクルベリー主宰 管理栄養士)
出番待ちの少女2人。アイドルの目線がほかのほうを見ているので、記念写真ではなくスナップ写真ということになります。スナップであれば、2人のアクションの中から自分だけが発見した瞬間を撮りたいですね。記念写真を撮っている人たちを横から撮っても作品にはなりにくい。写真は、1か所しかないベストポジションを確保するのが基本。

b0141773_12381258.jpg おめかししてるの  松下綾香さん
(神奈川県 厚木市 病院栄養士)
 
少女の表情は申し分ありません。しかし、タイトルからすると、ネールペイントをしているのでしょう。この位置からは見えません。そのため、わが子の記念写真のようにも見えます。写真の表現力とは、タイトルなしでも、ある程度は状況説明ができていることです。

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横濱グラデーション
小嶌 美里さん 
(東京都 株式会社エームサービス 管理栄養士)
夕陽は写真の定番的被写体。水平線にしろ地平線にしろ、横に広がる絵なので、一般に横位置で撮る人が多い。それをあえて縦位置で撮ることで、類型から少し抜け出すことができます。この作品では、夕陽よりも青空が紅(くれない)に変わるときのグラデーションのほうを作品化しています。ややマイナス補正することで青空の濃さを強調しています。撮影技術としてはこれでよいと思います。
写真の辛いところは、まとも過ぎて曲がない、という印象を鑑賞者に与えてしまうところです。

by rocky-road | 2009-05-20 13:14  

パルマローザ フォトセミナー 作品評   【パート2】

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トワイライトカクテル
 永野幸枝さん
 (千葉県 学校栄養士)
 アイディア、タイトルとも大いによろしい。ややアンダーになりすぎて、カクテルのすっきり感が押さえられています。背景の手すりも気になります。アングルを変えて何カットか撮っておきたい写真です。
何カットか撮っておけば、☆☆くらいはいけたでしょう。


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「なに色にしようかな・・・」
  中下博美さん 
(神奈川県 佐々木病院栄養士)
おもしろい2人にレンズを向けています。残念なのは、何をしているのかが、写真ではわかりにくい。2人の頭上の余白の分、レンズを下に向けてテーブルの上を写せば、もう少し説明できたでしょう。表情にももう少し輝きがほしい。


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色白なバラ
    小林恵理さん
(埼玉県 行政 管理栄養士)
 マイナス補正をして花が露出オーバーにならないように配慮して撮っていますね。もう少し花に寄ると、花の美しさが強調されます。タイトルをつけるとき、「色白なバラ」は写真で説明できているので、それ以外の狙いをタイトルにしましょう。 


b0141773_1250174.jpg光のシャワーを浴びて   山同紀子さん
(神奈川県 小田急電鉄株式会社 管理栄養士)
仲良し姉妹の表情が出ていてジャストタイミングの写真です。やや光のシャワーが強すぎて、手元がハレーション。補正技術を身につければ、☆がつく写真です。


b0141773_12532873.jpg 天使の笑顔   北村扶三子さん
(東京都 足立区 学校栄養士)
岡本太郎の作品を思わせるデザインですね。全体を撮らないことで、パンチが出ましたし、何を表現したいかがわかります。タイトルも適切。この手法を発展させてください。お料理写真もこの技術でカバーできるでしょう。次はオリジナリティです。

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脇役の華かがやく
   高橋寿江さん
(神奈川県 フリー 管理栄養士)
食卓の風景でしょうか、どこかの池の表面でしょうか、状況がつかみにくい写真です。花の美しさももう少し出してあげたい。シュールなイメージなので、タイトルとの違和感があります。



b0141773_12572521.jpg カメラ目線   林 優子さん
(東京都 フリー ライター)
陳列されている商品を、くふうして撮ったことがうかがわれます。手前のキャラクターの全身を入れずに、うしろに目を移してしまうと、カメラマンの意図があいまいなものになります。1個体をしっかり収めて、その背景を少しボカして入れると、より強い表現ができます。なお、人形などを正面から撮るとみんなカメラ目線になるわけですから、それだけではテーマになりにくいかもしれません。

b0141773_130520.jpg おやゆびひめの街  佐武 左智子さん
(神奈川県 自衛隊 管理栄養士)
チューリップがアンダー(露出不足)になりました。マイナス補正のしすぎでしょう。補正を変えながら何カットか撮っておくとよかった。フレーミングについては、花畑を撮るとき、前後の花を入れるか入れないか、妥協せずにしっかり考えましょう。タイトルはメルヘンでいいのですが、おやゆび姫を暗い世界に閉じこめないためにも、もう少し光のある環境にしてあげましょう。

b0141773_1305791.jpg 「ダンス♪ダンス♪ダンス 」   西方千晶さん
(東京都 ミニョン主宰 ビーズアーティスト) 
お皿のデザインをていねいに撮っています。ポジションもこれでよいでしょう。記録としては、合格です。これにオリジナリティを加えるには、グラスの水を入れて撮って「水を求めて」などと(たとえばですよ)、少し演出をする必要が出てきます。作品比べに参加するときに求められる表現技術です。「☆」がないから写真は苦手なんて思わないでください。

