栄養バランス、とれていますか。

b0141773_20383223.jpg

5回シリーズとして、

「『栄養バランス』をどう学び、どう伝えればよいか。

食の地図・四群点数法を中心に

というテーマのお話をさせていただくことになった。

1回目は「人はなぜ、食の基準を求めるのか」とした。

20171028日 終日。会場:横浜開港記念会館)

日本の戦後の健康教育、健康行政は、

世界水準からいって高いほうだろう。

なによりも、世界有数の長寿国、

という結果を出しているから強い。

b0141773_20450610.jpg

しかし、香港やシンガポールも

結果を出しているから、

平均寿命の要因は、

そう簡単には確定できない。

香港やシンガポールにも、

「健康日本21」のような

政府主導の健康指針があるのだろうか。

b0141773_20393212.jpg

日本は、医療や食に関して、

なんといっても「医食同源」の国から

多くの影響を受けてきた。

が、戦後の70年余りに限れば、

「食」に関しては、

欧米の影響を受けながら、

完全には「欧米化」はせずに、

一汁三菜の「日本型食事」を確立してきた。

b0141773_20520671.jpg

その背景には、

「栄養所要量」や「食事摂取基準」のような

政府主導の食事の指針が用意され、

それを学校や事業所、病院の給食に

適用してきた、という日本人のマジメさがある。

b0141773_20504327.jpg

問題は民間で、

あれやこれやの食事指針が

各省庁や個人によって継続的に示されている割には、

さらには、中学、高校でも教えているはずなのに、

なかなか身につかない。

b0141773_20553667.jpg

指針の中には、

130食品」や「マゴワヤサシイ」

そして近年では「食事バランスガイド」のように

調理や食生活の現状には合わない、

いわば机上のアイディアだけで提案されているものもあり、

実効性も実行状況も低い。

b0141773_20555756.jpg

その理由は、

こうした指針のプランナーとして

男性の参画率、発言率が高く、

または、調理経験の少ない女性や、

現場感覚、食感覚、

食の心理学などが希薄な人が集まって

プランニングしていることなどにありそうだ。

b0141773_20551923.jpg

そういうタイプの人たちは、

日本人の食生活の実態を見ていないか、

あるいは

既存の食事指針を評価する理解力が乏しいのか、

視野や洞察力に問題がありそう。

b0141773_20574683.jpg

たとえば、

すでに50年近く前に提案されている

「四群点数法」のような指針を知っていながら、

その利点が理解できず、

はるかにラフな指針を別に提案したりする。

b0141773_20573109.jpg

「食事バランスガイド」についていえば、

食事の栄養的バランスを

メニュー単位、皿単位で把握しようなどという発想は、

なんとも荒っぽい考え方である。

それはいわば、

英語を単語ではなく、フレーズで覚えよう、

といっているのに等しい。

b0141773_20580110.jpg

I have a pen

I have a pineapple」という表現の意味を

単語ではなく、フレーズで覚えてしまえ、

というわけである。

しかし、この方法だと、

I have Pen-Pineapple-Apple-Pen

というフレーズに出合ったときには

理解ができなくなる。

Pen-Pineapple-Apple-Pen

という単語(?)の意味が理解できなければ、

フレーズの意味は読み取れない。

b0141773_20595277.jpg

(ちなみに、「Pen-Pineapple-Apple-Pen」とは、

ピコ太郎氏によると、

ペンが刺さったパイナップルと

ペンが刺さったりんごとを

合体させたもの)

コトバに限らず、

国民性とか県民性とか、

社風とか校風とかと、

地域や集団の特徴を

われわれはじょうずに把握するものだが、

その前段階として、

日本人の言動、東京人の言動、

〇○会社社員の言動の特徴を把握し、

それを集団としてカテゴライズする、

それが人間の認知プロセスである。

b0141773_21134703.jpg

食品でいえば、

肉の栄養的な特徴がわかっていれば、

カレーライスが出てきても、

ギョーザが出てきても、

中身にちょっと目をやることで、

おおよその分量や特徴はわかる。

b0141773_21131381.jpg

これならば、

調理担当者にも、

外食利用者にも、

海外生活者にも活用は可能。

b0141773_21133206.jpg

どんな国へ行っても、

4つの栄養的カテゴリーに収められない食材はない。

昆虫もヘビも鶏のトサカも豚の足も、

2(良質たんぱく質群)と考えていいだろう。

b0141773_21110854.jpg
b0141773_21105953.jpg

「四群点数法」は、

「魚1 豆1 野菜3」の段階(1928)から

90年近くかけて積みあげられてきた理論である。

スタートの時点から、

質と量のバランスが考えられている。

そんなに便利な食事の指針が

ほぼ固まって40年がたっても、

現状程度にしか普及しないのはなぜか。

この点は、何度でも考えてみる必要がある。

b0141773_21112609.jpg

いちばんの理由は、

人間は、食事の質と量をコントロールすることを

苦手とする、という点。

人類はずいぶんと文明・文化を発達させたが、

動物の部分を少なからず引きずっていて、

まだ栄養学の発展には、ついていけない。

b0141773_21152853.jpg

紅茶キノコがいい、納豆がいい、

玉ねぎ水がいい、糖質制限が必要、

といった各論に反応するのが精いっぱいで、

1日になにを、どれだけ食べるか」

という基本のところを学ぼうとしない。

b0141773_21120708.jpg

めんどくさいから、

「栄養のバランスに気をつけよう」と、

プロもアマチュアも

お念仏のように唱えていいことにしている。

b0141773_21111793.jpg

コミュニケーションの問題も大きい。

せっかく、よい指針が開発されているのに、

それをエンドユーザーに届ける人がいない。

栄養士が最適任者なのだが、

指針を理解し、実践する人があまりにも少ない。

養成校でのカリキュラムや指導法に問題があるのだろう。

b0141773_21122329.jpg

そんなこんなで、

文学部国語国文学科卒業の人間が、

食事指針の1つ、「四群点数法」について、

5回シリーズで講じることになった。

b0141773_21163705.jpg

25年間、女子栄養大学出版部に在籍して、

香川 綾先生が、

この食事法を完成させる現場に居合わせたので、

そのラッキーチャンスをムダにしないためにも、

そして、人類の財産ともいうべき、

この食事法の概要や、その意味するところ、

そして、それを人に伝えるときのポイントなどについて、

5回に分けて講じてみたい。

b0141773_21114646.jpg

2
2017年11月25日(土)
時間 10時30分~午後5時30分
場所 女子栄養大坂戸キャンパス香友会館
最寄り駅 東武東上線 若葉駅

  

b0141773_21184581.jpg

第3
2017年12月10日(日)
時間 10時30分~午後5時30分
場所 横浜体育館併設 平沼レストハウス3号室
最寄り駅 JR関内駅(南口改札)

b0141773_21113657.jpg

第4回
2018年1月21日(日)
時間 10時30分~午後5時30分
場所 かながわ労働プラザ
最寄り駅 JR石川町(北口改札)

b0141773_21105059.jpg

第5回
2018年2月12日(月/祝日)
時間 10時30分~午後5時30分
場所 横浜市内(近日発表

b0141773_21115685.jpg


[PR]

by rocky-road | 2017-11-01 21:19  

<< 自然の真っただ中のわ・た・し。 旅のテーマ。 >>