b0141773_13478.jpg 春の日差しを浴びて  佐々木百合子さん
(東京都 フリー 管理栄養士)
花を撮るときの補正はこれでよろしい。ただし、バックが暗いと、このように夜咲く花になってしまうので、次は背景も考えてください。花は、この場合、重ならないほうがよい。といって、真横に2輪が並んでいる、というものにはしたくはない。そのつど、ベストアングルを考えて悩みましょう。
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スイーツ  かもがしらまりこさん
(東京都 整理収納アドバイザー)                         
なんとも素直なショット。目の前のものを無心に撮ったという写真。撮影意図が感じられません。自分の表現を生み出すには、何かに寄っていって、それを周囲から切り取ることです。次のステップのためには、「まばゆいさくらんぼ」の作品評にも目を通しておいてください。


b0141773_1373036.jpg まばゆいさくらんぼ 竹内育子さん
(広島県 広島市教育委員会事務局 学校教育部)
木陰の、撮影技術的にちょっとやっかいな写真をよく撮りました。今回は、これで「よし」としていいでしょう。写真というのは、見えるものをすべてを撮ってしまうと作品にはならないのです。ブッフェやバイキング料理、幕の内弁当を食べたあとの、「で、何食べたんだっけ?」という感じと同じことが写真にも起こるのです。

by rocky-road | 2009-05-20 13:10  

旅を撮る 有田ツアー版


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(上の写真は、深川製磁の食器 )

影山 なお子さんが主宰する「アクションクッキング」からのお誘いで、
佐賀県西松浦郡有田にある、深川製磁の本店とアウトレットを訪ねる旅に参加した。
詳細は影山さんのホームページに譲ることにして、
去る4月29日行なわれた「パルマローザブラッシュアップセミナー 
横浜フォトセミナー」にからめて、旅の記録フォトテクニックを少し書いておこう。
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(新遠近法の写真 上)
デジカメのコンパクトカメラの特徴は、フィルムカメラに比べると「被写界深度」が深いこと。
カメラは、ピントを合わせたところ以外の前後のピントは甘くなるが、デジカメで
は、その甘さが軽減される。
「被写界深度」とは、ピントの合う許容範囲のことだが、コンパクトデジカメでは、
被写界深度が「深い」のである。

これを計算に入れておくと、上のような写真が撮れる。
アウトレットのディスプレーの土びん(正しくは有田焼きか)とカメラとの間は30センチ。
これに対して背後の人たちとの間は3メートル。
これを1枚の写真に写すことなんてことは、フィルムカメラでは考えられなかった。
この場合、当然、うしろの人にピントを合わせるが、もしフィルムカメラであったなら、
手前の土びんはボケボケで、何が写っているかがわからなくなっただろう。

《データ》ホワイトバランス太陽光、感度(ISO 200)、プラス0.3補正。

これを撮るには、人物にピントを合わせたら、シャッターを半押しのまま、
液晶画面を見ながら、片手で持ったカメラを土びんの高さまであげてゆく。
頭上に掲げたカメラの液晶部分をかろうじて確かめてシャッターを切る。
手ブレを防ぐために、一瞬、息を止めてシャッターを切る。
脚立でもないと撮れない、高い位置からの撮影ができた。
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(上の写真3点は新遠近法:サーフボード ガラスの丘 黒ごまアイス)
上の3点も、デジカメの被写界深度の深さを計算に入れて撮ったもの。
以前にも書いたが、横一線に並ぶ記念写真は、20世紀までの風習である。
デジカメでは、人の並び方は、V字型、逆V型(A字型とでもいおうか)を常識と考
えてもいいくらい。
いや、写真を撮るからといって、その場所に全員集合する必要さえない。
てんでんバラバラ、そんなところで「撮るよォ~」とやったほうが、自然だし、動きがある。
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(上は置きピンの写真) 
「置きピン」で撮った鯉のぼり。まず、鯉のぼりにピントを合わせてから半押しし、
その状態で、鯉が液晶画面の中で好みの泳ぎ方をするまで待つ。
「来たァ~」という瞬間にシャッターを切る。つまりピントを合わせたときの鯉と、
シャッターを切るときの鯉とは、違う瞬間なのである(個体は同じですよ)。
露出はマイナス補正をして、青空と雲との境をはっきりさせた。
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(シャッターチャンス。インド海軍の人たちと)
佐世保の商店街を歩いていたら、向こうから海軍さんが歩いてきた。
軍港の歴史のある長崎らしい風景である。
「May I take your picture please?」
インド海軍とおぼしき兵隊さんに声をかけた。もちろん「OK」
かつて、この一声で、オードリー・ヘップバーンご本人に写真を撮らせてもらったこ
とがある。
その土地でしか撮れない写真、それが旅の写真の大原則である。
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(上の写真2点 旅の表情)
同じく佐世保で、トンカツ屋さんらしき看板。
この旅の仲間、甲斐和恵さんのお尻にはブタの刺繍。
この出会いを記念して撮った。もっと時間をかけて、バックの看板との重なりを避ければよかった。
同じく旅仲間の山田佐奈絵さん。
普段、忙しい彼女も、旅先ではこんなに柔らかい表情をする。
これもまた、旅先でこそのショットであろう。
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(アウトレット店内で)
最後に、深川製磁アウトレット内で。陶器市直前であったため、
店内の様子をゆっくり撮れた。
一般に店内は撮影禁止だが、ここはスペースが広く、表示も監視の目もなかった。
商品を撮るのではなく、記念写真のバリエーションとして撮ってみた。
モデルは影山さん。

by rocky-road | 2009-05-05 17:39  

写真で広がる人的ネットワーク

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                           【4-①】
4月29日、パルマローザ主催の恒例の撮影会があった。
今回の参加者は34名。いままででいちばん多い参加人数だった。
この人数は、カメラやフィルムの会社が行なう撮影会にも匹敵する。
影山 なお子さん、ダイビング仲間の井出哲哉氏にアシスタントをお願いしたが、
このほかにも、パルマローザのメンバーがよくフォローしてくれた。
この人的システムがないと、多人数の撮影会の運営は不可能。
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                           【4-②】
デジカメは、いろいろの機能が付加されていて、
かつての高級一眼レフ・フィルムカメラよりも操作に手間取る。
ここを、事前に手ほどきしておくと、すぐに撮影に入れる。
これまでの経験から、いきなり撮影に入らず、まずはレクチャー。
写真がなぜ表現力なのか、写真というメディアの意味などについて、
コミュニケーション論的に、ちょっぴり脳科学的に説明してから、各機能の説明をした。
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今回は、地域のオピニオンリーダーの方々の参加も多く、
写真の楽しさをコトバで伝えていただくように、
そして、さっそく情報発信していただくために、
写真とはなにかから料理写真の撮り方まで、
やや理論的にお話をした。
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おもしろかったのは、テキストの中の「かならず」との表記法について、
なぜ「必ず」ではないのか、との質問があったこと。
文章教室ではないが、こういう不規則質問は大好きである。
が、このブログでは、なぜ「かならず」と書くかの説明は控えておく。
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参加者からは作品を1点出していただいて
フォトコンテストを行なうことを徹底しなかったが、
いまから応募していただくことにした。
テクニックを競ったり、賞品をかせいだりするのが目的ではなく、
各自の作品を拝見し、論評するのが目的である。
応募作品は、ていねいに拝見し、コメントさせていただく。
(入賞者にはささやかな賞品は用意するが)
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反省点もある。最初は欲張って、
氷川丸からインターナショナルスクールまでの撮影範囲を決めたが、
これはムリと思って撮影場所を縮小し、
それに伴って集合場所も変更させていただいた。
全作品を拝見しながらコメントするという従来方式も、
今回は人数の関係で一部の方にとどめざるをえなかった。
撮影会は、終了後の作品鑑賞までが1セットと思うので、これは残念。
その分をコンテストで補うつもり。
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                           【4-③】
よい点は、レストラン、「エリゼ光」を借りきり状態にしたため、
料理写真の実習はたっぷりとできた。
影山さんのコーディネート力にあらためて感服した。
料理は撮影用のにわか料理ではなく、デザイン性も高い、本格料理だった。
同じ料理でも、人によってお皿や盛りつけが違うという、
この店のコンセプトは、料理撮影会にはドンピシャリだった。
聞けば、いろいろな撮影会後のミーティングにも使われているとか。

当日、私が撮影した写真を何点かあげて、ポイントを示しておこう。

1.この日の料理の1つ。置かれたままではなく、自分の好みのアングルで。
  窓から入り込む光を生かした。やや望遠にして視界を狭め、
  余分なものを写し込まないようにした。
  WB(ホワイトバランス オート/AWB)ISO200、プラス0.7補正。
  (店内は通常ISO400にして手ブレを防ぐが、
  この店は窓から光が射し込んで室内が明るいので、
  ISO200に設定した。WBも外光が多いことを考えてオートにした。
  室内では通常、電灯光か蛍光灯に設定する)

2.卓上のみかん。つけ合わせの1つを自分で演出してみた。
  皿のデザインを生かして、やや上から撮った。
  ISO200、プラス0.3補正。

3.人物は、順光(被写体に光が当たる状態)よりも、逆光がきれい。
  とくに女性は……。 ISO200、プラス1~1.5に補正。
  (プラス補正度が増すほどに手ぶれのリスクは増す)
  サングラスに撮影者や、あたりの人の姿が写るのもおもしろい。(12点)

4.スナップ&風景
        ①撮影中          ②カメラアングル      ③サンセットデザート 
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            ④よこはま たそがれ↓              ⑤よこはま 月の出↓
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by rocky-road | 2009-05-01 15:09